農家の民生用と農業生産のために, 自然エネルギーを複合的に利用することについて検討した。この利用システムは太陽エネルギーによる乾燥施設と, 風車と太陽電池による揚水施設とからなっている。
太陽熱集熱器で得られた温水を蓄熱槽に貯留し, 農産物の乾燥時期には熱交換器によって温水を温風に変換して乾燥に利用する。もみ乾燥の場合, 35~45℃の温風が得られ, 約600kgのもみを2日間で乾燥できた。
また, サボニゥス形風車と太陽電池で, それぞれポンプを駆動して揚水を行った。実験場所では風速が小さかったので, 風車による揚水量は太陽電池による揚水量より少なかったが, 両者による1日当りの平均揚水量は冬期は約6m
3, 夏期は約8m
3であった。この揚水システムは保守管理が容易であり, 野菜栽培の散水に利用できるであろう。
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