従来の弾性率の測定では, 接触面である両端の影響を無視するか, 摩擦力を減じて, 引張・圧縮試験結果を両端自由の境界条件で解析する方法が行われてきた。しかし, 大部分の農産物では試料が小さくて両端の影響を無視することが出来ず, また, 接触面の摩擦力が大きくて, 両端自由の境界条件で解析するには無理があった。この研究では, 逆に試料の両端を接着固定し, 数学的には複雑であるが, 両端固定円柱に関する Filon (1902) の式を導入して, 圧縮試験によって正確に材料定数 (ラメ定数) を測定する方法を開発し, 6種類の農産物・食品についてポアソン比とヤング率を求めたのでその結果について報告する。また, これらの測定値については, 従来求められていなかった温度依存性 (5~25℃) を明らかにした。
抄録全体を表示