農業機械学会誌
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57 巻, 4 号
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  • 笹尾 彰
    1995 年 57 巻 4 号 p. 1-2
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 信地旋回と緩旋回の比較
    白 捷, 伊藤 信孝, 鬼頭 孝治, 王 秀崙
    1995 年 57 巻 4 号 p. 3-9
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    履帯式車両では, 機械式変速機を有するがゆえに, 信地旋回での旋回が最も一般的であった。しかし旋回時に圃場の土が履帯により移動したり, 掘り起こされたりすることを極力抑えるために, 近年緩旋回とよばれる機能を装備したコンバインが開発・市販されるに至っている。この旋回方式は, 駆動側履帯と制動側履帯の速度比を約3:1として旋回するもので, 信地旋回に比し旋回半径も大きく, 作業能率も劣る。しかしながら, 旋回時に圃場表土を深く掘り起こさないという利点がある。本報ではこの緩旋回と従来の信地旋回を仕事, 動力の面から比較検討する。
  • 渡辺 啓二, 北野 昌則, 柿野 忠嗣
    1995 年 57 巻 4 号 p. 11-16
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    これまでに, 傾斜地における装軌車の運動特性を明らかにするために, 履帯幅の影響や履帯の対路面特性を考慮した数学モデルを提案し, 模型実験結果と数値解析結果の比較検討を行い, 理論解析の妥当性を確かめてきた。本論文では, 装軌車が傾斜地において斜面谷側に流されることなく, 等高線走行するための拘束条件や運動方程式を導出し, 走行条件と操舵入力について数値解析を行った。その結果, 車両姿勢を斜面の山側に回頭させるとともに, 最適な操舵入力を与えることによって, 等高線走行することが可能であることが明らかとなった。
  • 平面層の乾燥特性と熱収支
    工藤 泰暢, ニンド C. I., 戸次 英二
    1995 年 57 巻 4 号 p. 17-25
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    籾層の平坦な表面に太陽熱を直射し, 2時間に1回の攪拌頻度で乾燥を進めた場合, 層厚5, 7.5, 10cmの各乾燥速度は0.35, 0.28, 0.18%/hであった。層を厚くするほど総乾燥時間は長くなるが, 毎時処理能力で見るとそれらの差は僅少であった。層厚5cmについて2, 1, 0.5時間ごとに1回の頻度でそれぞれ攪拌すると, 時間間隔の短いほど乾燥は早まり, 表面温度の上昇も多少抑制された。日射量の熱消費構成には層厚と攪拌頻度に対して共に大きな変動がなく, 水分蒸発には10~15%程度しか利用されていないことが分かった。晴天日の籾層表面における反射率は日平均値で0.38であったが, 太陽高度角の最も大きくなる12時付近で最低値を示した。
  • 非定常プローブ法による測定結果からの推算
    田川 彰男, 村田 敏
    1995 年 57 巻 4 号 p. 27-35
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    3種類の豆類 (小豆, 金時豆, 手亡) の熱物性を, 非定常棒状熱源 (プローブ) 法により, 5段階の含水率 (5, 10, 15, 20, 25% (wet basis)) および5段階の温度 (10, 20, 30, 40, 50℃) に関して測定した。得られた測定データを, 熱伝導方程式の近似解析解に非線形最小二乗法を適用して, 測定結果と計算値を比較したところ, 両者は極めて良く一致した。得られたパラメータの値を用い, パラメータを構成する2つの式からなる非線形連立方程式を解くことにより豆類の有効熱伝導率, 有効温度伝導率を得ることができ, さらに, 得られた値を基に豆類の比熱を推算することができた。
  • 色解析による2値化
    草野 信之, 伊能 憲英, 木谷 収, 岡本 嗣男, 鳥居 徹
    1995 年 57 巻 4 号 p. 37-44
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本研究は, ほ場風景のカラー画像から自律走行ロボットの位置および方位を推定することを目的としている。カラー画像の色解析として主成分分析法とHSI変換の2つの方法で行い, 画像を作物と土の領域に分割して2値化を行った。2値化のしきい値の決定には, 判別分析法を用いた。その結果, 主成分分析法の場合, 曇天では撮影時間に関係なく領域の分割が可能であったが, 晴天では時間によって不可能な場合があった。一方, HSI変換では曇天, 晴天および撮影時間に関係なく分割が可能であり, 屋外における色識別に有用であることが判明した。
  • ニューラルネットワークを応用した水田画像の識別
    大角 雅晴, 中村 喜彰, 山崎 稔
    1995 年 57 巻 4 号 p. 45-52
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本研究では, 水稲栽培における水稲群落の肥培管理の高度化と省力化を図るため, コンピュータを利用した画像処理を応用することを試みた。前報では水稲の葉身について葉緑素計の測定結果と画像処理結果との相関関係を調べ, 画像処理が適用できる可能性を明らかにした。この測定方法を実際の水田に適用するためには, 撮影した画像から測定対象である水稲群落と, その他の背景とを識別する必要がある。そこで, この機能を実現するためにニューラルネットワークを応用した画像処理ソフトウェアを開発した。本報では, このソフトウェアの概要と水田の画像を識別させた結果について報告する。
  • 村田 敏, スロウラ フセイン, 今田 大介, アマラトウンガ K. S. P.
    1995 年 57 巻 4 号 p. 53-57
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本報では, 製粉時に発生する熱による粉体の品質低下の防止に有効な減圧製粉について研究を行った。測定では, 圧力を (170~1025hPa), 水分を (13.4~20.2%w. b.) と変化させることにより, 各々の条件における製粉機の消費電力, 小麦粉末の水分変化を求めた。その結果, 常圧時 (この場合1025hPa) の製粉に比べ, 減圧時の製粉では, 製粉後の粉末の温度上昇が少ないことが明かとなった。また, 消費電力は減少し, 製粉後の水分の減少量は大きくなった。なお, 製粉機への小麦の供給速度は, 小麦の水分に依存することが示された。
  • 手首関節の位置制御
    飯田 訓久, 梅田 幹雄, 並河 清
    1995 年 57 巻 4 号 p. 59-66
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    重量物の取扱いを目的とした5自由度油圧マニピュレータを開発している。腰, 肩及び肘の3つの関節は油圧サーボ弁で制御し, その位置制御系と位置決め精度について第1報で述べた。他の2つの手首関節は, 油圧比例弁で制御を行った。サーボ弁と比較して, 比例弁は構造が簡単で安価であるが, 構造の違いや動作遅れのために制御性能では劣っている。また, 重量物を取扱う場合, 重力の影響により正確な位置制御は困難である。本報では, 比例弁の動作遅れと重力の影響を補償した位置制御系を設計し, 繰り返し位置決め動作実験と軌道追従実験を行った。この結果, 比例弁制御の手首関節でも, サーボ弁とほぼ同等な精度で位置制御が可能であった。
  • 古川 嗣彦, 川崎 健, 伊藤 茂昭
    1995 年 57 巻 4 号 p. 67-75
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    傾斜地ミカン園における運搬作業の省力化を図るため, 園内の上下運搬作業と園外の農道運搬作業が可能なウインチ装着運搬車を試作した。園内では上下方向に敷設した排水路を利用して無人走行が可能である。この方式によると園内の無人走行は良好で, 荷物の積み替えが省略できるため作業能率が向上し, 作業強度の軽減効果も期待できる。また, 階段ミカン園におけるウインチワイヤ張力と車輪分担荷重の計算法について検討した。
  • 河崎 功三, 井村 英昭, 相浦 正廣, 伊東 繁
    1995 年 57 巻 4 号 p. 77-82
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    イ草は収穫後束に結束され, 泥染めされた後, 熱風乾繰機に立てに詰められて乾繰される。結束されているので束と束の間に空隙が生じる。熱風が通る空隙は, この空隙とイ草束内の各イ草間に生じる空隙である。イ草は各イ草間の空隙を通る熱風により, 下部から上部へ乾繰すると同時に, 束と束の間の空隙を通る束側面流により, 側面からも乾繰する。実際の乾繰では, 束側面流による乾繰はイ草間空隙を通る流れに比べ乾繰への寄与が少なく, 乾繰効率が上がらない要因であると, 言われている。しかし, 側面流による乾繰特性についての報告はなされていない。そこで, 本研究では側面流による乾繰の特性を求める実験を行った。そして, 次の結論を得た。1) 水分拡散係数は泥染めおよび未泥染めイ草ともにイ草束直径が大きくなるほど, また熱風温度が高くなるほど大きくなる。2) 泥染めイ草の水分拡散係数はすべての実験において (熱風温度60~90℃, イ草束直径10~40mm) 未泥染めイ草のそれより大きい。
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