履帯走行装置において, 所要動力低減のためにその内部で発生する走行抵抗の解明について検討を行った。まず, 走行時に内部抵抗の一つとして作用すると考えられる転輪のゴム履帯に対する転動抵抗について, 転輪による鉛直荷重を7段階, 転輪径を5種類設定し, 測定を行った。その結果, 転動抵抗の挙動は, 鉛直荷重の大きさによって, ほぼ三つのパターンに類別された。また, 転輪径が大きくなるにしたがって, 転動抵抗の変動幅が小さくなる傾向が見られた。以上のことから, 転輪荷重による履帯の変形特性が内部抵抗の発生要因の一つとして考えられた。
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