ポリエチレンフィルムマルチによる早期水稲栽培用の田植機として, フィルム敷設とマルチ穴開け機構を装備したマルチ栽培用田植機を試作し, 圃場性能試験を行った。マルチ穴長は, 土壌が軟弱なため理論値より約2cm小さくなったが, 移植に必要な最小マルチ穴長より1~2cm大きかった。また, マルチ穴内の植付位置は, 田植機によりフィルムが前方に引っ張られたため, 理論値より3~5cm程後方となった。このような, マルチ穴の短小化やマルチ穴の不完全な切開およびフィルムの移動により, 浮苗株や埋没株が発生したものの, 正常株率は92%となった。以上の結果, 試作機は実用化のためには多少の改良を必要とするものの, 水田での適用性が確認され, 本研究の初期の目的は達成したと判断された。
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