試作した試験機I型を用い, 各作業装置の作業精度を調査した。収穫対象葉に対するこき落とし作用を受けた割合 (葉もぎ率) は78.1~93.3%であり, 葉もぎされた葉の中で収容袋まで搬送された割合 (搬送葉率) は79.2~93.7%であった。乾燥に対応できない重傷葉の発生割合は0.4~2.4%と少なかった。作業速度を1.6, 2.0, 2.4km/hの3区に分けて作業精度を調査し比較したが, 区間に大差はなかった。現在栽培されている黄色種タバコの5品種を供試して, 収穫作業精度を調査した。いずれの品種にも適用可能であり, 葉もぎ率と搬送葉率および収穫率 (葉もぎ率×搬送葉率) の区間差は僅かであった。試験機I型を用いた収穫作業時間を計測し, 労働時間を算出した結果10a当たり12.9hとなった。この値を全国的な生産費調査結果の同時間と比較したところ, 65.6%省力の可能性が得られた。試験機I型1台で処理可能な収穫面積は, 約6.4haであることが分かった。機械収穫葉について, 葉たばこの品質を手収穫葉と比較したところ, 収穫時に葉が濡れていない場合は差が少なかったものの, 収穫時に葉が濡れている場合は機械収穫葉の価格はやや低かった。
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