本研究では, 籾と玄米を対象として, その貯蔵方法及び貯蔵形態が貯蔵後に搗精した精米の品質に及ぼす影響を調べて, 貯蔵環境と精米品質との関連性を検討することを目的とした。3品種の供試試料を用いて, 温度と湿度を変えて, 4つの貯蔵区分を設定した。計測器として近赤外線分析計を利用し, 一部は化学分析を行って, 精米の水分, 粘り指標値, 食味推定値, 脂質等の経時変化を1年間にわたって調べた。その結果, 貯蔵経過時間とともに精米の粘り指標値, 脂質及び食味推定値は減少し, 水分の変化は常温開放区以外ではほぼ一定に保持された。また, 籾貯蔵と玄米貯蔵の間での精米品質の変化は同じ傾向であった。さらに, 低温貯蔵は常温貯蔵より, 常温貯蔵では密閉状態は開放状態より, 精米にしたときの品質の変化は小さかった。
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