傾斜地において等高線に沿ったトラクタの自律走行を実現するため, 次の4つのサブ実験を実施した。初あに, ニューラルネットワークを用いて, 斜面に於ける車両の入出力を表す車両方程式を導出した。次に, 等高線に沿った自律走行を行うため, NNを用いてナビゲーション計画を作成した。更に, 最適操舵を決定するために, 最適制御理論を適用した。二つの変数: 横方向変位と, 姿勢角の2乗和を要素とする2次形式を評価関数とし, これを遺伝的アルゴリズムによって最小化した。最後に, 25馬力のトラクタに自動操縦のための操舵装置を装着し, かつ前述のソフトウェアをトラクタ搭載の制御コンピュータに実装した。また, 自動追尾式の測距儀を用いて車両ナビゲーション・システムを構成した。最後に, 表形式にまとあた最適操作量を用いて, 等高線に沿った自動操縦実験を平均斜度14度の牧草地で実施した。自律実験の結果は良好であった。第2報では, 斜面上に矩形コースを設定し, それに沿った自律走行について検討する。
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