本研究では,濃硫酸加水分解法による稲わらからのバイオエタノール生産プロセスにおけるコスト,CO
2排出量およびエネルギ収支について調査し,エネルギ資源としての利用可能性について検討した。その結果,バイオエタノール変換効率は,コスト,CO
2排出量およびエネルギ投入量に大きな影響を及ぼすことがわかった。また,リグニンをボイラで燃焼させ,エネルギを熱回収するシステムを取り入れることがCO
2削減効果およびエネルギ収支を向上させるために必要不可欠であることが示された。今後,バイオエタノール生産におけるトータルコストを低減させるためには,高効率なバイオエタノール変換技術の開発だけでなく,バイオマスの高効率収集システムの開発が必要であることが示唆された。
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