米の効率的な機能性成分富化技術を開発するために,籾を対象に湿り空気により各種の加温・加湿処理を行い,その後脱ぷ・搗精,無洗米加工した米粒のGABA(
γ-アミノ酪酸)含有量,品質,食味値などを計測した。その結果,乾燥籾と半乾燥籾を富化当初から恒温・恒湿(70℃-98%RH)処理すると,短時間で高いGABA含有量が得られ,無処理の対照米とほぼ同等の米品質(胴割れ・砕粒など)が得られた。一方,これらの炊飯米(無洗米)の食味評価では,粘り,光沢などは無処理の対照炊飯米に近かったが,香りはやや劣った。香りは籾殻由来の「草・青臭い」が米飯に移行したもので,この解消法が技術課題として残された。
抄録全体を表示