農業機械学会誌
Online ISSN : 1884-6025
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74 巻, 3 号
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研究紹介
論文
研究論文
  • 大庭 裕史, 岡安 崇史, 寺尾 悠希, 深見 公一郎, 渡辺 輝夫, 光岡 宗司, 井上 英二
    2012 年 74 巻 3 号 p. 207-212
    発行日: 2012/05/01
    公開日: 2014/02/20
    ジャーナル フリー
    本研究では,小明渠作溝用サイドディスクの力学設計支援のための三次元有限要素解析法導入の妥当性について検討した。解析モデルは,サイドディスク全体を6面体要素で三次元メッシュ化し作成した。解析モデルの精度評価のため,実際のサイドディスクを用いた載荷試験装置を新たに製作し,ディスク表面およびフレーム部に発生するひずみを測定した。解析および実測されたひずみを比較・照査した結果,解析値は実測値に比べて小さく予測されたものの,両者の変形パターンには高い相関が確認された。さらに,ディスクへの載荷方向およびハブ剛性・形状を変えた感度解析を行い,仕様変更の解析結果への影響を調べた。
技術論文
  • ─玄米及び籾の破砕性能─
    重田 一人, 石川 哲也
    2012 年 74 巻 3 号 p. 213-219
    発行日: 2012/05/01
    公開日: 2014/02/20
    ジャーナル フリー
    飼料用米を牛や豚に給与するに当り,そのままでは消化しにくいため,玄米や籾を能率良く破砕する機械を開発した。破砕機構は,表面にV字型の溝を有する2つのロールがかみ合い,互いに反対方向に回転するダブルロールミル方式とした。玄米及び籾ともに,ロール間隙を小さくすると破砕程度は高まるが,処理能率は低下する傾向となった。籾では,熟期は遅い方が微粒化し,粒径の大きい品種が微粒化した。ロール間隙1.1mmでの籾の処理能率は525kg/hであり,理論値を上回った。破砕処理に要するコストは,中規模養豚経営で高温高圧蒸気圧ぺん機利用の約1/6と試算された。
  • 片平 光彦, 進藤 勇人, 上田 賢悦, 鈴木 基, 小林 由喜也
    2012 年 74 巻 3 号 p. 220-225
    発行日: 2012/05/01
    公開日: 2014/02/20
    ジャーナル フリー
    施肥同時定植作業は,ツクネイモ用種芋移植機と肥料散布機を用いて畝内施肥,定植,作畝,マルチの作業を同時に行い,全面施肥区(慣行区)と同等の形状に作成した畝の内部に,畝内施肥区(改良A区)で設定窒素量の92~94%,肥効調節型畝内施肥区(改良B区)で71~105%の精度で肥料を投入した。肥料は畝内の中央部に58%,上部に61%が分布する傾向にあり,慣行区と比較して改良A区とB区の硝酸態窒素量を畝内で同等,条間で少なくした。商品収量,商品率,規格別構成割合は,両区とも慣行区と同等であった。改良B区を用いた施肥同時定植作業技術は,作業能率と施肥改善の効果が高く,ツクネイモの生産性改善に有効である。
  • 水野 英則, 福森 武, 劉 厚清, 佐々木 泰弘, 落合 真也
    2012 年 74 巻 3 号 p. 226-233
    発行日: 2012/05/01
    公開日: 2014/02/20
    ジャーナル フリー
    米の効率的な機能性成分富化技術を開発するために,籾を対象に湿り空気により各種の加温・加湿処理を行い,その後脱ぷ・搗精,無洗米加工した米粒のGABA(γ-アミノ酪酸)含有量,品質,食味値などを計測した。その結果,乾燥籾と半乾燥籾を富化当初から恒温・恒湿(70℃-98%RH)処理すると,短時間で高いGABA含有量が得られ,無処理の対照米とほぼ同等の米品質(胴割れ・砕粒など)が得られた。一方,これらの炊飯米(無洗米)の食味評価では,粘り,光沢などは無処理の対照炊飯米に近かったが,香りはやや劣った。香りは籾殻由来の「草・青臭い」が米飯に移行したもので,この解消法が技術課題として残された。
  • 水野 英則, 福森 武, 劉 厚清, 佐々木 泰弘, 落合 真也
    2012 年 74 巻 3 号 p. 234-243
    発行日: 2012/05/01
    公開日: 2014/02/20
    ジャーナル フリー
    湿り空気加温・加湿法による実用規模の玄米GABA富化装置250kgタイプと1tタイプを開発した。加温・加湿部は連続流下型山形多管式で,玄米は装置下部の駆動部から定量排出され,空気で循環搬送される。加湿と乾燥の各工程での温度・湿度は,熱交換器からの熱風と蒸気混合器から供給される飽和水蒸気(130~140℃)の混入割合で制御される。両タイプとも,発芽玄米並みの高濃度GABA富化,胴割れの激減による搗精・無洗米加工後の高歩留りと無処理米に近い食味の確保,加工時間の短縮などが可能となった。また,排水・減菌設備不要,全工程のオールインワン化,加湿・乾燥空気の一部循環再利用等により,大幅なコスト低減が可能となった。
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