人工肝補助としての安全かつ有効なXAD-4血液灌流法を開発するために, 1) 被覆法, 2) ビリルビンを示標とした蛋白結合物質の除去効果などを検討した. 被覆材は, 1.6% cellulose acetate (CA), 4.5% poly-γ-benzyl-L-glutamate (PBLG), 2.0% diacetylchitin (DAC) の3種類である. 被膜の厚さは, PBLGで1~5μm, CAで0.5μm, DACで約2μmであり, とくにDACでは均一多孔性の被膜形成をみとめた. 灌流2時間後の血小板減少率は, CA群, PBLG群はそれぞれ約50%, 約30%であったが, DAC群は灌流前値に復し, DAC群が最も良好な血液適合性を示した. 灌流2時間後のビリルビン吸着率は, PBLG群では約10%であるのに対し, CA群, DAC群では, それぞれ約25%であり, CA群およびDAC群の吸着能が有意に高かった(p<0.05). 以上からDAC被覆XAD-4血液灌流法は, 肝補助装置として有用であると考える.
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