イオン性吸着剤Ionexは, ビリルビンと胆汁酸を選択的に除去可能である. 直接血液灌流法実施時, 微小血栓形成による吸着除去率の低下がみられた. そこで, 体外循環回路の動脈側に膜型血漿分離器, Plasmax(東レ製)を挿入, on-lineにて血漿分離を行ない, 血漿分離によるIonexの吸着除去能を検討した. 1) in vivoの灌流実験にて, Plasmaxの血漿分離能がすぐれていることを明らかにした. 2) 黄疸犬を用いた灌流実験にて, ビリルビンおよび胆汁酸の吸着除去成績は良好であった. 吸着除去能は, 直接血液灌流法と差異なかったが, 体外循環中, 灌流圧の上昇や血栓形成は認められなかった. 3) 臨床応用では, ビリルビンおよび胆汁酸の吸着除去成績は, 実験研究に比し不良であったが, 体外循環実施上の大きな障害はなかった.
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