血液透析(hemodialysis:HD)後のみならず, HD中にもみられる血中リン(Pi)値のrebound現象に関与している体内のPi reservoirをつきとめ, HDによるPi除去のまり良い方法を確立すべくラット
in vitro, ラット
in vitro, 臨床テストを行ない, 以下の結果を得た. HD中のPiのrebound現象を引き起こしているPi reservoirは, 特定の器官, 臓器というより, むしろ全身の細胞であり, とくに骨格筋を含めた一般細胞の可能性が強い. そして, 細胞外液のPi濃度が低いほど, また, HDによるPi除去が急激なほど細胞内からのPi流出が大きい傾向にあることが確認できた. HDによるPi除去は, 急激な血中Pi値の減少を避け, なるべく穏やかな濃度減少が得られるような処方がなされるべきであり, それにより生体系全体に与える影響も, より軽減することができると考えられる.
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