人工臓器
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16 巻 , 3 号
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  • 出月 康夫
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1127
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 新井 達太
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1129-1134
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 高野 久輝, 中谷 武嗣, 梅津 光生, 野田 裕幸, 福田 幸人, 木下 正之, 松田 武久, 岩田 博夫, 妙中 義之, 安達 盛次, ...
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1135-1140
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    補助人工心臓(VAD)による急性重症心不全モデルの治療を試み、循環制御法の確立、重症心不全からの回復機序の検討を行った。1) 広範囲心筋梗塞による高度左心不全モデルでは、左室自由壁の80%梗塞までは回復せしめ得た。2) Anoxic arrestによる高度両心不全モデルでは播種状心筋壊死となり、容量負荷と共にLVADの適用により全身循環を維持し、残存心筋が十分であれば回復せしめ得た。3) 左房圧と総拍出量の定値制御から成る補助量自動制御機構は、肺鬱血の防止と前負荷の調節を容易にし、全身の循環を良好に維持し、徐々にLAPを上昇させることにより、不全心を適正に回復せしめた。4) 高度心不全からの回復は、初期の左室負荷の軽減により損傷を受けた心筋の過伸展を防止し、強靱な瘢痕化を促進して残存心筋の収縮エネルギーを良好に伝達し、次いで徐々なる左室負荷の増加が残存心筋を肥大させ、又心拍数の増加、左室容積の拡大も加わって、心臓全体としての代償能力をi得せしめたと考える。
  • 井街 宏
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1141-1144
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    補助心臓は心臓外科における新しい治療手段として臨床に普及しつつあり, 既に4種類の血液ポンプ, 3種類の駆動装置が臨床に用いられている。しかし, それらの機能はまだ必ずしも満足なものではなく改良すべき問題点を多く含んでいる。本論文では, 血液ポンプおよびカニューレ,駆動装置, 計測・制御装置など補助心臓のハードウェアの基本的設計条件について解説し, 現状のシステムを紹介すると共に, それらの問題点および残された課題について考察した。具体的には血液ポンプに関しては, ポンプ流量を減らした場合のポンプ内の血栓形成, 弁やコネクター周辺のリング状血栓など血栓形成の危険性は残されており, 駆動装置に関しては小型軽量化と安全性との兼合が大きな問題である。計測や制御に関しては, 信頼性のあるトランスデューサがなくその計測項目が限られており, 何を目標にすべきかという制御のロジックをもっと明確にする必要がある。
  • Hiroyuki FUKUMASU, Aria YAMAZATO, Kazunobu NISHIMURA, Yasunori FUJIWAR ...
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1145-1149
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    The Tomasu ventricular assist device (VAD) has been applied to three patients and the Thoratec type of Pierce-Donachy VAD developed in the United State has been applied to two patients in our institutes. Out of the five three patients could be successfully weaned from the VAD, and one of them achieved long-term survival. Non synchronizing pumping of the VADs was significantly effective as well as the synchronizing pumping might be. There were no significant evidences of thromboembolism.
  • 香川 謙, 佐藤 尚, 渡辺 孝, 三浦 誠, 貞弘 光章, 秋野 能久, 本郷 忠敬, 仁田 新一, 片平 美明, 山家 智之, 堀内 藤 ...
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1150-1154
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    1984年11月から1986年3月までの期間に心臓手術後に発生した急性重症心機能不全に対してVADを使用した6例を対象とし, 適応, 駆動中の管理, 離脱の手順と方法, 合併症を検討した。対象は13歳から65歳の男子2例, 女子4例で, 原疾患は急性心筋梗塞, 重症弁膜症, 先天性心疾患各2例ずつであった。VAD適用の理由は体外循環離脱不能, 離脱後のLOS各3例で, 補助様式は左心補助5例, 右心補助1例となった。補助期間は最短28時間, 最長70日間であった。VADの流量はほぼ2.0l/min前後であったが駆動中はACTを150秒前後に保つよう適宜ヘパリンを投与し, 血小板の補充療法により血小板の減少に対処した。離脱はVADのon-off studyによる自然心の回復を主な基準として行った。6例中補助期間最短および最長の2例を除く4例が離脱し, 内1例が長期生存例となった。合併症は感染, 腎不全, 呼吸障害, 脳塞栓, 出血, VAD dependencyなど多岐にわたったが, 中でも感染が予後に最大の影響を与えた。
  • 藤田 毅, 高野 久輝, 中谷 武嗣, 鬼頭 義次, 公文 啓二, 由谷 親夫, 曲直 部寿夫
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1155-1159
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    急性重症心不全に対する補助人工心臓(VAI)の目的は, 全身の循環を正常に維持することと, 不全心を回復せしめることにある。当施設においては独自のVADシステムを開発し, 急性重症心不全に対する治療効果, 循環制御法, 不全心の回復機序, 安全性を動物実験で評価し, 現在までに幼児1例を含む12症例に適用して来た。VADの臨床応用より以下の知見を得た。1) 初期に左室負荷を減じ, 徐々に負荷を増加させる事により損傷心筋の治癒代償を促進して心不全を回復せしめ得る。2) これら循環制御は, 左房圧と総拍出量の定値制御からなる補助量自動制御機構により, 適正に, 半ば自動的に行ない得る。3) VADは従来の補助循環の限界を越えた高度心不全に対して, 極めて強力な循環補助手段である。4) しかし適用が遅延すると不全心が回復しても多臓器に後遺症を招来する。5) 臨床においては, 完全なる救命のためには, VAD適用の時間的判断と速やかな実行が必要である。
  • 遠藤 真弘, 西田 博, 小柳 仁, 渥美 和彦
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1160-1163
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    開心術の手術適応は益々拡大され, 心移植, 人工心臓をも考慮しつつ治療体系を組立てる時期である。我国でもLVADの臨床応用も散見されるようになった。我々はタイミング良くLVADを使用し, MOFに至らず救命した重症心室瘤のLAVDの装着, 脱着を呈示する。
  • 瀬在 幸安
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1164-1167
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Ventricular Assist Device (VAD) is an effective means of saving patients with severe cardiac failure. I expressed my opinion about status of the VAD and problems of the pump-driven system in Japan.
    At present, staged or bridged cardiac transplantation utilising apartial artificial heart is available and should be used more often in further to provide effective life for suffering from end-staged cardiac failure.
  • 渥美 和彦, 川島 康生
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1168
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 酒井 清孝
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1169-1172
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工膜は現在広い分野で注目されており、機能性膜として医療分野で大量に用いられている。そのほとんどが中空糸透析膜であるが、日本においては使い捨てを義務づけられているために消費量は多い。血液透析膜として年間使用される膜面積は約0.3億m2、年間浄化される血液量は約20億リットルにも達する。この中空糸透析膜の膜構造については不明な点が多く、製膜は試行錯誤で進められてきた。膜構造が明らかにされれば、製膜が容易となり、どの製膜条件を動かせば膜構造がどう変化し、それがまた透過性にどう影響するかが明らかになる。そしてより科学的に膜分離を行うことが可能となる。精密濾過膜はSEMによって表面を直接観察することが可能であるが、透析膜と限外濾過膜の細孔は未だ観察されていない。そのため膜構造に関するモデルが不可欠であるが、現在までに細孔モデルが提案されている。これを修正した迷宮細孔モデルを用いて市販中空糸透析膜の構造を検討した結果を提示する。
  • 斎藤 明
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1173-1176
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    生体側の立場より望まれる人工膜の条件は, 1) targetとなる物質の分子量に見合った孔径を有すること, 2) 孔径がより均一であること, 生体適合性が良いことの3点である。腎不全用の透析膜, 濾過膜は, 従来のものよりもcut-off pointが高くβ2-microglobulinのsieving coefficientが0.4~0.6であり, albuminのそれが0に近いものが開発され, 長期透析の合併症の改善に有効である。このフィルターはmyoglobulin, Bence-Jones蛋白などの除去にも有効である。肝不全, 高ビリルビソ血症, 薬物中毒などのアルブミン結合物質も含めて除去する場合, alburnin阻止率50~40%のフィルターを用いたHFを行うことが有効であり経済的でもある。これらのフィルターや血漿交換用二次フィルターの物質阻止曲線をtargetとなる物質の分子量領域で急傾斜にするためには, 新しい素材の開発とともに荷電の導入も検討される必要がある。
  • 中川 成之輔, 秋葉 隆, 岩本 均, 篠田 俊雄, 小倉 三津雄, 岸 清
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1177-1179
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    透析膜としての腹膜は, 人工膜のように一様均質な有効性材質ではなく複合構造である。血中の溶質が腹腔内に到達するまでに通過しなければならないbarrierは, (1) 血液相の境膜, (2) capillary内皮細胞基底膜, (3) pinocyte (vesicule), あるいは(4) 内皮細胞間隙, (5) 間質, (6) 中皮細胞基底膜, (7) 中皮細胞pinocyte, あるいは(8) 中皮細胞間隙, (9) 腹腔内透析液境膜, である。水, 小分子, 大分子の通過路は, UFRと拡散クリアランスが解離することがあることから若干の分化があるものと思われるが詳細は不明である。人工膜にはみられない特徴はpinocytic (vesicular transport)である。人工膜にくらべ拡散に対するconvective transportの比率も大きい。また効率は個体差が大きく(とくに残液量), 再現性は不定である。血行動態, 薬物(とくに血管作動性物質), 疾病状態の影響を受けやすい。たとえば酢酸によって中皮細胞のmicrovilliの消失, 変性壊死などが観察される。
  • 鈴木 正司
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1180-1184
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    透析療法の進歩は、ダイアライザーの改良によるコンパクト化・高効率化、除水量制禦や透析液濃度可変式の透析装置の出現、微量元素をも除去する水処理系の確立、薬剤残留の問題やエチレンオキサイドアレルギーをも回避したガンマ線や高圧蒸気滅菌法の出現などに負うところが大きい。さらにはEPTFE人工血管に代表されるブラッドアクセスの進歩、ヘパリンに代わり得る抗凝固薬の出現、酢酸透析に代わる重曹透析液の安定供給システムなどが拳げられる。透析器材に対する生体側の諸種の反応は特に注目されるようになり、白血球減少、アナフィラトキシン、顆粒球エラスターゼなどの各種のマーカーが提示されてきた。合併症対策も進んではいるものの、常時低血圧症、透析性アミロイド症などへの治療は未だ模索の段階にある。活性型ビタミンDに加えてエリスロポエチンがようやく入手可能となったが、アルミニウムを含有しないリン結合剤の開発が待たれている。
  • 前田 憲志, 新里 高弘, 小早川 裕之
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1185-1188
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    血液濾過を慢性腎不全の長期治療に用いる場合, 濾過透析の形が最も実用的である。しかし, 置換液を用いなければならず, この点を改良した方法にPush and Pull法がある。この方法では中分子物質より大きい物質の除去能が血液透析より大きく, 通常の濾過透析とくらべて, 透析中の中分子物質に対する篩係数の低下も防止しうることがわかった。この方法で治療すると無機燐の除去能が高いこと, 貧血が改善することが認められた。長期治療においても副作用が認められていない。小分子蛋白質の除去能率も大きいが更に除去能率の大きい専用の透析器の開発が必要である。長期透析例の合併症の多くは血液透析によって除去不良な物質の蓄積による場合が多く, 血液透析によって除去不良な物質としてフラン酸があり, この物質の除去能を高めるにもこの方法を応用することが出来る。今後, 多方面の応用が期待される。
  • 平澤 博之, 小高 通夫, 田畑 陽一郎, 小林 弘忠, 添田 耕司, 菅井 桂雄, 稲葉 英夫, 磯野 可一
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1189-1192
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    血液吸着を用い病因物質を除去することにより, 急性肝不全, 急性腎不全及び多臓器不全を治療しようとするアプローチにつき基礎的, 臨床的に検討した。基礎的実験にて血液吸着は急性肝不全や急性腎不全に対し, その救命率を改善するのに有効であった。かゝる有効性の機序としては, 肝細胞内energy代謝の改善と細網内皮系機能の改善が考えられた。臨床的にも1981年1月から1986年7月までの間に97例の各種疾患に対し1632回の血液吸着が施行された。臨床的にも血液吸着の有効性の機序の一つは, 細網内皮系貪食能の賦活であることが示された。また血中の中分子量物質の, 簡便な測定法であるserum osmolality gapを用いて検討すると, 血液吸着と血漿交換による中分子量物質の除去能は同程度であった。したがってcost-benefit ratioの観点からも, 血液浄化法を用いて病因物質を除去することにより治療効果をあげようとするアプローチにおいては, 血液吸着を第一選択にすべきである。
  • 小出 桂三, 遠山 純子, 井上 昇, 越川 昭三, 秋沢 忠男, 高橋 健, 日高 三郎, 山根 至二, 中尾 正明, 小野 俊一, 上原 ...
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1193-1198
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    経口吸着療法は, 保存期に適用可能な非観血的血液浄化法として特徴的である。従って患者の年齢や病態等の制約が少なく適用が容易であり慢性疾患には適していると言える。われわれは, 慢性腎不全の進行を抑制する目的で, 球形の多孔性炭素微粒子からなる経口吸着剤(AST-120)を最高56ヶ月に亘って慢性腎不全患者に適用し検討を加えた。その結果, 血清クレアチニンの逆数を時間に対してプロットした時の直線の傾斜は緩やかとなり, また透析導入までの期間を対照症例と比較すると, AST-120内服群で透析導入の遅延がみられ, 結果として慢性腎不全の進行抑制効果が示された。臨床症状では, 嘔気, 嘔吐, 食欲不振等の自覚症状の出現頻度が減少した。また, 高速液体クロマトグラフィーにより血清を分析した際, 腎不全患者のみに認められる尿毒症ピーク2aの増加は抑えられていることが認められた。以上の成績より, この経口吸着療法は慢性腎不全に対して有用な血液浄化法であると考えている。
  • 酒井 聡一, 東條 克能
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1199-1202
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    免疫異常をきたす疫患になぜ血漿交換が有効であるか、血漿交換後の細胞性免疫能及び網内系機能異常の改善からまず検討した。しかし血漿交換の有効性は単一の機序ではなく、種々の因子が相互に関連して発現すると考えられる。今回、原発性及び二次性腎疾患由来の難治性ネフローゼ症候群に対して、血漿交換が血液凝固能異常・脂質異常に及ぼす効果並びに腎機能への影響を検討した。対象例全例で血漿交換前に高値を示したFPA、FPB、TxB2は施行後減少をみ、特にFPA、TxB2にて著明であった。次に高脂血症を伴った巣状糸球体硬化症2例に血漿交換とLDL吸着を施行したところ、血清脂質レベルの改善と伴に腎機能並びに蛋白尿の改善を認めた。以上の様に、今回対象とした難治性ネフローゼ症候群では血液凝固能異常や脂質異常が病勢を反映する指標となる可能性があり、細胞性免疫並びに液性免疫異常に加え、血漿交換の効果発現機序の一つになり得る事が示唆された。
  • 山崎 善弥, 金井 福栄, 出月 康夫, 山脇 直邦, 稲垣 健二, 津田 信明
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1203-1206
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    免疫吸着法は狭義には免疫系の特異的反応抗原抗体結合などを利用した吸着法, 広義には免疫関連病旧物質を特異的あるいは選択的に吸着する方法と解釈される。除去目的物質に親和力を有する物質を利用するアフイニテイ吸着法は広義の免疫吸着法とほゞ同意語と考えられる。
    生物学的アフイニテイ吸着材〔DNA Collodion ColumnあるいはProtein A Sepharose CL 4B (Prosorba)〕は既に免疫疾患や癌の治療に使用されている。しかし生理学的活性物質が必要であり, その供給, 確保, 操作, 滅菌さらに免疫吸着材として雑持することが困難である。
    これらの問題を解決するため, 物理化学的アフニィテイ吸着剤(Bio-synsorb, Immci-sorba IM-TRおよびIM-PH)が開発され, それらの生体適合性や臨床効果が検討され, いくつかの満足すべき成果が報告されている。今後, 免疫吸着法は血漿交換にとって変り, 広く応用され, 免疫疾患の治療, 病態解明などに役立つことが期待される。
  • 太田 和夫, 吉田 文武
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1207
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 内藤 秀宗
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1208-1211
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工腎臓用EVAL膜の抗血栓性について検討した。
    1) EVALの初期付着蛋白は、アルブミンとグロブリンであり、通常透析の4-5時間後でもこの付着蛋白性状に変化はない。しかし、他の膜ではアルブミンとグロブリンよりもフィブリノーゲンの付着が多くみとめられる。2) SEM観察やTEM観察では、付着類蛋白様物質の厚さはEVALでは、数Aでしかなく血液有形成分の付着はないが、Cuprophanなどでは、2-3ミクロンの厚さを有し、しかも表面は血小板の凝集、崩壊が認められフイブリンの累積や、多くの血液有形成分の付着が認められる。3) 健常者の通血実験では、他の膜に比べβ-TG, PF-4などの血小板因子の活性が低く、さらに凝固因子の活性も低い、などである。
  • 赤池 敏宏
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1212-1215
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    多くの有用人工臓器が開発されつつある中で、その土台とも言うべき抗血栓性材料は未だ十分な性能を獲得していない。とりわけ、人工臓器用抗血栓性材料には多くの性能が同時に課せられることが多い。本研究では生体成分である脂質の荷電状態を変えた場合とコラーゲンの荷電状態、立体構造を変えた場合の抗血栓性について検討を加え、抗血栓性の発現に最適な構造条件を見出した。またこれを通じてバイオミメチックな材料設計の重要性を強調した。
  • 天野 泉
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1216-1219
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    血漿分離膜としては, 孔径0.2~0.5μmのセルロース系や合成ポリマーが多用されているが, ヘパリン投与下での, 2~3時間の血漿交換実施に際し, 血流量, 膜間圧力差, 濾過流量等を厳密にコントロールすれば, 分離膜内の血栓形成に関する大きな問題点はみられなかった。
    しかし, 実施中での白血球や血小板の減少や補体の活性化も認められた。特に, 膜内部での補体活性化作用や, 蛋白付着程度が膜の性能面からだけでなく, 抗血栓性の面からみても今後の大きな問題点といえる。
  • 岡田 昌義, 司尾 和紀, 中村 和夫, 松田 昌三
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1220-1226
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工心肺を用いる体外循環はHeparinの血液凝固作用を利用して心臓手術に広く応用されている。しかし体外循環中はローラポンプや血液の吸込, 人工肺などによる血小板の破壊が亢進し, 術後出血や微小血栓などによる臓器不全や低体温併用などによる末梢循環不全が惹起される。これらの障害を防止するためには体外循環中の抗血栓性を維持することが肝要である。この目的のために, 血小板凝集を抑制し, さらに血管拡張作用を有する薬剤の投与を行うほか, 体外循環回路の素材の改良や回路内面のcoating, あるいは膜型人工肺や拍動流ポンプを使用することが実施されている。今回, 体外循環実施症例55症例を対象に血小板数や血小板から放出されるβ-Thromboglobulinが血小板凝集作用を有するGabexate mesilate (FOY) 投与下ではどのように推移するのか, また, ACTに及ぼす影響についても検討した。さらにPGI2及びTXA2の代謝産物である6 Keto PGFやTXB2の測定をA-C bypass例や弁置換症例で行った。その結果, 血小板凝集抑制や血管拡張作用を有するFOY, PGE1, PGI2, OP-41483などの薬剤はHeparinにはない作用を有し, 体外循環中の抗血栓性の維持に重要な役割を果すことが確認された。
  • 清野 隆吉, 野尻 知里, 岡野 光男, S. W. KIM, 野一色 泰晴, 橋本 明政, 小柳 仁
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1227-1231
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工血管の臨床応用以来, 実験研究結果の集積に基づき素材, 物性の改良が続けられているが, 次第に問題点は長期開存性を有する小口径人工血管に向けて収斂されつつある。そして, 小口径人工血管と抗血栓性を考える上で大切なことは, 人工血管内腔表面の抗血栓性のみならず, 人工血管が究極的に血栓閉塞に至らないという視点であり, これには血液適合性以外の因子も深く関与する。
    現在, その設計にあたっては1). 高分子材料自体の高い抗血栓性, 2). 材料性状・構造の新生内膜形成に対する促進作用, 3). 宿主血管と適合しやすい物性, の3条件を相補的に満す方向で進められており, 動物実験で長期遠隔成績が100%に近い開存率をもつbiologic graft-heparin slow release collagen graft-も開発されている。この血管特性の抽出や新素材の出現により高い開存率を保持するsynthetic graftの開発も可能になると思われる。
  • 赤羽 紀武, 山本 敬雄, 桜井 健司
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1232-1235
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    血管の内面荷電と血栓形成の相関を知るため, まず内面に荷電状態を付与できる導電性材料で作成した人工血管イヌの下大静脈に植え込んで実験を行った。その結果陽性荷電した内腔の表面は血餅付着が大きく閉塞が多く起こり, 陰性荷電では血栓の付着が少なく, 荷電を与えないcontrol群も同様で導電性材料であることが抗血栓性効果をあらわすことを示した。次に人工血管の内膜形成過程の走査電顕的観察を, 電気生理的な視野から考察すると内面の陰性電化としてとらえることができた。そこで多血小板血漿を用いて荷電と血小板の粘着および変形度の相関を観察し, 血小板が陽性荷電面に多く吸着し, また強く変形する所見を得た。以上の実験結果は入工血管に導電性材料を使用して生体の正常な電気生理状態に順応できるようにすれば, 付着血餅は軽減し抗血栓性は向上することを示唆している。
  • 小机 敏昭, 堀越 茂樹, 鈴木 茂, 宮沢 総介, 益子 健男, 新井 達太
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1236-1239
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    弁置換術後352症例を対象に、人工弁の抗血栓性としての血栓塞栓発生頻度を検討した。その結果、AVR(BS弁)1.0%/patient-year, MVR(機械弁)1.6%/patient-year(生体弁)0.6%/patient-year, 2弁置換群0であった。大動脈弁より僧帽弁、僧帽弁置換では生体弁より機械弁で発生頻度が高かった。僧帽弁置換における弁種別発生頻度は、BS弁0、SJM弁3.1%/patient-year, DM弁8.9%/patient-year, IS弁0.6%/patient-yearで、BS弁・IS弁の抗血栓性が優れていた。発生時期は、AVRでは術後1年以後に発生しているのに対し、MVRでは1年以内に集中し、それも重篤な結果を引き起こしているのが特徴的であった。血栓弁は大動脈弁位のBS弁3例にみられた。重篤な脳血栓はMVRの4例にみられた。術後10年間の%free from thromboembolismは、生体弁使用のMVR 97.9%、機械弁使用のMVR 94%、機械弁使用のAVR 90.4%であった。弁置換術後抗凝固療法は必要不可欠である。
  • 工藤 龍彦, 古川 欽一
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1240-1243
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    血栓塞栓症は人工弁置換術後の重篤な合併症として知られている。血栓塞栓症を予防するためには経口抗凝血薬の長期投与が有効とされているが, 最近では血小板機能を抑制する抗血小板剤の併用が推奨されている。
    抗血小板剤の種類は多いが, 比較的よく使用される薬剤の中から, われわれはdipyridamole, ticlopidine, trapidilの三者を選び, 血小板機能に及ぼす影響について検討した。
    血小板凝集能(ADP, コラーゲン, AA)に関しては他の二者と比較し, ticlopidine投与例だけが, 有意に低下する傾向を示した。またticlopidine投与例を対象とした人工弁の置換部位別の検討では, AVR>MVR>AVR+MVRの順で血小板凝集能の低下が認められた。
  • 岩谷 文夫, 星野 俊一, 猪狩 次雄, 高野 光太郎, 安藤 正樹, 阿部 俊文, 萩原 賢一, 丹治 雅博, 佐戸川 弘之, 渡辺 正明 ...
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1244-1247
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工心臓は完全置換、補助心臓ともに、臨床応用の段階に入っているが、術後血栓塞栓発作がとくに長期使用では高率にみられており、抗血栓性に関しては未解決の部分が多い。教室における45頭の実験成績では、血栓塞栓が原因となった死亡が10頭にみられた。従来より血栓の好発部位であったD-H Junction部の血栓形成は減少したが、人工心臓内血液接触面では、唯一異なった材質の接点である、人工弁輪とクイツクコネクター境界部が好発部位であった。また45時間臨床使用した補助心臓では空気抜き孔に小血栓の付着を認めた。血栓防止に関しては、抗凝固剤の適切な投与のほかに、人工弁輪部の形成技術の改良、また補助心臓に関しては、weaning時の低流量が血栓形成を助長することより、慎重なweaning計画が必要と考えられた。
  • 野一色 泰晴
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1248-1251
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    生体側から、人工臓器材料を考察するにあたって、最も重視しなければならないことは、生体特有の内部環境維持性であろう。生体は外界状況の変化や外界からの刺激、攻撃にあいつつも、内部では恒常性を維持している。この生体内環境の概念から人工臓器、そしてその材料を考察すると、その環境を破壊せずして生体に適合してもらうには材料側はどのような努力をすべきか、また、さらに進んで、病人(環境状態のくずれている人)においては、材料、人工臓器でどのように環境を正常化してゆけるかといった情報を得ることができる。
    内部環境維持性において、さらにその特徴を挙げると、これは異物が侵入した瞬間のみならず、その後も種々の反応が持続して行われる点にある。in vitroによる材料評価はそのうちの「瞬間の反応」しか観察できない。生体は内部環境維持のため、異物に対し攻撃したり、順応したり、また損傷を修復したりする。これらは血液凝固の例にみられるように、秒単位、日単位、週単位で進行するものもある。このような基礎概念を理解した上で、抗血栓性材料の可能性を探るため、その生体反応をすなおに観察できる方法として、「末梢静脈内糸留置法」を例に挙げ討論の材料とした。
  • 松田 武久
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1252-1256
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工臓器の生体適合性は材料/生体界面での局所的反応(血栓, 石灰化, パヌス)及び体循環性反応(血液及び血管細胞障害による全身的な生体系の恒常性の変調)の二面性があり, いずれも人工材料表面において生体系が活性化されることによる。
    活性化される生体系の性質とその強さは材料の表面性状に加えて, 流体力学的要素によっても変化し, また移植期間と共に変動するdynamicな性格を有していること, 及びこれらの生体応答は臓器に特異的な生体反応と非特異的な反応が観測されることを補助心臓, 人工透析を例にあげて強調した。
    材料側から血液/材料相互作用について様々な生体系の応答性と材料表面性状との間の一般的な関係を提示した。合成高分子を主体とする抗血栓性材料の分子設計の最近の進歩と問題点をまとめた。
  • 小柳 仁, 越川 昭三
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1257
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 岡部 健二, 大内 清昭, 松原 修二, 佐藤 寿雄
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1258-1262
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    急性肝不全における血液浄化療法の意義を解明するためにD-galactosamine(GalN)により肝不全ラットを作成し、正常ラットとの間で基本的な肝補助である全血交叉灌流と血漿交換に類似した血漿交叉灌流を行なった。GalN障害肝のミトコンドリアATP生成能は、全血、及び血漿交叉灌流により有意に改善され、実験的には血液浄化療法に肝不全治療効果を認めた。しかし、教室で、血液浄化療法により治療された肝不全症例42例の生存率は31.0%に過ぎず、42例のうち29例(69, 0%)は治療開始時に、既に多臓器不全を合併しており、それらの症例の生存率は17.2%と著しく低かうた。肝不全例7例において網内系phagocytic indexとリンパ球幼若化反応を測定すると、両者とも血漿交換前には低下していた。血漿交換はリンパ球機能を改善し、網内系への負荷を軽減することから生体防御の面からも有利であり、肝以外の臓器不全の進展も予防し得るものと考えられた。
  • 岩田 博夫, 松田 武久, 雨宮 浩, 林 良輔, 高野 久輝, 阿久津 哲造
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1263-1266
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ラ島を封入したマイクロビーズ作製用素材また封入方法の検討を行なった。さらにマイクロビーズに封入されたラ島のハイブリッド型人工膵臓としての機能評価を行なった。今回検討した素材は, 低温ゲル化アガロースと各種ポリイオンコンプレックス(PIC)である。マイクロビーズを形成している高分子膜の分画分子量の調節は, アガロースの場合には高濃度アガロース溶液を用いることにより, またPICの場合には, マイクロビーズ表面に緻密なPIC層を形成させることにより行った。マイクロビーズに封入されたラ島の長期培養を行なったところいずれも60日以上にわたってインスリンを分泌し続けた。またグルコース濃度変化に応答してインスリン分泌量を増減させ得ることを明らかにした。アガロースマイクロビーズに封入されたハムスターのラ島を糖尿病マウスに異種間移植したところ, 最長53日にわたって血糖値を正常化することができた。
  • 大倉 國利, 市橋 秀仁, 高木 弘, 近藤 達平, 池田 章一郎, 伊藤 要
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1267-1269
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工膵臓の開発には, 長寿命で安定性のあるグルコースセンサの開発が不可欠である。名大・名工大グループの開発したグルコースセンサを中心にその問題点について検討した。さらに長期間にわたり酸素センサを動物腹腔内および皮下に植込みその観察を行った。植込み後3日前後で出力は低下し, 50日前後で出力の回復を認めている。またハウジング材料を動物の皮下に植込みその反応をみたところ1週間では材料周囲に薄い膜ができており, 同時にその表面に細胞成分の沈着を認めている。以上のことより組織反応の少ない材料を使用すればかなり長期間生体内で測定できるグルコースセンサの開発の可能性を示した。
  • 片岡 一則, 桜井 靖久, 丸山 厚, 鶴田 禎二
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1270-1273
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    吸着体上への細胞の親和性の差に基づいた分離法である細胞吸着クロマトグラフィーは、短時間に大量の細胞を分取できる方法として有望である。我々は、分離対象である細胞に対する特異的な吸着親和性を有するとともに、吸着体との接触に伴う細胞の機能損傷を引き起こさないような細胞分離用新規吸着体の開発を推進した結果、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)/ポリアミングラフト共重合体(HA)が優れた性能を有することを見出した。HAを充填したカラムは、pH7.0-7.5の範囲でリンパ球亜集団中のB細胞を選択的に吸着し、その結果、5分以内にT細胞をカラム流出分、B細胞をカラム吸着分として分雄できることが明らかとなった。吸着分であるB細胞は簡単な攪拌操作で脱着回収が可能である。pH等の条件を変化させた実験より、この吸着体による分離はイオン性相互作用に基づくものであることが明らかとなった。
  • 山崎 義光
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1274-1277
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工臓器は生体のホメオスターシスを人工物で代行せんとするものであり, 各種センサの開発が, その飛躍的な進歩をもたらした。その一典型例である人工膵島による長期血糖制御には, ブドウ糖センサの長寿命化, インスリン免疫センサの開発が必要である。微小針型ブドウ糖センサ皮下組織留置時, 微小血栓および体液構成成分の膜表面への付着等によりセンサ活性が低下する。そこで, アルギン酸-ポリリジンーアルギン酸膜を付加, 抗血栓性を高め, 3週間にわたる生体内連続ブドウ糖測定が可能となった。抗インスリン抗体を固定化したインスリン免疫センサ(非標識免疫センサ)を試作した。センサ出力はインスリン負荷後直ちに上昇, 125mU/ml-4U/mlのインスリン濃度において電極電位変化の直線性を示した。これらのセンサの開発・長寿命化は各種センサのプロトタイプとして, 臨床応用上より優れた人工臓器開発に大いに資すると考えられた。
  • 峰島 三千男, 山形 桂仁, 江良 和雄, 佐中 孜, 阿岸 鉄三, 太田 和夫, 服部 博行, 福井 清
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1278-1281
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    CAVHの原理は従来のHFと同じ限外濾過であるが, 比較的血流量が低い範囲で操作することや, 長時間使用による膜性能の経時劣化が問題となっている。本研究では入手されたCAVH用濾過器の理論的性能評価を目的とし, ヒト血漿およびウシ血液を用いたinvitro実験を行った。ヒト血漿を用いた定圧濾過実験の結果, 濾過流束JFは平均剪断速度γWおよび供給血漿中総蛋白濃度C(T. P.)に強く影響を受け, γW1/3, 1n[C(T. P.)]に対して直線性がみられた。一方ウシ血液を用いた実験からヘマトクリットHCTの影響を調べたところ, HCTが低いほどJFは高値を示し, γW0.65に対して直線性を示した。濾過膜の透水性能の経時劣化は濾過開始直後に生ずる大きな変化と長時間にわたる緩徐のものの2種に分類できるが, 前者についてはγWに関係なく濾過開始30分までに消滅し, 後者についてはγW/L(Lはモジユール長さ), 膜間圧力差TMPを揃えたところ, 各膜による差異はみられなかった。
  • 竹沢 真吾, 酒井 清孝
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1282-1285
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    現在約6万名の血液透析患者のうち、慢性的に血圧が不安定な患者や、常に細胞内溢水の状態にある患者に対し、最適な透析条件を模索できるよう、自動透析システムを作成中である。現在のところ、透析廃液中の溶質濃度を連続的に測定することにより、血液中の尿素、クレアチニン濃度を臨床上十分な範囲内で推算できた。また、簡便な圧一流量関係から比較的良好に総除水量を知ることができた。しかし、至適透析を自動的に行うためには、極力不均衡症候群などを呈さない状態で目的とする除水量を達成することも大切である。したがって、簡便な除水コントローラーの外に、血圧モニター、循環血液量モニターが必要である。さらに、透析液ナトリウム濃度をある範囲内で自動的に変化させるようなシステムにすることが望ましい。一方、埋め込み型人工腎臓について考えると、ミクロ相分離構造や、液体膜を応用することにより、小型の人工糸球体、再吸収膜が作成できると思われる。
  • 高木 淳彦, 白川 元昭, 多田 祐輔, 出月 康夫, 進藤 俊哉, A. D. WHITTEMORE
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1286-1289
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    血管外科領域で使用される小口径人工血管に抗血栓性を付与する目的で、培養内皮細胞を植え付け、Hybrid型人工血管を作成して実験的な研究をおこなった。イヌの外頸静脈を切除し、0.1%コラーゲン分解酵素を作用さぜて内皮細胞を得た。これを継代培養してふやした後に、内径6mmの人工血管内面に回転法により植え付けをおこなった。さらに、in vitroで培養したのち、同じイヌの大腿動脈にバイパス移植した。4週後の回収グラフト中央部の組織学的検討により、対照と比較して明らかに良好な内皮形成が認められた。内皮細胞の純培養維持、素材の開発、吻合手技などの諸問題があるが、このようなタイプの人工血管は、Hybrid型人工臓器として今後の研究の一つの方向性を示していると考える。
  • 佐久間 まこと, 安田 慶秀, 田辺 達三
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1290-1293
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    To improve the performance of vascular prostheses, seeding experiments and measurement of elastic properties of grafts have been carried out. (1) The scanning electron micrograph 6 weeks after implantation showed that the luminal lining of seeded grafts had more cellular ingrowth than control grafts and the efficacy of endotherial cell seeding was demonstrated. (2) Compliance of grafts currently in use was measured using a new type ultrasonic system. In comparison of compliance of human arteries to that of grafts, the difference of compliance between grafts and human arteries was obviously recognized.
  • 前田 肇, 堀原 一, 森 有一
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1294-1297
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工血管移植を例にとり, 人工臓器が生体循環システムに及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。上行大動脈―腹大動脈バイパスにおいて臨床例と動物実験で, 収縮期血圧の上昇, 拡張期血圧の低下, 脈圧の増大, 圧・流量波形の一致および著明な反射波の出現を認めた。従来の人工血管はGomplianceを欠いており, 駆出に対する入力インピーダンスを増すことになるため, 左室は後負荷増大に対し求心性肥大で対応する。拡張期血圧の低下は冠動脈血流量を減じ, 心仕事量の増大と相俟って虚血に陥りやすくなる。末梢側での脈圧増大や反射波の出現は, 大動脈壁の変性を助長し, 遮断端に瘤が存在すればその破裂を助長する。反面, 血圧の上昇や脈圧の増大が大動脈弓や頸動脈洞に及べば, 圧受容器のインパルスを増加させ, 延髄の血管収縮中枢を抑制して末梢血管抵抗を減じるように働く。試作したcompliant graftは従来の人工血管にみられた反射波やreversed flowを消失させた。
  • Yoichi SUGITA, Yukihiko NOSE
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1298-1302
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    The first concept of Single Pump Artificial Heart is that both failed right and left natural ventricles are combined either in series or parallel, to maintain the low pressure pulmonary circulation, while single artificial pump carries the systemic circulation. In the “series” approach, a ventricular septal defect of ca. 3 cm size is created and the mitral valve orifice is closed with a felt patch. A pusher-plate type pump is connected between the LA and the aorta. In the second “parallel” configuration, the atrial septum is removed totally and a pericardial baffle relocates both tricuspid and mitral valves in the new PA. A valved conduit is placed between the LV apex and the main PA so that the LV receives venous blood from the new RA and eject into the pulmonary circulation. A pusher-plate type pump is connected between the new LA and the aorta. The second concept of Single Pump Artificial Heart is that both failed right and left natural ventricles are removed and the atrial septum is also removed totally. Both right and left atrium are anastomosed to create common atrium to maintain low pressure pulmonary circulation, while single artificial pump which is connected between the PA and the aorta carries the systemic circulation. In this method, pulmonary circulation is totally reversed. Preliminary studies indicate that the approach is feasible, and that some number of biventricular failure cases can be treated in this manner using only single artificial heart.
  • 根岸 直樹, 富田 靖彦, 二川 佳央, 菊地 眞
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1303-1306
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    薬物療法に診いて、必要な時に、必要な量だけ、必要な場所に薬を投与することが最適な方法である。本研究では、生体分解性高分子プロドラツグからの薬物放出を物理作用を利用して治療領域に対して選択的に制御することを目的としている。そこで物理作用として充分な加温局在性が得られる430MHz帯のマイクロ波を用いた薬物送達システムの設計に関する基礎的検討を行った。始めにマイクロ波の作用を明らかにするために種々の高分子の複素誘電率を求めた。これより高分子電解質が発熱しやすいことがわかった。次に生体分解性のポリヒドロキシプロピルグルタミン(PHPG)に抗癌剤のメソトレキセート(MTX)を共有結合させて高分子プロドラツグ(PHPG-MTX結合体)を合成した。このPHPG-MTX結合体にマイクロ波を照射すると、PHPGよりも発熱することがわかった。このことは、抗癌剤を標的組織だけに放出させる上で有力な方法になることを示唆している。
  • 浜田 良機
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1307-1311
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    セメントレス人工関節の問題点の一つは骨新生による固定を待つため、術後長期の免荷を必要とすることである。これを解決する方法としては(1) 新素材の開発(2) 手術術式の改良(3) デザインの改善などがある。新素材の開発:アルミナセラミックス、ハイドロオキシアパタイト、酸化チタン、窒化チタンを金属にコーティングした素材で犬用人工股関節を作製し、その固定性を検索した。アルミナとハイドロオキシアパタイトコーティング例に100Kg以上の固定力をみた。手術術式の改良:コンピュータ・シミュレーションにより、人工臼の理想的な挿入状態は骨移植により臼蓋形成不全を補正して、開外角35度で人工臼と白底の間隙がないことがわかった。デザインの改善:スパイクが骨盤腔に極端に突出するのを防止するため変形性股関節症22例の寛骨白壁をX線学的に計測して3本のスパイクをやや外方に移動し、その内の2本を短くするようにデザインを改善した。
  • 山口 敏広, 松田 武久, 伊藤 哲雄, 岩田 博夫, 林紘 三郎, 高見沢 計一, 上村 重明, 安達盛 次, 安藤 太三, 加瀬 川均, ...
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1312-1315
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    我々が現在開発を進めている心臓血管外科用接着剤は親水性のウレタンプレポリマーであり生体下で水と反応しながら硬化し, 硬化物はゴム弾性を示す特徴がある。本報告では, 接着剤の力学的性質を血管との比較において長軸及び円周方向の応力―歪関係を定量化した。 In Vivoでの血管接着性及び接着剤の力学的性質の結果を総括すると, 血管の力学的性質に近い程, 拍動下にある接着性は大きかった。これは血管の伸縮に追従できる為に, 接合部での応力集中を回避できた為と結論された。しかし, 過度の柔軟性の付与は繰り返し拍動による接着剤自体の耐久性を低下させる傾向を示した。血管との力学的適合性(compliance matching)と接着剤自体の耐拍動性を組み込んだ弾性接着剤(compliant adhesive)を開発した。3ケ月迄の慢性試鹸では軽度の炎症反応が観察されるものの創治癒過程は良好であった。
  • 北岡 建樹, 衣笠 えり子, 秋沢 忠男, 越川 昭三, 中林 宣男
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1316-1319
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    生体と人工素材との接合性や親和性を検討するため、ダクロン、コロイダルカーボン(CC)、ハイドロキシアパタイト(HA)をラット背部皮下組織中に植え込む、または一部を体外に露出させて植え込み・肉眼的および組織学的に比較検討した。ダクロンおよびCCの軟部組織に対すを接合性はきわめて秀れているが、炎症反応が一部に認められ生体親和性は劣ると考えられた。
    これに対してHAは植え込み実験初期の接合性はダクロンおよびCCに劣るが、長期的には次第に接合性も増してくることが認められた。しかも炎症性反応の出現のない点より生体親和性にも秀れていると評価された。さらに経皮的植え込み実験では素材に対して皮膚のdown growthも認められず、親和性の強いことが示唆された。
    以上よりCAPD用腹膜カテーテルへHAを装着することは、トンネル感染や腹膜炎発生の防止に有用であると期待できる。
  • 大前 博昭, 岡崎 正之, 日野 常稔
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1320-1323
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    合成アパタイトをフィラーとし, 2.2'・ビス(4一メタクリロキシ・ジエトキシフェニル)プロパンをマトリックスレジンとするコンポジットレジンを作成した. アパタイト量の増加に伴い, 機械的強度は増し, 親和性もよくなったが, アパタイトとレジンとの混合比Ap/R=1以上では, ほとんど変りはなかった. コンポジットレジンの生体親和性をさらによくする目的でコラーゲンをコーティングし不溶化した. このインプラント試料をラット背部皮下に埋入し, その組織学的変化を検索した. コントロール試料に比べて, コラーゲンコーティングした試料は, 組織との親和性が良好で, 近接させて埋入したコーティング試料間の間隙には, 新たにコラーゲン組織と思われる架橋構造物が観察された.
  • 大西 清, 高浜 龍彦, 平石 守, 金井 福栄, 出月 康夫, 吉竹 毅, 中林 宣男, 市塚 健司
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1324-1327
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    9日目鶏胚の大腿骨を用いて器官培養軟骨組織と多孔質ハイドロキシアパタイトとの組織親和性を光顕的に検討した。この培養系でのアパタイトと器官培養軟骨との接着は、多孔質アパタイトのmacro poreへの軟骨組織の進入によるmechanical interlockingが主体であると考えられ、生体材料としてのporousなアパタイトの有利性が示唆された。また、自然胚内での成長に比べ、この培養系での骨石灰化形成能は劣ってはいるが、さらに骨石灰化促進因子の検討によって、このin vitroモデルは、アパタイトなどのセラミックス材料と骨および軟骨組織との接合面での組織親和性を評価する上で有用であろう。
  • 中林 宣男
    1987 年 16 巻 3 号 p. 1328
    発行日: 1987/06/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
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