補助人工心臓の送血側conduitの人工血管部に装着したカブ型電磁流量計プローブによる流量測定の信頼性を調べるため,
in vitro実験を行なった. 実験回路は,ヤギの血液でプレクロッティングしたwoven Dacron®人工血管(φ12mm)にカブ型プローブを装着する一方, 比較のために誤差5%以内で信頼性が保証されているカニューレ型プローブを並列に設置した. まず, 3種類の口径(φ12, 13, 14)のカブ型プローブの中ではφ13が固定しやすく安定した値が得られた. また, 同口径の3本のプローブ間での誤差は±5%以内であったが, カニューレ型より25%も多い流量を表示した. カブ型プローブでは電極位置の関係上, 磁束が一様にかからず, 流れの方向が流量の表示に与える影響が大きい. そこで, 実際の動物実験回路のごとく曲り管を用いた場合, プローブ内蔵コイル部を体の上方(頭)に向けた場合には10%高い値, それ以外の方向(通常, 実験や臨床で使用している方法)では7~16%低い値をとる. 最終的には後者の方法で, 真の値より10~22%高い値を表示することになるが, カブ型プローブ装着方法に留意すれば, 補助心臓の流量計測に十分使用しうる方法であることがわかった.
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