人工臓器
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19 巻, 1 号
選択された号の論文の181件中51~100を表示しています
  • 原 洋, 津田 英照, 渡辺 誠之, 麻生 公, 古賀 正之, 青柳 成明, 小須賀 健一, 大石 喜六
    1990 年 19 巻 1 号 p. 186-189
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工心肺よりの離脱や補助循環の適応と離脱は血行動態パラメーターを目安に試行錯誤を繰り返しながら行われているが、これらの値の信頼性、予測性には問題があり新しい視点の導入が期待されている。人工心肺離脱時の、V5誘導心電図QRS波形の臨床的観察によりQRS波形の最初のポテンシャルから30-50msecでのR波高は徐々に増高し左心室自由壁の伝導性、収縮性の回復を反映すると思われた。体外循環で実験的に作成したnormothermia, 45分global ischemiaによる心不全犬モデルでも同様な変化を確認した。人工心肺離脱難渋症例にはV5誘導にてR波高が回復せず深いS波及びQRS時間の延長の見られる例が多かった。過去10間の開心術症例のうち人工心肺離脱難渋例は137例(5.8%)でその内23例(0.97%)にVADの適応の可能性があると思われV5胸部誘導心電図はその適応の決定に意義があると考えられる。
  • 四津 良平, 田口 真一, 小野 口勝久, 芳賀 佳之, 志水 秀行, 申 範圭, 相馬 康宏, 竹内 成之, 川田 光三, 井上 正
    1990 年 19 巻 1 号 p. 190-195
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    肺循環における定常流が肺循環動態, 肺機能, 及び肺水腫の発生に及ぼす影響に関しては, これまで明らかにされていない。雑種犬を用いて定常流の肺循環, 拍動流の体循環モデルを作成した。右心房, 右心室に脱血カニュレを挿入, 肺動脈主幹部を結紮した。送血カニュレを肺動脈結紮部末梢に挿入した。これらを遠心ポンプに(定常流群), 又は拍動型ポンプに(拍動流群)接続した。体循環は自然心の自然拍動の左心室によって維持された。【結果】a. 肺血管外水分量の変動:定常流群ではバイパス前値と比べて有意な増加がみられ, その最高値は2.00±0.35であった。一方拍動流群では有意な変動はみられなかった。b. 血液ガスの変動:両群間で有意差はなかった。c. PAP, LAP, CO, 肺毛細血管静水圧PmV:両群間には有意差はなかった。d. 膠質浸透圧(COP)の変動:両群間で有意差はなかった。e. 光学顕微鏡像:どの標本も肺胞水腫はみられなかったが, 定常流群は血管周囲間質浮腫及びリンパ管の拡張が著明であった。
  • 三浦 正道, 島貫 隆夫, 深沢 学, 鷲尾 正彦
    1990 年 19 巻 1 号 p. 196-199
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    右心不全に起因した低拍出量症候群に対する右心補助として経静脈的右房脱血、カニュレーション法による肺動脈送血のRVAD(II群)の効果を、容量負荷のみ行なった(I群)場合と比較検討した。体循環の血流量は常時100me/min/kgに保ち、パイパス率を50%とした。II群では、カニュレーションにより生じた肺動脈狭窄にもかかわらず、RVADの容量補助による固有の右室拍出量の減少、及びカウンターパルセーションによる肺動脈収縮期圧の低下のために、右室収縮期圧を増大させる事は無かった。また、固有の右室の拍出量が減少しただけ右室の仕事量も軽減された。これは、右室流出路狭窄を伴う型でRVADの送血管が挿入されても右心補助効果が十分得られることを示し、又、経静脈的右房脱血にて十分な脱血も得られることから、より簡便に装着できる非開胸的、経静脈的RVADが可能であることを示唆している。
  • 藤正 巖
    1990 年 19 巻 1 号 p. 200
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • ―遠心ポンプによる左心バイパスと部分体外循環の比較―
    湖東 慶樹, 明元 克司, 村上 新, 上山 武史, 高道 昭一
    1990 年 19 巻 1 号 p. 201-204
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    当施設において下行胸部大動脈手術の補助手段として用いた部分体外循環(ローラーポンプ使用)症例と左心バイパス(遠心ポンプとヘパリンコーティングチューブ使用)症例において, 術中術後の出血性因子について比較検討した。対象症例は38例で, 部分体外循環は28例に左心バイパスは10例に行なった。出血による術中術後合併症は部分体外循環群(FF群)で5例(17.9%)うち2例が出血で術中死, 2例が肺内出血にて病院死した。一方, 左心バイパス群(LH群)では肺内出血を1例(10.0%)に認めたが死亡例はなかった。術後の出血量を比較するとFF群で平均1244ml, LH群で919mlとLH群で少ない傾向であった。また術後血小板の最低値はFF群で平均7.1×104/mm3, LH群で12.6×104/mm3とLH群で軽度の減少にとどまっており, 術後出血量の減少の一因であると考えられた。以上より遠心ポンプを用いた左心バイパス法は術中術後の致死的な出血性合併症を軽減させる有効な補助手段であるといえる。
  • 岡本 浩, 秋田 利明, 松浦 昭雄, 竹内 栄二, 田中 稔, 阿部 稔雄, 武沢 純, 島田 康弘
    1990 年 19 巻 1 号 p. 205-208
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    当院ICUでは遠心ポンプと閉鎖回路を組み合わせた補助循環, ECMOを最近1年間で4例に施行した。2例は肺炎, ARDSに対し, 呼吸補助を主目的とし, V-V方式で行った。この2例では経皮的カニューレを使用したので, カニューレ挿入部からの出血もなく, かつ十分な流量(3L/min)が得られた。他の2例は開心術後の症例で循環補助を目的として, 1例は左心バイパス+V-Aバイパス, 他方はV-Aバイパスを行い, 前者を救命することができた。人工肺は主としてシリコンホローファイバー膜型肺を用い, 抗凝固療法にはヘパリン, FOY, プサンを併用してACTを300~400sec程度に維持した。施行期間は3~7日間であったが, 回路のtroubleはなく, 安全に行うことが可能であった。また経皮的カニューレ, V-V方式の2例は, 術後早期のV-A方式の2例に比べ輸血必要量が有意に少なかった。
  • ―胸部大動脈瘤手術例における検討
    村田 升, 山本 登, 森保 幸治, 村上 厚文, 斎田 清彦, 横川 秀男, 舟波 誠, 高場 利博
    1990 年 19 巻 1 号 p. 209-213
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Bio-pumpを用いた左心バイパスを補助手段として胸部大動脈瘤7症例に手術を行った。症例の内訳は男性5例, 女性2例で年齢は43~75歳(平均58.6歳)。真性胸部下行大動脈瘤4例, IIIb型解離性大動脈瘤3例であった。手術は人工血管置換と, 解離性大動脈瘤にはIvaron Sponge Occulusion法を追加した。破裂例はなく全例待機手術例であった。大動脈遮断前に少量のヘパリンを投与し, ACTを200秒前後を保つようにヘパリンを追加した。回収式自己血輸血法を併用した。大動脈遮断時間97.7±40.0分, バイパス時間105.9±36.2分, バイパス流量は1.4~3.3L/minであった。自己血輸血に夜と思われる凝固線溶系の活性化を認めたが, 臨床的には問題は生じなかった。死亡例はなく急性腎不全, 不全対麻痺が其々1例ずつ生じたが本法に起因するものではなかった。また, 1例は全経過を通じて同種血輸血を必要としなかった。
  • 矢田 公, 谷 一浩, 下野 高嗣, 田中 国義, 森本 保, 草川 實
    1990 年 19 巻 1 号 p. 214-217
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    われわれは, 遠心ポンプ(Bio-pump)による補助循環の実験的研究にもとずき, これまでに5例の開心術後の重症心不全患者に対し左心補助を行った。対象の5例はいずれも体外循環からの離脱困難例で, 内3例はCABG施行後, 他の2例は弁膜疾患であった。方法は, 送脱血カニューレは日本ゼオン社製のものを用い左房脱血―上行大動脈送血で行い, 全例左心補助開始前からIABPを挿入し補助循環中も併用した。補助循環開始と共に全例体外循環からの離脱は容易で, 補助循環中の血行動態を安定させることができた。
    本法の問題点は, ポンプヘッドの抗血栓性に問題があり, 血栓形成を予防するためにはポンプヘッドを24時間毎に交換し, 血液凝固能検査でFPAが10ng/ml以上になった時は抗凝血薬剤の投与が必要である。
  • 中谷 武嗣, B. RADOVANCEVIC, O.H. FRAZIER
    1990 年 19 巻 1 号 p. 218-221
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    心臓移植後の移植心不全に対する治療は、多くの困難な問題を抱えている。我々は種々の原因の重症移植心不全を経験したが、左心不全の5例に対しIABPを、3例に対し動脈内軸流血液ポンプ(Hemopump)を適用した。また右心不全の2例に対し遠心ポンプによる右心補助を行なった。IABP施行4例は適用早期に死亡したが、1例は免疫療法の併用により心機能の改善をみ、1年後の現在元気に過している。Hemopumpを適用した3例は全例移植心機能が回復し、Hemopumpより離脱した。うち1例は1年5か月後元気に過している。右心補助の2例はともに右心機能が改善し、1例は1年6か月後経過良好である。移植心不全においても、移植心機能の回復まで、また拒絶反応による場合では免疫療法が効果を表わすまで、強力な循環補助手段を用い全身循環の維持を行なうことにより救命が可能である。また免疫抑制剤使用下においては、外科的侵襲が少なくかつ有効な循環補助効果をもつ補助循環法が望ましい。
  • 岡田 昌義, 久保田 真毅, 今井 雅尚, 辻 義彦, 吉田 正人, 太田 稔明, 小沢 修一, 中村 和夫
    1990 年 19 巻 1 号 p. 222-225
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    近年、重症心疾患に対しても手術適応が拡大され積極的に外科治療が行われている。しかしこれらの症例の中には術前並びに術後を通じて心原性ショックや高度の心不全のため、何らかの補助循環法を実施しない限り死の転帰をとるケースが存在する。著者らは現在までにかかる症例に対して補助循環法を実施したが、その数は188例に達した。188症例中169例(89.9%)にIABPが実施されたが、他の15例ではIABPに加えてV-A bypassが、残りの4例には最終的に補助人工心臓が適用された。その結果、IABPが実施された169例中心原性ショック46例を含め全体として69.2%を救命した。一方、IABP+V-A bypassを併用した15例(虚血性心疾患8、重症連合弁膜症7)中7例(46.7%)で離脱がえられたが、結局長期生存をえたのは2例であった。さらに、補助人工心臓を適用した4例中2例を術後5日、7日目に離脱しえたが、結局MOFのため失った。とにかく、補助循環中は心補助のみならず、他の重要臓器への機能不全防止にも留意すべきことが重要であった。
  • 中村 和夫
    1990 年 19 巻 1 号 p. 226
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 成瀬 好洋, 幕内 晴朗, 松永 仁, 進藤 剛毅, 古瀬 彰, 高浜 龍彦, 金井 福栄, 大西 清
    1990 年 19 巻 1 号 p. 227-230
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    植込式ペースメーカーによる慢性電気刺激にてpreconditioningを行った左広背筋を心外側に縫着し、同期収縮による心機能補助の効果を雑種成犬を用いて実験的に検討した。広背筋の同期収縮は自己心拍2拍に1回行い、同期収縮を行った心拍、行わなかった心拍、および刺激開始前の心拍について肺動脈圧、左室圧、左室容積を比較検討した。同期収縮により肺動脈収縮期圧は刺激開始前と比較し有意に上昇し、左室圧も上昇する傾向を示した。左室拡張末期圧は不変であった。左室容積は同期収縮により収縮末期容積が減少し、1回拍出量が有意に増加した。下大静脈閉塞法によって求めたEmaxは同期収縮により有意の増加を示した。これらの結果より、広背筋縫着による骨格筋補助心の有効性が示されたものと思われる。
  • ―画像解析を用いた組織学的検討―
    磯田 晋, 近藤 治郎, 井元 清隆, 梶原 博一, 田村 功, 鈴木 伸一, 山崎 一也, 矢野 善己, 松本 昭彦
    1990 年 19 巻 1 号 p. 231-234
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    骨格筋を用いた心機能補助における骨格筋の耐疲労性獲得を目的として, 低頻度の電気的トレーニングを施行し, 骨格筋における変化を画像解析を用いて組織学的に検討した。家兎の右坐骨神経に刺激電極をおき, 低頻度連続電気刺激を平均15.3日間施行したのち右下腿筋群を実験群とし, 対側を対照群とした。重量測定, 腓腹筋のATPase染色を施行し, 日本アビオニクス社製高速粒度分布計測装置を用いて筋線維組成及び形状に関して2次元的解析を施行した。
    10Hz, 2週間の電気的コンディショニングは, 骨格筋の筋線維組成を変化させた。すなわち筋重量の減少, 耐疲労線維の増加, 線維の断面積の縮少, 及び筋線維の円形化がみられた。これは, 好気的代謝の増加を示唆し, 骨格筋移植を用いた心機能補助に際して, 耐疲労性の獲得における電気的コンディショニングの有効性が示された。
  • 薄場 彰, 岩谷 文夫, 星野 俊一, 猪狩 次雄, 阿部 俊文, 萩原 賢一, 佐戸川 弘之, 渡辺 正明, 井上 仁, 元木 良一
    1990 年 19 巻 1 号 p. 235-238
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工心臓の抗血栓性を検討する目的で体重52-90kgの仔牛5頭を用い, ポリウレタン製空気駆動式トーマス型人工心臓で完全置換実験を行ない, 術前後の血液凝固能の動態を凝血学的分子マーカーを中心に検討し以下の成績を得た。1)術前検査では血小板数がヒトと比較して異常に多いこと以外特に異常を認めなかった。2)術直後は手術侵襲の影響で血小板数, ATIIIが著減し, フィブリノペプタイドA(FPA), Bβ15-42(Bβ), FDPが著増してhypercoagulable stateを示したが, 術後約1週間で回復した。3)術後1週以降は凝血学的に極めて安定しており, トーマス型人工心臓の抗血栓性の優秀性を示した。4)重症感染症合併症例では血小板数, ATIIIの著減, FPA, Bβ, FDPの著増とhypercoagulable stateを示し多臓器障害で死亡した。剖検では多発血栓が観察され感染に対する制御と同時にhypercoagulabilityに対する対策の重要性が示唆された。
  • 高浜 龍彦, 金井 福栄, 平石 守, 大西 清, 成瀬 好洋, 古瀬 彰, 吉竹 毅
    1990 年 19 巻 1 号 p. 239-242
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    LVAD施行時における最適な抗凝固療法を確立するために, heparinに代わりうる抗凝固剤として, 現在既に市販されており, 臨床使用可能なもののうち, 血小板凝集抑制作用, 血管拡張作用を有するthromboxane A2合成酵素阻害剤(OKY-046)と, 抗トロンビン, 抗プラスミン作用等を有するprotease inhibitor (Nafamostat mesilate, FUT-175)の二剤について, 血液凝固線溶系に及ぼす影響を対比検討し, 抗凝固剤としての評価を行った。FUT-175は, その抗トロンビン作用, 抗プラズミン作用により, 内因系血液凝固線溶系の賦活化を最小限に抑制することが可能であり, 血小板凝集抑制作用を有するのみで, 血中fibrinogen, α2-plasmin inhibitorの著しい低下減少を招くOKY-046に比して, より有用な抗凝固剤であると考えられた。適切な抗凝固療法を行なうことは, 出血, 血栓症のみならず, 重篤な臓器障害の発生を防止するうえにも重要なことと考えている。
  • 堀田 壽郎, 阿部 稔雄, 田中 稔, 高木 啓之
    1990 年 19 巻 1 号 p. 243-246
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    補助心臓の臨床試験が多数施行されるにつれて, LVADによる左房バイパス時にみられる左室内血液停滞, 血栓形成の問題が生じてきた。その防止法として左房バイパスに左室バイパスを加えた左房―左室コンビネーションバイパスの有用性を動物実験にて確認したので報告する。
    雑種成犬10頭を用い, 左房下行大動脈バイパス下に, 各種サイズの左室脱血カニュラを心尖より挿入し, Y字形に左房カニュラと合流させた。両者の間に逆流阻止弁を介在させた。使用したポンプ系は内径7.5mm, チャンバー容積15mlのdouble chambered altemate pumping deviceとその自動制御器である。本実験系では, 左室脱血カニュラの内径は5mm(左房脱血カニュラの断面積の50%以上)あれば, 左室内に血流が停滞して血栓を発生する危険は避けられ, かつ左室後負荷軽減効果も期待できると考える。
  • 松浦 雄一郎
    1990 年 19 巻 1 号 p. 247
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 水谷 嘉孝, 水谷 登, 小林 正
    1990 年 19 巻 1 号 p. 248-252
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    虚血に陥った心筋に対し, 冠静脈洞に挿入したballoon付きカテーテルを介して逆行性に動脈血を虚血部へ灌流するsynchronized coronary venous retroperfusion (SRP)法を冠閉塞犬に用い, その有用性を検討した。体重16~46kgの雑種成犬30頭(SRP群20頭, control群10頭)を用い, 麻酔後X線透視下にballoon付きカテーテルを左前下行枝遠位部に挿入しinflation後, 心電図でST上昇を確認できた犬を冠閉塞犬モデルとし, SRP群は冠閉塞後30分より360分まで, control群は冠閉塞後360分まで血行動態を観察, また, 病理学的検討も加えた。
    SRP法ではcontrol群に比し, 左室拡張終期圧の改善, 心係数, LV dp/dtの安定を得た。病理学的検討でもSRP群はcontrol群に比し虚血巣の縮小を認めた。
    本法は虚血心筋を保護する極めて有用な方法と考えられ, 臨床使用における有用性が示唆された。
  • 深町 清孝, 岸崎 邦昭, 麻生 俊英, 福村 文雄, 富永 隆治, 小江 雅弘, 三谷 淳夫, 坂本 真人, 栗栖 和宏, 鶴原 由一, ...
    1990 年 19 巻 1 号 p. 253-256
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    左心補助人工心臓(LVAD)の新しい駆動方法として、収縮期駆動法に拡張期IABPを併用し、その有用性を検討した。雑種成犬9頭に対し、空気圧駆動型LVADにて左房脱血、上行大動脈送血の左心補助を行い、駆動時相及びIABP併用の有無で、(1)拡張期駆動(Diastolic Driving, D群)、(2)収縮期駆動(Systolic Driving, S群)、(3)収縮期駆動+拡張期IABP(Systolic Driving+IABP, SI群)の3群に分け順不同で駆動した。S群・SI群でD群に比し補助流量は共に有意に増加し、左室仕事量は有意に低下した。左室駆出開始時の大動脈圧は、D群>S群>SI群の順で有意に高かった。左室最高圧はSI群で有意に低かった。左回旋枝冠動脈血流量の拡張期成分比率は、S群でD群に比し有意に低下したが、SI群はD群と有意差はなかった。収縮期駆動法にIABPを併用することにより、補助流量の増加に加え、有効なSystolic unloading効果とDiastolic augmentation効果が得られ、その左心補助効果はさらに高まった。したがって本法は左心補助人工心臓の駆動法として、不全心の回復効果を高める上で有用であると考える。
  • 今西 薫, 井街 宏, 阿部 裕輔, 鎮西 恒雄, 満渕 邦彦, 藤正 巌, 渥美 和彦, 須磨 幸蔵
    1990 年 19 巻 1 号 p. 257-260
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    われわれは経皮的にアプローチが可能でIABPの補助効果を増強する補助循環法を検討中である。一本の送脱血管を有する弁のないサック型の血液ポンプ(Modified Assist Device; MAD)でカウンターパルセイションをIABPに追加して行うことにより、強力な補助循環効果が得られることが、in vitro, in vivo実験により確認された。今回われわれはMADのカウンターパルセイションポンプとしての至適駆動条件の検討を行った。その結果内径4mm、長さ30cmのカニューレに接続した容量20mlの血液ポンプのカウンターパルセイションを行う際の至適駆動条件は、駆動陽圧150-170mmHg、駆動陰圧90-100mmHg、S/D比40-50%と考えられた。
  • 田村 進, 海老根 東雄, 李 美根雄, 横室 仁志
    1990 年 19 巻 1 号 p. 261-264
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    重症な左心不全に対し簡易的に大動脈内バルーンパンピング(IABP)と左心バイパスを行なうのを目的とし、カテーテル内腔を通して先端から送血、流量補助可能な新しいdouble lumen balloon catheterを作製し左心不全犬に対してその治療効果を検討した。
    血行動態的には血圧、心拍出量ともに良好な改善を見ることができ、心電図上でも坑不整脈作用が確認され、この補助循環の有効性が確認された。
    しかし、CPKの上昇よりdouble lumen balloon catheter挿入部末梢組織の阻血の影響が疑われた。また補助循環開始後より遊離ヘモグロビンの著明な上昇が認められており、送血回路内部圧の高さに起因していると思われた。血行動態的には良好な結果が出ており、catheterの素材及び形態の改善にて有用な補助循環として臨床応用が期待できると思われる。
  • ―心内膜側及び心外膜側における心筋組織血流量, 心筋組織酸素分圧の検討―
    山崎 一也, 近藤 治郎, 井元 清隆, 坂本 哲, 平野 克典, 磯田 晋, 松本 昭彦
    1990 年 19 巻 1 号 p. 265-269
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    冠循環に対する左心補助人工心臓(LVAD)の効果について, 成山羊8頭を用いた急性動物実験を行い検討を加えた。左房―下行大動脈間にLVADを装着し, 左前下行枝を結紮して急性心筋梗塞を作成した。LVAD駆動時及び停止時の血行動態とともに, 虚血心筋領域での心内膜側心筋組織血流量(ENDO-MBF)と心外膜側心筋組織血流量(EPI-MBF), および心内膜側心筋組織酸素分圧(ENDO-MPO2), 心外膜側心筋組織酸素分圧(EPI-MPO2)を測定した。この結果, LVADにより全身の血行動態は改善がみられたが, 虚血心筋領域でのENDO-MBF, EPI-MBF及びENDO-MPO2はLVAD駆動による有意の変化は示さなかった。一方, EPI-MPO2はLVAD駆動によりやや増加する傾向があったが, 有意差があったのは梗塞作成後1時間値のみであった。これより虚血心筋領域の局所冠循環に対するLVADの効果は一定しなかった。
  • 加治 正弘, 田中 茂夫, 井村 肇, 別所 竜蔵, 朽方 規喜, 杉本 忠彦, 山内 仁紫, 新田 隆, 佐々木 建志, 小坂 真一, 二 ...
    1990 年 19 巻 1 号 p. 270-273
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    IABP離脱時期決定に際して, 従来どうり, SVI, CI, PCWP等の心機能面での指標を重視する事に関しては異論がない。しかし, これら指標によるIABP離脱後, 急激に状態が悪化する症例も経験する。これに関してSDR低値に起因する心内膜下虚血が関与する可能性の有無を検討した。SVI, CI, PCWP等を指標としたIABP離脱後, 離脱不成功であった症例におけるSDRは1:4, 1:8の状態で低値を示す傾向があり, IABP離脱直前のSDR値は特に重要であり, 0.8~0.7以下特に0.7以下の症例では心内膜下心筋の虚血が存在しIABP離脱を強行すると急劇な心機能低下をきたす恐れがある。IABP離脱の最終段階においてその成否を決定する重要な指標となる可能性が示唆された。
  • 三田村 好矩
    1990 年 19 巻 1 号 p. 274
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • ―各種機械弁との比較―
    丸古 臣苗, 有川 和宏, 増田 宏, 木佐 貫彰, 古園 耕治, 西村 明大, 田畑 傳次郎, 石部 良平, 豊 平均
    1990 年 19 巻 1 号 p. 275-277
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    僧帽弁位にOmnicarbon弁を用いた単弁置換症例(OC群)で、溶血の指標として血清LDH、血清ビリルビン及びHbを、人工弁機能の指標として超音波連続ドプラー法による、拡張期血流最大速度(Peak Velocity)と拡張期最大圧較差半減時間(Pressure Half Time)を測定して、St Jude Medical弁(SJM群)、Duromedics弁(DM群)及びBjork-Shiley弁(B-S群)と比較した。測定は一率に術後4週間前後の安定した時期におこなった。OC群では血清LDH及び血清ビリルビンは他の群に比して有意に低値を示し、OC、B-S、DM、SJM群の順で漸増した。Hb値での差はみられなかった。超音波連続ドプラー法によるPeak Velocityは各群間に差を認めなかった。Pressure Half TimeはDM群とOC群が他に比して有意に短かく、有効弁口面積の点で有利と考えられた。
  • 矢尾 善英, 長田 一仁, 藤川 正, 末定 弘行, 小西 正樹, 平山 哲三, 山口 寛, 石川 幹夫, 北村 昌之, 石丸 新, 古川 ...
    1990 年 19 巻 1 号 p. 278-281
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Björk Shilly弁をもちいた僧帽弁置換術患者38例(Convexo-concave型20例, Monostrut型18例)にたいしてX線シネ撮影を用いた直視下の弁機能の観察を6~72カ月間行った。両タイプとも最大解放角度, 弁座動揺角度, 解放時間, 閉鎖時間の経時的変動は少なく良好な結果を示した。弁座動揺角度は症例による変動が大きく, 10度以上の症例は殆ど31mmを使用しており, 過大な弁の使用が原因と思われる。
  • 合田 俊宏, 奥出 潤, 酒井 圭輔, 安田 慶秀, 田辺 達三
    1990 年 19 巻 1 号 p. 282-285
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    St. Jude Medical(SJM)弁の僧帽弁位における水力学的特性を実験回路を用いて測定し他の人工弁と比較検討した。低駆動圧、頻拍、前負荷の変動など病的心のシミュレーション下での弁機能をリサージュ曲線を作成して検討したところSJM弁が最も安定した曲線を示した。弁開放角では各弁間に差は認めなかった。1984年より1989年までのSJM弁による僧帽弁置換術症例48例を基に臨床的検討を行った。早期死亡3例と晩期死亡2例を認め、耐術5年6ヵ月後の累積生存率は95.9%であった。人工弁関連の合併症は血栓弁1例のみで1.0%/pt. yrであった。術後1ヵ月以内の超音波連続波ドップラー検査ではpeak velocity 1.29±0.39m/sec、pressure half time 74.9±21.0msec、圧較差6.7±3.2mmHgと同時期に移植した他の人工弁よりも良好な弁機能を示した。
  • 宮沢 総介, 松井 道彦, 杉田 洋一, 佐々木 達海, 森田 紀代造, 鈴木 和彦, 高倉 宏充, 小柳 勝司, 新井 達太
    1990 年 19 巻 1 号 p. 286-289
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Ionescu-Shiley弁を用いてMVRを施行した48例を対象として, 断層心エコー図・ドブラー法を用いて, 弁の経年変化について追跡した。その結果, 1. 明らかな弁尖肥厚は, 3年で4%, 4年で12.5%, 5年で38%, 6年で47%, 7年では61%の症例で認められた。2. 左室流入速度は1.0~1.5m/sであり, 正常に機能している限り, 不変であった。3. PHTは1年で84.2±21.9, 2年で86.7±15.8, 3年で9.1.0±17.4, 4年で99.3±29.7, 5年で101.3±24. 5, 6年で112.5±22.5, 7年で100.0±18.3msecと徐々に延長した。4. 弁機能不全を有する場合, 逆流を有する例では流入速度は速いが, PHTは正常であった。狭窄を有する例では, 流入速度が速く, かつPHTも延長していた。
    Ionescu-Shiley弁の機能不全の診断では, 超音波ドプラー法が有用であり, 流入速度とPHTを計測することにより, 逆流と狭窄の定量的評価が可能である。
  • 松井 道彦, 矢田 雄滋, 小柳 勝司, 望月 吉彦, 森田 紀代造, 若林 研司, 佐々木 達海, 古川 仁, 堀越 茂樹, 新井 達太
    1990 年 19 巻 1 号 p. 290-293
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Björk-Shiley monostrut valveで大動脈弁を置換し2年以上経過した33例と, sphrical valveで大動脈弁置換した24例の臨床像を比較検討した。sphrical弁使用群では病院死2例を認め, 遠隔死はなく, 術後約4年の生存率は91.7%であった。monostrut弁使用群には病院死・遠隔死共になく, 約4年の生存率は100%であった。またmonostrut弁使用群では, 一例に術後22ケ月に脳血栓塞栓症を生じた。心胸郭比の改善・NYHA機能分類の改善, 及び術後のワーファリン投与量, トロンボテスト値などには有意差を認めなかった。溶血の指標となる血清LDH値は, 術前249.3±52.3IU/Lから術直後は334.5±63.1IU/Lと上昇するが, sphrical弁使用群では269.4±43.1IU/Lと下降するのに反して, monostrut弁使用群では379±54.7, 391.2±93.6と上昇し, 有意な増加を示した。この点を除けばmonostrut弁はsphrical弁と同様に優れた臨床像を示した。
  • ―Duromedics弁とSJM弁の比較検討―
    木村 希望, 井上 紀雄, 渡辺 祝安, 山口 保, 山田 修, 数井 暉久, 安倍 十三夫, 小松 作蔵
    1990 年 19 巻 1 号 p. 294-297
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    1984年10月より1989年5月までに、中心開放型二葉弁であるDuromedics弁(以下DM弁)とSt. Jude Medical弁(以下SJM弁)による単独僧帽弁置換術84例を対象に、両人工弁の手術成績及び遠隔成績を比較検討したので報告した。術後30日以内の早期死は4例(4.8%)で、遠隔期死亡は6例であった。早期死を除く術後4年の実測生存率はDM弁90.3%、SJM弁87.4%で両弁間に有意差はなく、全体で89.6%と良好な結果を得た。血栓塞栓症は、5例(2.9%/患者・年)に認め、術後4年でのevent-free rateは、DM弁91.7%、SJM弁86.5%、全体90.2%で、SJM弁に血栓塞栓症が多い傾向を認めた。また、3例のDM弁に血栓弁の発症(2.4%/患者・年)を認めた。不完全な抗凝血薬療法が上記合併症の発症に関与していると思われたが、遠隔成績向上のためには、厳重な抗凝血薬法が必要である。
  • 阿部 稔雄
    1990 年 19 巻 1 号 p. 298
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 大越 隆文, 野一色 泰晴, 冨澤 康子, 森島 正恵, 小柳 仁
    1990 年 19 巻 1 号 p. 299-302
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    抗血栓性に優れ, 石灰化, 変性をきたさない生体弁を開発する目的で, glycerol polyglycidyl ether(ポリエポキシ化合物=PC)処理による生体弁を作製し, 実験的検討をおこなった。雑種犬より採取した大動脈弁をPCで架橋した(PC valve)。PC valveの中枢側及び末梢側に人工血管を縫着してconduitとし, これを雑種犬に, 右室―肺動脈バイパスとして植え込み, 主肺動脈を結紮した。PC valveの圧較差は5mmHgであり, 肺動脈拡張期圧は19mmHgと保持されていた。同手術を施行した生存犬を作製した(7頭)。御後36日目(1頭), 37日目(1頭)の右室造影では, PC valveは良く機能しており, 識別可能な血栓形成を認めなかった。PCにより架橋すると材料は, GA架橋同様, 強度を増すが, GA処理が材料を黄変, 硬化させ, 疎水性にするのに比べ, PC処理では本来の白色と柔軟性を保持する。また, 材料は高親水性かつ高含水性となるため, 十分な坑血栓性が付与され, かつ, 材料中への栄養, 酸素, 電解質等を含有した水分の浸潤, 拡散に有利であり, 材料の変性防止に有用である。PC処理した人工血管の長期例において, 石灰化がないと報告されているので, PC処理された生体弁の場合も石灰化しにくいと考えられる。従って, PC valveは良好な弁機能と, 十分な抗血栓性を兼備した生体弁であると同時に, 石灰化, 変性がおこりにくく, 耐久性にも優れていると期待される。
  • ―機械弁と生体弁の比較検討―
    川内 義人, 麻生 俊英, 益田 宗孝, 松崎 浩史, 真弓 久則, 木下 和彦, 小江 雅弘, 深町 清孝, 三谷 淳夫, 坂本 真人, ...
    1990 年 19 巻 1 号 p. 303-307
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    1967年から'88年12月までに施行した僧帽弁単弁置換を対象とし、retrospectiveに機械弁(M)105例(Starr-Edwardsディスク8・Starr-Edwardsボール8・Bjork-Shiley2・St. Jude Medical87)と生体弁(B)194例(Hancock122・Ionescu-Shiley22・Carpentier-Edwards牛心膜50)を比較した。追跡期間はM群468P-Y、B群1207P-Y、追跡率は98.3%であった。早期死はM群4例(3.8%)、B群7例(3.6%)で、遠隔死もM群11例(2.4%/P-Y)、B群32例(2.7%/P-Y)と差を認めなかった。早期死を含む累積生存率は10年目でM群73±8%、B群73±4%であった。血栓塞栓症及び出血性合併症の発生をM群で12例に20回(4.3%/P-Y)、B群で21例に27回(2.2%/P-Y)認め、その非発生率は10年目でM群64±13%、B群82±4%と差を認めなかった。人工弁機能不全をM群で2例(0.4%/P-Y)、B群で24例(2.0%/P-Y)に認め、その非発生率は10年目でM群97±3%、B群79±5%であり、9年目以降で有意差を認めた。再手術をM群3例(0.6%/P-Y)、B群35例(2.9%/P-Y)に施行し、その非発生率は10年目でM群97±3%、B群70±5%と両群間に有意差を認めた(P<0.05)。人工弁心内膜炎の発生はM群で2例(0.4%/P-Y)、B群で12例(1.0%/P-Y)に認め、その非発生率は10年目でM群91±3%、B群90±9%であった。人工弁に関連した全合併症の発生をM群12例(2.6%/P-Y)、B群65例(5.4%/P-Y)に認め、その非発生率は10年目でM群60±13%、B群52±5%と差を認めなかった。以上の結果から、僧帽弁位では生体弁は耐久性で劣り、抗血栓性でも機械弁より優れることはなく、生体弁を第一選択とする積極的な理由はなかった。
  • 豊田 恒良, 清水 健, 会田 博, 坂本 滋, 金戸 善之, 白川 尚哉
    1990 年 19 巻 1 号 p. 308-310
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    1983年10月より1988年12月までに33症例に対して41個のMitroflow(M-F)生体弁を使用した。また、1975年6月より1988年12月までに126症例に対して153個のBjörk-Shiley(B-S)機械弁を使用し、その内66個に対しては1985年以後Monostrut弁を使用した。これらに対し、弁機能不全発生率、血栓塞栓症発生率、有効弁口面積を算出し検討した。
    M-F弁は弁機能不全発生率においてB-S弁に比し不良な結果を示したが、血栓塞栓症非発生率及び有効弁口面積においてはB-S弁に比し良好な成績を示したことより、他の生体弁同様、耐久性に対して慎重に経過観察を行い高齢者、重症例、抗凝固療法が出来ない症例などの生体弁適応患者に対しては、今後もM-F弁の使用を考えている。
  • 岡田 昌義, 岩橋 和彦, 太田 稔明, 杉本 貴樹, 山本 信一郎, 山下 長司郎, 小沢 修一, 中村 和夫
    1990 年 19 巻 1 号 p. 311-314
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    教室では1966年, 重症弁膜症に対してStarr-Edwardによる人工弁置換術を実施して以来, 多種にわたり人工弁を使用してきたが, 満足すべき成績がえられている。人工弁にも時代とともに種々の変遷がみられたが, 目下機械弁としてはtilting valveないしleaflet valveが多用されている。今回, Medtronic Hall弁(MH弁)を71症例に使用し, 種々の観点から検討を重ね若干の知見をえたので報告する。71症例の内訳は男女比は2.5:1であり, 年齢は36~67歳(平均53歳)であった。弁膜疾患の内訳は僧帽弁疾患43例, 大動脈弁疾患は24例であり, 連合弁膜症4例であった。一方, 使用したMH弁のサイズは僧帽弁位では25~31mm, 大動脈弁位には21, 23mmが使用された。人工弁の圧較差の平均は僧帽弁位では4.3mmHg, 大動脈弁位では11.5mmHgと弁サイズの差異によっても大差はなく術後は良好な血行動態がえられた。このほか, MH弁は機能的弁口面積が他の機械弁と対比して広く, しかも耐久性並びに抗血栓性に富む良好な機械弁であると結論された。
  • 永瀬 敏夫, 依田 隆一郎, 福留 明, 仁田 新一, 佐藤 尚, 三浦 誠, 片平 美明, 山家 智之, 本郷 忠敬, 香川 謙, 毛利 ...
    1990 年 19 巻 1 号 p. 315-318
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    体外式の補助心臓(VAD)の汎用化を目指した人工弁として、プラスチック製のボール弁を検討した。この弁はコネクター内蔵型にして生産性と抗血栓性の改善を図った。ポリカーボネート(P. C.)製コネクターにシリコーンボールを組み込んだ弁は同口径のBjörk-Shiley(B-S)弁とほぼ同等の流量特性を示した。同弁をサック型VADに用い、非抗凝固療法下で23例のヤギ実験を行なった結果、弁室内部の血栓付着は皆無であった。溶血性についても血漿遊離ヘモグロビン、血清LDHとも術前値と同じレベルであった。模擬循環回路を用いた耐久性試験は、100bpm×13ケ月目で特に異常は無く、更に継続している。また、弁の閉鎖音はB-S弁に比べて著しく静かになった。同弁は成形と組み立ての方法が簡素化され、一方で従来の移植用から流用されて来た弁と比較して抗血栓性で有意な差を認め、コネクター内蔵弁の有用性を示した。
  • ―傾斜型ディスク弁とボール弁の比較―
    片平 美明, 仁田 新一, 山家 智之, 薗部 太郎, 永沼 滋, 秋保 洋, 林 博行, 本郷 忠敬, 佐藤 尚, 三浦 誠, 毛利 平, ...
    1990 年 19 巻 1 号 p. 319-322
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    臨床用補助人工心臓(VAD)を開発するにあたり、使用される人工弁の特性が、システムとしてのVAD全体に与える影響は極めて大きい。そこで、VADでの使用を前提とし、あらたにボール弁の開発を行ない、その流体力学的特性を傾斜型ディスク弁(Björk-Shiley弁)と比較検討を行なった。トレーサ法による流れの可視化写真から、画像処理による定量的解析を行なった訳であるが、VAD駆動上特に問題となる低流量での流れに焦点をあて、流速ベクトル、流線形状、ずり速度、V2-分布について解析を行なった。その結果、ディスク弁では低流量下でmajor orifice側に流れが集中し、minor orifice側の流速が極端に低下するのに対して、ボール弁では流れの局所的な集中は起こらず、弁後方の流れも層流状態がよく保たれていることが観察された。これらの点から、今回解析を行なったボール弁は、低流量下での特性が特に要求されるVADの人工弁として、流体力学的に優れたものであると判断された。
  • 大石 喜六
    1990 年 19 巻 1 号 p. 323
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 守月 理, 川内 基裕, 松永 仁, 古瀬 彰
    1990 年 19 巻 1 号 p. 324-326
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工弁置換術前術後症例83例を対象として自転車エルゴメータ運動負荷試験を行なった。
    毎分10ワットの無段階漸増負荷を行ない、運動中の呼気ガス分析より無酸素性作業閾値(AT)を決定した。負荷は患者の症候限界までかけ、中止時の負荷を症候限界性最大値(MAX)とした。AT, MAXにおける酸素摂取量VO2, 運動負荷強度WATTをそれぞれ予測正常値に対する到達率で表わした。VO2の予測正常値はPosnerらの式より求めた。WATTの予測正常値は共同研究者の田村らが本研究と同様の運動負荷システムにより健常成人(男性88名、女性125名)の結果より算出した回帰式から算出した。%VO2ATと%WATT ATおよび%VO2MAXと%WATT MAXの間にはそれぞれ有意な相関関係が認められた。運動負荷試験の評価法として予測正常値に対する運動負荷強度到達率%WATTは簡便かつ有用な指標と考えられた。
  • 小長井 直樹, 長田 鉄也, 工藤 龍彦, 古川 欽一
    1990 年 19 巻 1 号 p. 327-330
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工弁置換術後の症例に対し, 抗血小板剤としてaspirin81mg/day(A群:10例)とticlopidine 300mg/day(T群:10例)を選び, 術後第2病日よりwarfarinと併用投与し, 術後2週と術後6週の血小板機能を術前と比較した。血小板数は両群とも術後2週に有意に増加し, 術後6週には術前値に戻った。ADP凝集能はticlopidineによって, アラキドン酸凝集能はaspirinによって術後2週より有意に抑制され, 術後6週にはその抑制がさらに著明となった。血小板放出能に関しては, 両群とも術後2週においてβ-TGの有意な増加とPF-4の増加傾向を認めたが, 血小板数の変動と同様に術後6週にはほぼ術前値に戻った。しかし, β-TGとPF-4を血小板数で除した値を検討した結果, この術後2週における放出能の増加は, 個々の血小板自体の放出反応の増加というよりも, 血小板数の増加に基づくものと考えられた。
  • 石倉 義弥, 小田桐 重遠, 嶋津 明
    1990 年 19 巻 1 号 p. 331-334
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    O-C弁を大動脈弁に8コ, 僧帽弁に23コ使用し, その弁機能につき臨床的に評価を行った。臨床症状の改善度は術前平均2.9度から術後平均1.2度と全例改善が見られた。Cineradiographyでの弁最大開放角度は大動脈弁位では70±4.08°, 僧帽弁位では56±1.37°であり, 僧帽弁位におけるnet flow area/orifice area比は85.4±1.6%と比較的良好であった。Doppler Echocardiographyによる弁口最大圧較差は大動脈弁位で平均18.38±30mmHg, 僧帽弁位で平均699±1.2mmHgであった。断層心エコー法と心機図による心機能評価では, 僧帽弁症例において五ADとQ-I時間が術後有意(P<0.01, 0.002)に改善が見られた。SVは両弁共に術後著明に減少したが有意差はなく, PEP/ET, EF, AODでは変化が見られなかった。最長4年の経過観察期間中に一例も血栓栓塞症などの合併症を見ておらず, O-C弁は臨床的に満足できる人工弁と考える。
  • 太田 裕治, 土肥 健純, 堀内 孝, 鎮西 清行, 松本 博志, 井手 博文
    1990 年 19 巻 1 号 p. 335-338
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    埋め込み後の人工弁機能を迅速かっ定量的に評価するために、自動データ入力・処理システムを開発した。本システムは、CCDカメラ、スーパインポーザ等を用い、シネフィルム上の弁画像から、弁・弁座の輪郭をパーソナルコンピュータに入力・処理することで、蘭放角、相対運動等の運動特性を定量的に把握するものである。また解析時間の短縮化を図るべく、弁画像に対し画像処理(2値化)を施すことで弁輪郭の自動抽出入力を試みたところ、輪郭自動抽出の成功率は75%であり、データ処理を自動化することが可能であった。実際に、本システムを用いて90フレーム分のシネフィルム弁画像を解析した所、画像処理による自動輪郭抽出を行わない手入力と比較して、22%の解析時間の短縮が実現した。また本システムにより、Medtronic Hall Valveを埋め込んだ臨床例について解析を行ったところ、63~66度の開放角が得られ、実用上十分な機能・精度を有することが判明した。
  • 浜中 喜晴, 大野 祥生, 福永 信太郎, 末田 泰二郎, 石原 浩, 松浦 雄一郎
    1990 年 19 巻 1 号 p. 339-342
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工心臓駆動中におこる人工弁破損の原因の一つとして、人工弁が閉鎖する際の水撃現象による異常高圧の影響が考えられる。この水撃緩和を目的として、人工弁固定部に衝撃緩衝材料を用いた人工弁固定リングモデルを作製し、水撃緩和効果の検討を行った。人工弁固定リングの前後に衝撃緩衝材料を挿入可能な装置を作製し、人工弁固定リングモデルとした。衝撃緩衝材料を用いないで弁を固定したものをコントロールとし、シリコンを衝撃緩衝材料としたもの、及び開発中の特殊な材料を用いたものと比較した。人工弁閉鎖時の弁前後の圧差の最大値は%systoleの増加に伴つて増加し、最大開放位から急激に閉鎖される時点で最大となつた。弁前後の圧較差の最大値は、コントロールで最も大きく、次いでシリコンを用いたものであり、特殊材料を用いたものが最も小さく、人工弁固定リングに衝撃緩衝材料を用いた場合には水撃緩和効果が認められた。
  • 喜岡 幸央, P.M. PEGO-FERNANDES, P.M.A. POMERANTZEFF, A.D. JATENE
    1990 年 19 巻 1 号 p. 343-345
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    1983年1月より1988年3月に当施設において、1512例の人工弁置換術が施行されたが、28例(1.85%)に人工弁感染による心内膜炎にて再弁置換術が施行された。17例が男性例であり、年令は平均36.7±12.9才(18-67)であった。術前NYHA心機能分類は11例がIV度、12例がIII度、そして5例がII度であった。8例は緊急手術例であった。置換弁は、1例がStarr-Edwards弁で、他は生体弁であった。血液培養では14例(50%)が陽性であり、5例にStreptococcus viridansが検出された。病院死亡率は28.5%(8例)で、1例に遠隔期死亡を認めた。死因は敗血症4例、低拍出量症候群2例、脳内出血1例、凝固機能異常による出血例1例であった。弁置換より心内膜炎症発症が1年未満の例、緊急手術例、血液培養陰性例は、各々他例に比し、死亡率が有意に高かった。遠隔期死亡は1例で、他19例は心機能分類1度に復帰している。
  • 鷲尾 正彦
    1990 年 19 巻 1 号 p. 346-347
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 祝安, 木村 希望, 山田 修, 竹田 晴男, 数井 暉久, 安倍 十三夫, 小松 作蔵
    1990 年 19 巻 1 号 p. 348-351
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    大動脈弁位に用いたOmnicarbon(O-C)弁のX線シネ撮影による弁開放角(opening angle, OA)の測定を術後早期および遠隔期に行い、比較検討し知見を得たので報告する。1985年3月より1988年3月末までに施行したO-C弁による大動脈弁置換術(AVR)85症例のうち、X線シネ撮影条件が良好で正確にOAを測定し得た30症例を対象とした。術後早期では、最大開放角(maximum opening angle, MOA)は71.5±7.7度であったが、60度以下の弁開放不全を13%に認め、そのOAは55.8±1.9度であった。また、OA55.2±3.4度でdiscの異常開放運動を73%に認めた。遠隔期では、50%の症例で術後早期に観察された異常開放運動を生じたOAで新たに弁開放制限が生じ、MOAは61.7±8.7度と術後早期に比し有意(P<0.0005)に減少した。O-C弁のdiscの開放制限と異常開放運動を生じたOAは非常に近似しており、これらがO-C弁の構造的要因に起因して発生していることが強く示唆された。
  • 小江 雅弘, 川内 義人, 麻生 俊英, 松崎 浩史, 益田 宗孝, 真弓 久則, 木下 和彦, 酒井 始, 白石 公徳, 徳永 晧一
    1990 年 19 巻 1 号 p. 352-355
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    我々はより生理的な血行動態・血流パターンでの弁機能の評価を目的として, 一心拍当りの弁開閉動態に基づくin-vitroでの水力学的弁機能測定上の利点をin-vivoに応用し, 人工弁機能の術中評価を試みた. 大動脈弁置換10症例を対象とし, 人工心肺離脱後血行動態の安定した時点で, 頻拍負荷又は容量負荷を行った.左室圧, 大動脈圧及び大動脈血流量を記録し, シグナルプロセッサーを用いて, 心周期・人工弁開放時間・平均圧較差・有効弁口面積・左室最高圧・心拍出量等を一心拍毎に算出した. 有効弁口面積はGorlinの式に従い求めた. 負荷中連続的に一心拍毎に測定することにより, 人工弁で規定される有効弁口面積一心拍出量及び平均圧較差一心拍出量関係という人工弁機能曲線を得ることができた. 特に合併症もなく安全に短時間に測定が可能で, 臨床的に有用な人工弁機能評価法であると考えられた.
  • 永田 昌久, 小林 正治, 野垣 英逸, 塩井 健介, 三枝 裕幸, 加藤 眞司, 朴 一彦, 浅井 忠彦, 上床 邦彦, 間瀬 武則, 土 ...
    1990 年 19 巻 1 号 p. 356-358
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    機械弁であるBjork-Shiley弁の急性期ならびに慢性期における人工弁機能不全症例4例に文献的考察を加えて報告した。急性期機能不全は外因性ともいわれ, 乳頭筋, 左室後壁など心臓自体の障害, 血栓, 縫合糸など異物による障害などによるdiscの運動障害が原因とされている。著者らの報告した2例も血栓および縫合糸が原因と考えられた。しかし血流の微妙な異常による機能的な原因も否定できず今後の検討が必要である。慢性期機能不全は血栓, 過剰肉芽などによるものがあるが, ここで取り上げたのは内因性のものであり, この人工弁はconvexo-concave型であった。その原因は疲労性の破損であり, 著者らの報告した2例のうち1例は救命できたが, 1例は失った。その成否は発症から手術までの時間にかかっており, したがって, この型の弁保有者の厳重な監視が必要である。
  • ―特に活動期の手術手技と術後成績について―
    平田 欽也, 中野 清治, 遠藤 真弘, 橋本 明政, 小柳 仁
    1990 年 19 巻 1 号 p. 359-361
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    置換弁心内膜炎(以下, PVE)の自験例について手術手技と術後成績を検討した。教室で過去9年間に経験した外科治療を要したPVE症例は8例である。非活動期まで手術待機可能であったのは3例, 活動期での手術は5例であった。活動期手術の原因としては, 遷延する感染が3例, mycoticaneurysm破裂, leakageがそれぞれ1例であった。活動期での術式は, AVR2例, AVR+mycotic aneurysm入口部閉鎖術1例, AVRが施行できず上行大動脈グラフと置換術にleakage修復術を加えた症例が1例, 大動脈弁輪補強術のみを行った症例が1例であり, 2例を失った。生存曲線を比較すると, 自己弁心内膜炎活動期手術の3年生存率が81.9%であるのに対し, PVE活動期手術例では60.0%と低値を示した。NVE活動期の手術には初回手術より根治性の高い術式を選択し, PVEへの移行を防ぐことが重要であり, 外科治療の時期を逸しないことが成績向上につながると考える。
  • 折田 博之, 島貫 隆夫, 深沢 学, 稲沢 慶太郎, 広岡 茂樹, 鷲尾 正彦
    1990 年 19 巻 1 号 p. 362-365
    発行日: 1990/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Mbdtronic-Hall弁による弁置換術98例(MVR:57, AVR:23, DVR:18)(平均年齢54.2歳)の遠隔成績と自転車エルゴメーター運動負荷試験による運動耐容能について検討した。また、運動耐容能については100W完走例(運動耐容能良好群n=16)、100W完走不能例(不良群n=13)とに分け比較検討した。(結果)術後1ヵ月以内の早期死は8例(8.2%)で、死因の中の1例はstuck valveであった。手術生存90例の追跡期間は3.0年で、累積追跡期間270患者・年の遠隔成績は生存82例、遠隔死8例(3.0%/患者・年)であった。遠隔期の合併症は、血栓塞栓症1例(MVR)(0.4%/患者・年)、PVE3例(AVR:2, MVR:1)(1.1%)であり、PVE3例に対し再手術を施行した。術前後のLVEDVIは、運動耐容能良好群では33.0ml/m217.8、不良群でも49.5-24.5と有意に改善したが、術前のLVEDVIは不良群で有意に高値であった。
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