人工臓器
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22 巻, 1 号
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  • 末弘 健, 末岡 明伯, 堀口 純子, 小嶋 俊一, 斯波 真理子, 山本 章
    1993 年 22 巻 1 号 p. 243-247
    発行日: 1993/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    二重濾過血漿交換法(DFPP)の血漿成分分離器として, 血漿処理量や各溶質の分画特性など濾過性能の改善を目的に, 高性能EVAL2次膜Evaflux-5A(5A5)を開発した. 従来膜に比べ孔密度の増加, シャープな孔径分布などの特徴を有し, 大幅に濾過特性の改善が図られた.
    5A5膜を用いたDFPP法による高脂血症患者2名に長期臨床評価を行った. 従来の4A膜に比べ排液をしない全濾過法が可能であり, LDLなど有害成分の除去は同等以上で, アルブミン, HDLなど有益成分の損失を大幅に減少することができた. またLDLのみならず, 動脈硬化や心筋梗塞のリスクファクターとして注目されているLp(a)やフィブリノーゲンを効率的に除去することが可能であった. 吸着療法との比較では, HDLの損失がやや大きいが長期間の臨床評価では遜色ない結果が得られた.
  • 山田 卓史, 高木 正剛, 藤井 卓成, 松元 治, 山口 博一郎, 田中 賢治, 野口 学山, 中 淳, 釘宮 敏定
    1993 年 22 巻 1 号 p. 248-252
    発行日: 1993/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    高脂血症に対する積極的治療法としてLDL-apheresis療法(LDL-A)が導入され, 動脈硬化の改善効果等が期待されているが, 著者らは高度の高脂血症を伴い, 術後病変の進行やグラブト閉塞の危険性が大きいと予測された虚血性心疾患(IHD)5例(男4例, 女1例, 年齢; 40~71歳), 慢性動脈閉塞症(CAO)4例(ASO:男2例, 女1例, TAO:男1例, 年齢; 49~66歳)にLDL-Aを施行し, その有用性につき検討した. LDL-A後, 血清総コレステロールおよび中性脂肪値は全症例で低下し, 低下率はそれぞれ8~26%および10~53%であった. IHD群では5例中1例に冠動脈病変の進行を認めたが, 残り4例は全く進行が認められず, グラフトは全例開存していた. CAO群は全例に虚血症状の改善と歩行距離の延長が認められ, APIは治療前後で0.65~0.84→0.86~1.14と有意に上昇した. 以上よりLDL-AはIHDおよびCAOの術後病変の進行防止に有効な治療法と考えられた.
  • 高島 征助, 中路 修平, 高倉 孝一
    1993 年 22 巻 1 号 p. 253-257
    発行日: 1993/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    血漿中の低密度リポ蛋白質に対して、高い選択的吸着活性を有し、しかも安価で生体適合性を有する吸着剤を探索した。その結果、特定の細孔半径(約100nm)を有し、その表面が陰電荷のα―アルミナが有効であることを見出した。すなわち、アルミナを1000℃以上の高温で焼成することによって、吸着活性が向上し、とくに、1200℃で処理すると、低密度リポ蛋白質のみを選択的に吸着することが判明した。さらに、この吸着剤をミニカラムに充填して高脂血症患者の血漿を用いて循環法による検討も行い、良好な結果を得ることが出来た。
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