人工臓器
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23 巻, 4 号
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  • 大西 正俊
    1994 年 23 巻 4 号 p. 987
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 岡崎 正之, 大前 博昭
    1994 年 23 巻 4 号 p. 989-994
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    生体材料への応用を目指した基礎研究の一環として, 前半でのみFを供給することにより炭酸フッ素化アパタイトの合成を行った. 生成物のF含有量は, 均質系炭酸フルオロアパタイトの約半分であった. このアパタイトのX線(300)回折線は分離していたが, 単に均質系炭酸アパタイトと炭酸フルオロアパタイトの機械的混合物とは異なり, 走査型電子顕微鏡(SEM)による観察では, 均質系炭酸フルオロアパタイトに類似した六方晶の結晶を取り囲むようにして小さい結晶が付着しているのが認められた. SEM付属の分光分析計による表面解析では, 炭酸フルオロアパタイトよりかなり低いFピーク強度を示した. また, 溶解実験後では表層部の結晶が消失していた. なお, Mgを追加供給した実験ではこれら結果を支持する所見が得られた。以上の結果より, 炭酸フルオロアパタイトを炭酸アパタイトが取り囲んだような2層構造を有する不均質系アパタイトの生成しているのが示唆された.
  • 高島 征助, 中路 修平, 高倉 孝一
    1994 年 23 巻 4 号 p. 995-999
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    劇症肝炎の患者の血漿を極大波長: 376,392および423nmの光照射を行った後, 活性炭, 陰イオン交換樹脂, 固体酸の3種類の吸着剤で処理した. 処理した血漿を除タンパクして, 高速液体クロマトグラフィーにて測定した. クロマトグラム上にはいくつものピークが出現した. 特に, 光照射によって低分子量の強極性物質が顕著に増加することが認められた. その現象は照射光に対して波長依存性があり, 長波長側で著明であることも判明した. 光照射後の試料を極性の異なる3種類の吸着剤で処理した結果, それぞれ特徴のあるクロマトグラムが得られた. それらのうち, (光照射/活性炭)組み合わせ法によって低分子量の強極性物質が効率的に除去されることがクロマトグラムから判明した.
  • 相崎 雅弘, 石川 進, 浜田 芳郎, 津田 京一郎, 大滝 章男, 大谷 嘉己, 市川 秀昭, 高橋 徹, 佐藤 泰史, 森下 靖雄
    1994 年 23 巻 4 号 p. 1000-1002
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
    Gelseal Triaxial®を用いて血行再建した30手術症例中, 術後急性期に人工血管周囲に浸出液が貯留した症例を経験した. そこで, 当人工血管を使用した30例(胸部大動脈瘤(TAA)3例, 腹部大動脈瘤(AAA)24例, 閉塞性動脈硬化症(ASO)3例)の術後臨床経過につき検討した. 遠隔期の人工血管の開存性および人工血管周囲の浸出液貯留は, 腹部超音波断層検査, CT, MRIなどで評価した. 術後経過観察期間は4~27カ月(9.3±3.1カ月)であった. TAAの2例およびASOの1例で, ゼラチンが血中に溶出するとされる1~2週後に人工血管周囲に多量の浸出液の貯留を認め, 縦隔炎およびタンポナーデの重篤な術後合併症を惹起した. 遠隔期には, 全例人工血管周囲の浸出液貯留を認めず, 開存性も良好で, 人工血管に由来する合併症はなかった. 人工血管が後腹膜または皮下に被覆されるAAAおよびASO症例では大きな問題はないが, 術後早期の浸出液の貯留が術後管理の障害となり得るTAA症例では, 使用を控えるべきと考える.
  • 米川 元樹, 久木田 和丘, 目黒 順一, 川村 明夫, 柳田 尚之, 倉内 宣明, 高橋 昌宏, 池田 篤, 坂下 栄治, 久米 義博
    1994 年 23 巻 4 号 p. 1003-1007
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    細胞性フィブロネクチンの一つであるEDA(+)フィブロネクチン(EDA(+)FN)はcryofiltrationを行っている間に血漿中濃度が上昇し, cryogel中に多量に含まれる. そこでcryofiltrationを施行した9例についてFNやフィブリノーゲン(Fbg)のクリアランスを測定して除去効率を検討するとともに, reduction indexとの相関についても検討した. 全症例のクリアランスはEDA(+)FNは23.3±6.4ml/min, pFNは16.5±4.1ml/nin, Fbgは22.9±5.7ml/min, Albは11.4±2.4ml小minで, EDA(+)FNとFbgのクリアランスはほぼ等しく, pFNより有意に高値であった. またクリアランスはreduction indexと相関を示したが, cryofiltration前の血中濃度とは相関しなかった. Cryofiltrationにおける血漿流量は30ml/minであるからEDA(+)FNとFbgのクリアランスは非常に高値であり, cryofiltrationにより効率よく除去されることが確認された.
  • 福田 宏嗣, 中埜 粛, 島崎 靖久, 宮本 裕治, 松若 良介, 川田 博昭, 澤 芳樹, 正井 崇史, 佐藤 尚司, 矢倉 明彦, 松田 ...
    1994 年 23 巻 4 号 p. 1008-1010
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    小児開心術例では全身浮腫予防および無輸血手術の適応拡大のため小容量かつ高性能の濾過器が望まれる. 限外濾過器(ECUM)として今回新しく開発されたpriming volume 15mlの小型血液濾過(Amicon Ireland社製Minifilter Plus)を小児開心術30例に用い, その有効性と安全性について検討した. 濾過器は人工心肺の動脈側から静脈側へのバイパス回路に接続し持続使用した。ECUM使用時間は平均80分で, 総濾過量は平均343ml, 平均分時濾過量は5.1±2.4ml/min, 総濾過量の尿量に対する比は4.6±5.6であり, ECUM前後のヘモグロビンは6.3±1.69/dlから7.4±2.49/dlへ有意に上昇し良好な血液濃縮効果を認めた. 血漿タンパク, アルブミン, 血清電解質はECUM前後で有意な変化を認めず良好に維持された. 小型の血液濾過器MinifilterPlusは小児開心術中の血液濾過において臨床的に有用で安全な血液濾過器であると考えられる.
  • 川田 博昭, 中埜 粛, 白倉 良太, 島崎 靖久, 松若 良介, 正井 崇史, 大畑 俊裕, 松田 暉
    1994 年 23 巻 4 号 p. 1011-1017
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    脳分離体循環を脳循環の補助手段とした胸部大動脈瘤症例4例に対し, 近赤外分光法により脳内酸素量の変化を連続測定し, その脳循環モニターとしての有用性を検討した. 脳分離体外循環方法は, 最低咽頭温平均23.4℃で右腋窩動脈より450から750(平均625)ml/min, 左総頸動脈から180から400(平均308)ml/min灌流した. 4例中3例では脳内酸素量は体外循環開始直後に低下したが, その後は脳分離体外循環中もほぼ一定値を保った. 残る1例では,右腋窩動脈からのみの脳灌流では脳内酸化Hbの減少, 還元Hbの増加を認めたが, 左総頸動脈からの脳灌流を追加することにより酸化Hbの増加と還元Hbの減少を認めた. 4例すべてにおいて脳灌流量と脳内酸化Hb, 還元Hbの変化はそれぞれ正および負の一次相関を得, 近赤外分光法による脳内酸素量変化測定は脳循環モニタリングとして有用な手段となりうることが示唆された.
  • 畑中 美博, 関 淳二, 松田 武久
    1994 年 23 巻 4 号 p. 1018-1024
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    本研究では, 血液透析等の体外循環によって引き起こされる白血球の一過性減少の病態モデルをラット腸間膜微小血管を用いて可視化・定量化し, 体外循環によって産出されるアナフィラトキシンC5aの白血球粘着亢進効果を明らかにすることを目的とした。細静脈血管内を転がり, 粘着する白血球の挙動を生体顕微鏡下に観察し, ビデオテープに収録再生し, 転がり(rolling)白血球数と粘着白血球数を定量的に測定した。C5aおよび再生セルロース透析膜によって補体系を活性化させたラット血清の投与によってrolling白血球数はほとんど変化しなかったが, 粘着白血球数はC5a濃度依存的に増加し, 投与後15分から20分で最大となりその後漸減した。したがって, C5aは末梢レベルにおいて白血球の血管内皮細胞への粘着を亢進させるといえる. 本方法は体外循環時における末梢循環レベルでの白血球の粘着挙動を観察, 定量化するための新しい手段を提供するものと考えられる.
  • 佐々木 栄作, 不破 誠行, 村川 真司, 梅田 正五, 東健 一郎, 関野 考史, 村上 栄二, 広瀬 一
    1994 年 23 巻 4 号 p. 1025-1028
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    左心補助人工心臓(LVAS)からの離脱に際し, IABPとの交互駆動法を行い, 円滑な離脱を行いえた症例を経験した. 患者は72歳男性で, 冠動脈-大動脈バイパス術後, 帰室時に冠動脈攣縮によると思われる心室細動を生じた. 開胸心マッサージを施行したところ, 心拍動が得られたが, 心不全となり, 再度体外循環を行った. しかしIABPの使用によっても体外循環を離脱しえず, LVASを適用した. その後, 心機能は徐々に回復したが, 呼吸不全, 腎不全, 感染症を合併し, LVASからの円滑な離脱が不可欠と判断された. そこでLVASからのIABPへの移行を円滑に行う目的で開発された交互駆動法を適用した. 本法により循環動態を安定に保ったまま, LVASからの円滑な離脱が行いえ, その後, 腎機能, 呼吸機能の回復が得られた. 本法は自己心機能の評価, LVAS離脱中の安定した循環維持に有用と考えられた.
  • 安達 秀雄, 井野 隆史, 井手 博文, 水原 章浩, 山口 敦司, 川人 宏次, 村田 聖一郎
    1994 年 23 巻 4 号 p. 1029-1032
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ゼラチン処理knitted Dacron人工血管を胸部大動脈置換手術に使用し, 退院後に外来でfollowした22例の術後症例について, 合併症の有無と移植人工血管の拡張について検討した. 平均9.5カ月(3~16カ月)のfollow upにおいて1例のみ気管支炎を繰り返し, CRPも陽性で, 術後13カ月目に肺炎のために死亡した. 他の21例では特に合併症の発生はなく, 日常生活に復帰し, 順調な術後経過と考えられた. 移植人工血管は術後4.5カ月で1.25~1.30倍に径が拡大することが認められた. 人工血管に起因する合併症の発生は認められていないが, 今後も慎重に経過を観察する方針である.
  • 北村 惣一郎, 関 寿夫, 河内 寛治, 福富 正明, 小林 修一, 谷口 繁樹, 庭屋 和夫, 川田 哲嗣, 森田 隆一
    1994 年 23 巻 4 号 p. 1033-1038
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    拡張型心筋症(DCM)の末期患者に対して, 救命手段として左心補助人工心臓(LVAS)を装着し, その後反復性脳梗塞, 心不全で死に至るまでの190日間使用した. 症例は44歳, DCMの男性で, 内科的治療をうけていたが1992年12月心原性ショックのため緊急搬入された. カテコラミン投与, IABP, 人工呼吸, CVVH等により一時改善をみたが再度心不全の増悪, 多臓器不全の発生をみたため, LVAS(東洋紡社製補助人工心臓システム)を使用した. 術前の心拍出量係数, 平均肺動脈圧, 肺血管抵抗, 肺毛細管圧は1.89l/min/m2, 52mmHg, 4.4Wood unit, 38mmHgといずれも異常値を示した.特に肺血管抵抗値は4.4Wood unitと高く, この時点では心移植の適応と考えにくかったが, LVAS装置後各パラメーターは著明に改善しそれぞれ2.88l/min/m2, 17mmHg, 2.5Wood unit, 5mmHgとなった. また術前代謝面でも総ビリルビン, BUN, クレアチニンはそれぞれ6.1, 73, 3.1mg/dlと肝・腎機能の著しい悪化がみられたが, LVAS装着後, クレアチニン, BUNは2週間以後, 総ビリルビンは4週目以後それぞれ1.2, 11, 0.6mg/dlとなり正常化した. 術後早期の経過は良好でありLVASにより血行動態と諸臓器機能の著名な改善がみられ肺血管抵抗からみても心移植適応状況に改善した. しかし, ヘパリンを用いた抗凝固療法, 141日目のポンプ交換にもかかわらず, 術後9日目, 57日目, 175日目に脳塞栓症を繰り返し発症し, 術後190日目に意識障害と心不全により死亡した. わずか一例の長期使用経験であるが今回使用したシステムは心移植ブリッジ使用目的には抗血栓性に問題が感じられ, ポンプの材質改良と左室心尖脱血が可能なシステムの開発が望まれる.
  • 由井 伸彦
    1994 年 23 巻 4 号 p. 1039-1042
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 折目 由紀彦, 野尻 知里, 田中 寛, 満渕 邦彦, 村林 俊, 下村 旭
    1994 年 23 巻 4 号 p. 1043-1048
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
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