人工臓器
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24 巻 , 2 号
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  • 川田 志明
    1995 年 24 巻 2 号 p. 249
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 弘, 宮村 治男, 林 純一, 高橋 善樹, 建部 祥, 篠永 真弓, 江口 昭治, 神田 克巳, 筒井 宣政
    1995 年 24 巻 2 号 p. 251-255
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    小児では成人例ほどIABPの有効性は得られていないが、近年、駆動装置の性能が向上しており、新たに小児用バルーンカテーテルの開発を行い、in vitroで評価を行った。川崎病患者の心臓カテーテル検査から正常の大動脈サイズを算出し、バルーンカテーテルのサイズを決定した。ついでモック内駆動実験を行い、試作したバルーンカテーテルの応答性を検討した。今回われわれが試作したバルーンカテーテルは、(1) 日本人の小児の大動脈のサイズに基づいている、(2) Datascope社製バルーンカテーテルに比較してカテーテル径が細い、(3) バルーンの応答性が良く、高心拍でも追従が可能である、(4) 3種類の駆動装置のいずれでも使用可能である、という特徴を有し、小児用IABPバルーンカテーテルとして優れた特性をもっていると考えられた。
  • 吉岡 行雄, 筒井 宣政
    1995 年 24 巻 2 号 p. 256-260
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    一ケ所の大腿動脈穿刺でIABPを駆動させながらCAGやPTCAを行える新しいIABPカテーテルを開発し、6例の臨床使用を行った。IABPカテーテルの内筒を6.5Fに拡大し、内筒を通してCAGやPTCAを行うものである。カテーテル部分の外径は12.0F。全長は71cmで、Yコネクター以外の長さは64cm、バルーン容量は35ccである。Yコネクターには逆流防止弁、三方括栓付きの側管を付けた。挿入にはシースを用いないSeldinger法を用いた。
    AMIに対するPTCA、CAGの補助に4例、UAPに対するPTCAに1例、重症三枝疾患に対するsupported PTCAに1例使用した。IABP駆動中でもCAGやPTCAの操作には影響は見られず安全に施行可能であった。抜去には圧迫止血法を用い、下肢動脈閉塞などの合併症は見られなかった。
  • 荒井 裕国, 藤吉 孝次, 坂本 徹, 鈴木 章夫, 鈴木 晃
    1995 年 24 巻 2 号 p. 261-264
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    大動脈内バルーン(IAB)パンピング法併用下VAバイパス施行時におけるバルーンの収縮タイミングによる左心系の後負荷軽減効果の違いを、Mock回路を用いて検討した。補助人工心臓ポンプを不全心(2L/min)に見立てて、ローラーポンプによる上行大動脈(AA)送血および大腿動脈(FA)送血モデル(1~4L/min)を作成し、IABの収縮タイミングをECGのR波前160msec~R波後120msecまで変化させた。AA送血と2L/min以上のFA送血で、R波前160msec~120msec収縮ではIABによるunloading効果は得られなかった。AA, FA送血ともにR波前80msec~R波後40msecで直線的にunloading効果が増強したが、FA送血のほうがよりunloadingされた。R波後80 msec以上では、IABが不適性作動となった。以上より、VAバイパス時のIABの収縮タイミングは、presystoleの前期よりも出来る限り後期のほうが、より強力なunloading効果が得られると考えられた。
  • 仁田 新一, 山家 智之, 永沼 滋, 柿沼 義人, 秋保 洋, 井筒 憲司, 小林 信一, 南家 俊介, 福寿 岳雄, 三浦 誠, 内田 ...
    1995 年 24 巻 2 号 p. 265-270
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    重症心不全に対する循環補助手段として補助人工心臓の開発・臨床応用が注目されている。我々は、これまで独自の技術により純国産型のボール弁を内蔵したパーツ化空気圧駆動タイプ人工心臓TH-7を開発してきた。本研究においては、成山羊による尾期慢性実験と臨床応用例により純国産型人工心臓TH-7の有用性について検討を行った。十頭の山羊を用いた慢性実験では十分な抗血栓性・耐久性が確認され、新規開発の外装型超音皮血流計とあわせて良好な成績が確認された。また、関連病院において行われた臨床治験では十分な循環補助効果が得られVADからの離脱に成功した。純国産化により飛躍的な低廉化を果たしたことをあわせて、TH-7型人工心臓は非常に有用な補助循環装置として期待されうるものと
    考えられる。
  • 許 俊鋭, 上田 恵介, 朝野 晴彦, 木村 壮介, 見目 恭一, 関口 敦, 横手 祐二, 尾本 良三
    1995 年 24 巻 2 号 p. 271-276
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    冠血行再建を要した補助循環症例を検討した。症例1(28才男)はBentall手術後左冠動脈口へ解離が進展し大伏在静脈グラフト(SVG)バイパスを置いた。LVAS補助を219時間施行した。症例2(44才女)はBentall類似手術症例でSVGを用いて両側冠血行再建を行った。手術45日後に左冠動脈領域の高度虚血が生じためSVGバイパスを置き、静・動脈バイパス(VAB)+左心バイパス補助を86時間施行した。症例3(1才男)は単冠動脈(左2型a)を合併したファロー四徴症で右室流出路切開時に右冠動脈を損傷した。SVGを用いて再建し、VAB補助を45時間施行した。平均117時間の補助後に全例離脱に成功し、平均33ヶ月の経過観察で順調である。体外循環離脱困難例の中で、原因を冠血行障害と診断でき、冠血行再建に成功した症例の補助循環治療成績は良好である。術中、冠血行障害が疑われた症例は積極的に冠血行再建を試みるべきである。
  • 小寺 孝治郎, 北村 昌也, 中野 秀昭, 青見 茂之, 八田 光弘, 西田 博, 遠藤 真弘, 橋本 明政, 小柳 仁
    1995 年 24 巻 2 号 p. 277-280
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    最近10年間に行った弁膜症手術後に補助循環を必要とした17例(AVR5例, MVR6例, DVR2例, Bentall型手術4例)を検討した。補助循環のタイプは静動脈バイパス(VAB)4例, 両心バイパス(BVB)10例, 左心バイパス(LVB)2例, 左室補助人工心臓(LVAD)1例であり離脱可能例は12例(71%), 生存例は7例(41%)であった。タイプ別の離脱率, 生存率は, VAB: 50%, 25%, BVB: 70%, 50%, LVB: 100%, 50%, LVAD: 100%, 0%であり, BVB, LVBで良好であった。単弁置換例では11例中10例で離脱に成功したがBentall手術ないし二弁置換術例では6例中2例が離脱したのみであった。補助循環時間は生存例では平均20時間, 離脱後死亡例では平均105時間と, 生存例ではより短い傾向にあった。また失った症例では術前より低左心機能であった例を多く認めた。経時的な両心機能の評価並びに早期に適切なタイプの補助循環システムを選択, 適用することが重要であった。
  • 今西 薫, 井街 宏, 磯山 隆, 阿部 裕輔, 鎮西 恒雄, 満渕 邦彦, 藤正 巌, 梅津 光生, 筒井 宣政, 須磨 幸蔵
    1995 年 24 巻 2 号 p. 281-287
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    われわれは従来より経皮的挿入可能で圧補助、流量補助が可能な補助循環装置を開発中である。従来型では模擬循環回路により最大流量がMAD Type-1, Type-2, Type-3でそれぞれ0.58l/min, 1.19l/min, 2.05l/minと装置の改良と共に増加し臨床応用可能なレベルまでの流量を得る事ができた。またType-3の雑種成犬を用いたin vivoでの検討では心不全状態下で大動脈流量、大動脈圧、冠状動脈流量波形に有効な補助循環効果を認めた。さらに臨床応用するために種々の点を改良した。即ちカニューレ先端を屈曲させた、流出弁の開放角度および丈を増加させ2個直列にカニューレに配置した、流入弁の流入口を拡大した、血液ポンプの一回拍出量を30mlとした。以上の設計改良により流入弁、流出弁の圧格差は許容範囲で、ポンプの最大流量も2.3l/minと増加し、解剖学的適合性も向上した。従ってMAD Type-4はより臨床応用に近い型に改良された補助循環装置であると考えられた。
  • 松尾 佳一郎, 矢野 光洋, 荒木 賢二, 押川 満雄, 鬼塚 敏男, 古賀 保範
    1995 年 24 巻 2 号 p. 288-292
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    我々は非開胸的に挿入可能な右心補助法を開発した。さらにこれと非開胸的左心補助を組み合わせて、重症心不全に対し小さな侵襲で装着できる非開胸両心補助システムを考案した。電気的に心室細動を誘発した雑種成犬に対し右心補助、左心補助それぞれの送脱血管を非開胸的に挿入し両心補助を行い循環の維持が可能であることを確認した。その後本システムにおける右心補助の重要性を明らかにするため右心補助のみの停止、再始動を行い、それぞれの状態で循環動態、特に腎臓の表面血流量、腎静脈血流量、腎臓の酸素消費量がどのように変化するかを見た。結果は両心不全犬に対し左心補助のみでは循環動態の維持が困難であったが、両心補助時と右心補助再開後でコントロールとほぼ同程度の平均動脈圧、腎静脈血流を維持することができた。腎表面血流、腎酸素消費量については右心補助再開後20分では改善傾向を見せたもののコントロール値までは回復しなかった。
  • 佐藤 尚司, 中埜 粛, 島崎 靖久, 宮本 裕治, 沢 芳樹, 正井 崇史, 矢倉 明彦, 松田 暉
    1995 年 24 巻 2 号 p. 293-297
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工循環における拍動流、無拍動流の生体に対する生理的意義に関しては未だ一定の見解が得られていない。今回、我々は虚血障害肝に対する拍動流、無拍動流の影響につき実験的に検討を行った。実験は雑種成犬を用い、胸部下行大動脈遮断により肝障害を作成し、60分後左心バイパス法を用い下半身の循環を再開した。拍動流群(PP群)はTOYOBO社製空気駆動型二補助人工心臓を用い、無拍動流群(NPP群)は遠心ポンプを用いた。肝のvaiabilityの指標とされる動脈血ケトン体比(AKBR)及び胆汁排泄量は、PP群、NPP群ともに虚血により有意に低下したが、血流再開後120分でほぼ虚血前値にまで回復し、両群間に差は認められなかった。虚血障害肝の回復過程において無拍動流補助循環は、拍動流補助循環とほぼ同等の効果を有すると考えられた。
  • 根本 豊治, 木村 一雄, 清水 智明, 持田 泰行, 小菅 雅美, 杉山 貢, 名倉 敏弘, 猿渡 力, 中山 理一郎, 久慈 直光, 石 ...
    1995 年 24 巻 2 号 p. 298-303
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Doppler guide wireを用い、PCPSの冠血流に及ぼす影響につき、Pump on and offにて2症例で検討した。症例1は下壁急性心筋梗塞に合併したDC抵抗性VFの症例。心室調律下、PCPS 3.0L/minの循環補助により平均大動脈圧は70→105mmHgと増加し、#6での平均流速も14cm/sec→20cm/secと増加を認めた。Pump off時、冠血流速波形は特異な形態を示し、収縮期順行性血流の減少と収縮期逆流、拡張期順行性血流の急峻な下降が見られたが、循環補助により、これらの改善傾向を認めた。症例2は多枝病変急性心筋梗塞による電導収縮解離の症例で、#1の完全閉塞、#590%、#675%の狭窄あり。心停止下、流量2.2L/min、平均大動脈圧50mmHgの状態で、#5での平均流速は約50cm/secの定常流を示し、Pump offにすると大動脈圧、血流速度はほぼ0まで下降した。心停止時および蘇生直後においてPCPSは冠血流の補助効果を有しており、心肺蘇生法として有用な手段と考えられた。
  • 村上 泰治, 吉田 浩, 石田 敦久, 田淵 篤, 藤原 魏, 勝村 達喜, 紀幸 一, 入江 博之
    1995 年 24 巻 2 号 p. 304-307
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    過去2年8ヵ月の間に術後心原性ショック11例に対し, 経皮的心肺補助装置(PCPS)を用いた。年齢は49から75歳(平均61), 男8例, 女3例であった。手術は冠動脈バイパス術4例, 胸部大動脈瘤人工血管置換術4例, 弁置換術2例, 左室瘤パッチ閉鎖術1例であった。補助循環時間は4から192時間(平均42.9時間)であった。11例中7例が離脱し, 4例が生存退院した。合併症は腎不全6, 出血5, 心不全5, 中枢神経障害4, 肺炎1であった。生存退院した4例の追跡期間は18から31カ月(平均23.5カ月)で, 2例がNYHA1度, 2例が2度であった。1変量解析を用いた検定では, 死亡に関与した危険因子は腎不全と心不全であった。PCPSは術後心不全にたいし有効な補助手段で, 離脱率も高いが, 重篤な合併症のため死亡率が高くなった。今後, 合併症を減らす努力が必要である。
  • 岩谷 文夫, 猪狩 次雄, 丹治 雅博, 渡辺 正明, 小野 隆志, 星野 俊一, 引地 仁, 橋本 健一, 斎藤 浩美
    1995 年 24 巻 2 号 p. 308-313
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    遠心ポンプの定常流を搏動流にする装置(以下PAD・CP)を試作し、モックシステムを使用し、本装置を評価した。本法の原理は遠心ポンプの特性を利用したもので、空気チャンバーを有しポリウレタン製のチューブからなるPAD・CPは、遠心ポンプの送血側に直列に接続した。すなわち、空気チャンバー内を周期的に陽圧にすることでチューブがつぶれ、抵抗となるため、遠心ポンプの流量も周期的に変化する。これにより搏動流を作成しようとするものである。動脈圧、左房圧(LAP)、ポンプ流量(LF)、PAD・CP近位部の回路内圧(IP)をモニターした。結果:1. 駆動圧(DP) 200-600mmHgの範囲で脈圧(PP) 4-48mmHgの搏動流が得られ、PAD・CP駆動によるLFの減少、LAPの上昇は容易に調節可能であった。2. PAD・CP駆動中のIPは500mmHg以下であった。結論:PAD・CP駆動により良好な脈圧が得られたことにより、本装置の臨床応用の可能性が示唆された。
  • 秦 光賢, 長谷川 隆光, 進藤 正二, 塩野 元美, 秋山 謙次, 折月 由紀彦, 畑 博明, 八木 進也, 塚本 三重生, 奥村 晴彦, ...
    1995 年 24 巻 2 号 p. 314-318
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    開心術後心不全や人工心肺離脱困難例に対する従来の補助循環法である大動脈内バルーンパンピング(IABP)と遠心ポンプによる左心バイパス法(LHB)の併用は、最も一般的でありその効果は臨床的に確立されているが、冠血行動態に与える影響については未解決な部分も多い。そこで我々は、ブタ心筋梗塞モデルを作成し、IABPとLHB併用時の冠血行動態と心筋虚血領域の変化につき、それぞれの単独使用例と比較し、各補助循環における左冠動脈血流量と流速波形を観察し、経時的に心外膜マッピング心電図により虚血領域の変化を記録した。IABP, LHBの併用により、心筋虚血領域は有意に改善され、優れた冠血流量増加作用を示した。また冠血流量および流速波形における収縮期逆行性成分の減少がみられ、虚血心筋に対する無効な冠灌流を減少させ、理想的な心筋灌流の実現により心筋虚血領域を改善させ得ることが示唆された。
  • 阿部 裕輔, 鎮西 恒雄, 磯山 隆, 満渕 邦彦, 今西 薫, 河野 明正, 渥美 和彦, 藤正 巖, 井街 宏
    1995 年 24 巻 2 号 p. 319-322
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    波動ポンプ(Undulation Pump)は、完全埋込型人工心臓への応用を目的として開発している小型容積型連続流血液ポンプである. 今回、慢性動物実験を前提として、新しい波動ポンプ(旧名PDP)を開発した. ヤギに左心房脱血―下行大動脈送血の左心バイパスを作成し、実際に動物に使用してみたところ、著しい溶血が起こることがわかった. また、12時間駆動したポンプ内にはかなりの血栓が付着しており、抗血栓性に関しても問題があることがわかった. 次に、透明な波動ポンプを作成し、ポンプ内流れの可視化実験を行ったところ、ポンプ内の流れは複雑な乱流であることがわかった. しかし、この複雑な乱流が溶血や血栓形成に与える影響に関しては、明確な解答を見いだせなかった. 今後の課題としては、溶血の低下と抗血栓性の向上が重要であると考えられた.
  • 山根 隆志, 池田 忠繁, 筒井 達夫, 軸屋 智昭
    1995 年 24 巻 2 号 p. 323-326
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    埋込型人工心臓のために、玉軸受とシールを除去した血液ポンプとして、永久磁石を使ったモノピボット磁気支持遠心ポンプの機構を呈示した。本機構は、インペラ支持のための反発式円筒磁石、ケーシング壁越しにモータの駆動力を伝達するカップリング磁石列、および軸方向を支持するセラミック製ピボットで構成され、インペラはピボットを除いて非接触回転する。これに基づいて製作したプロトタイプの性能試験を行い、基本特性の改善を行った。磁気カップリングの磁力を増強することによって、流体力によるインペラの浮上を抑制し、必要なポンプ出力を得ることができた。磁気支持は安定しており、20%以上の総合効率を得ることができた。
  • 壁井 信之, 土屋 喜一
    1995 年 24 巻 2 号 p. 327-332
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    本研究では揺動円板型遠心血液ポンプを体内埋め込み可能なレベルまで小型軽量化することを目的とした. 駆動部にはビルトインタイプのDCブラシレスモータを採用した. モーターハウジングならびに駆動機構部はアルミニウムを, 駆動軸と円板プレートにはステンレスを用いた. ポンプ室はエポキシ樹脂またはアクリル樹脂で製作し, エポレンでコーティングした. 血液室の内径は60mmとし, 円板プレート直径は54mm, 揺動角は15度とした. 左心用の場合で外径64mm, 全長60mm, 総質量380gとなった. また両心用は外径64mm, 全長90mm, 総質量420gとなり, 容易に胸空内に埋め込むことのできる大きさまで小型軽量化することができた. 試作した体内埋込型血液ポンプは揚程120mmHg, 流量5L/minの出力がモータ回転数3050rpmで得られることを確認した. ポンプの仕様点での軸換算効率は5.3%となった. またIndex of Hemolysisの値はウシ血液で0.0061となった.
  • 荒木 賢二, 妙中 義之, 増澤 徹, 脇坂 佳成, 中谷 武嗣, 赤城 治彦, 馬場 雄造, 穴井 博文, 江屋 一洋, 戸田 宏一, 高 ...
    1995 年 24 巻 2 号 p. 333-336
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    遠心ポンプの溶血に対する軸シール部の発熱や摺動の影響を検討した。対象は日機装社製HMS-15、3M社製Delphin、これらのポンプから羽根のみを取り去ったもの、軸の局所発熱を検討するために軸にニクロム線を巻いた模擬ポンプとした。溶血試験は新鮮山羊血を用い溶血係数を算出した。駆動は流量5L/min、揚程500mmHgもしくは同じ回転数で駆動した。また、断熱された水槽に各ポンプを浸し発熱率を測定した。その結果、遠心ポンプにおける軸シール部の発熱は軽度であった。軸シール部は溶血の原因として重要と考えられた。10 Watts以下の局所の発熱は溶血に寄与しないと考えられた。以上より遠心ポンプの軸シール部は発熱ではなく摺動により溶血に寄与していると考えられ、また、溶血は主としてポンプ内の水力学的損失に起因すると推測された。
  • 中谷 武嗣, 穴井 博文, 脇坂 佳成, 荒木 賢二, 妙中 義之, 巽 英介, 赤城 治彦, 増澤 徹, 馬場 雄造, 江屋 一洋, 戸田 ...
    1995 年 24 巻 2 号 p. 337-340
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    簡便に施行し得る右心補助システムとして, 我々は軸流ポンプを用いた右心補助システムの開発を進めている. 今回成山羊を用いた動物実験において, その操作性, 右心補助効果および短期使用の可能性を検討した. ポンプシステムの挿入は, 末梢側下大静脈に端側吻合した径14mmの人工血管を介して行ったが, 特に問題なく施行し得た. また, 急性実験において, 肺動脈狭窄下, および両心不全下における右心補助効果を認めた. さらに, 正常心成山羊3頭に本システムを挿入し, 操作性および安全性を検討した. 最長48時間の右心補助を施行したが, ピーク血漿ヘモグロビン値は60mg/dl以下であった. 剖検では右心室内膜下に軽度の出血を認めた. 本システムは簡便に使用できる短期右心補助法として有望と考える.
  • 穴井 博文, 荒木 賢二, 中谷 武嗣, 脇坂 佳成, 妙中 義之, 巽 英介, 赤城 治彦, 増澤 徹, 馬場 雄造, 江屋 一洋, 戸田 ...
    1995 年 24 巻 2 号 p. 341-344
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    軸流ポンプによる溶血を軽減するためにポンプの設計面からの検討を行った。今回は, 設計回転数を, 軸流ポンプが適用される比速度の適正値を逸脱してでも低くするべきか, および案内羽根形状の差が溶血に影響を及ぼすかの2点に関して検討した。設計点の流量5L/min, 揚程100mmHgで, 回転数(比速度m, m3/min, rpm) 14000~26000rpm (758~1407)の4種類のポンプを試作し, 溶血試験を行った。その結果, 溶血は軸流ポンプが適用される比速度(1000~2500)を逸脱してでも低い回転数で設計した14000rpm(758)のものが最も軽度であった。さらに同一のインペラに対し, 羽根枚数および羽根長を変更した4種類の形状の異なる案内羽根を試作し, 溶血試験を行ったが, 溶血係数に明らかな差を生じなかった。今後, ポンプの水力効率の計算および流れの可視化と対照して研究を進める予定である。
  • 壁井 信之, 土屋 喜一
    1995 年 24 巻 2 号 p. 345-350
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    我々はバイオミメティックの手法を用い, 筋収縮に関する一つの学説を基に, 無機物質からなる人工心筋としての静電リニアアクチュエータを実現することを目標としている. 本研究では, アクチュエータのギャップ充填剤(電極間の空間に充填される液体)として比誘電率と絶縁性が高い液晶を用いることで, 性能向上が計れるか検討することを目的とした. 試作したアクチュエータは電極幅40.0mm, 電極間距離0.664mmの5対の電極を持っている. 得られた静推力は理論通り電圧の二乗に比例して増加し, 最大900Vで56.5mNの推力が得られ, 1対の電極で1gf以上の推力が得られた. この値は以前の純水をギャップ充填剤に用いた実験の7倍の出力となった. 駆動電圧800V, 無負荷時で最高2.24mm/sの速度が得られた. 以上より高誘電性の液晶は静電リニアアクチュエータ型人工心筋のギャップ充填剤として有望であることが分かった.
  • 布袋 裕士, 田原 浩, 渡正 伸, 永田 秀之, 三井 法真, 小浦 義彦, 渡橋 和政, 末田 泰二郎, 福永 信太郎, 松浦 雄一郎
    1995 年 24 巻 2 号 p. 351-356
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    重症の左心不全に対する新しい循環補助装置としてDMLVADを開発した。本装置はエポキシ樹脂のCUP状硬性base platとポリウレタンの柔軟な膜で構成され, 長径5cm短径4cm振幅4cmの楕円体で容量約40mlである。これを左心室壁外に固定後補助人工心臓駆動装置に接続し, 左心室を直接圧迫することで左心補助効果を期待するものである。
    雑種成犬を用い左心不全モデルを作成し本装置を固定, 駆動圧50, 100, 150, 200mmHgで駆動したところ. 駆動前値に対し最大でAPs 17.0%, LVPs 23.0%, LVdP/dt 49.3%, CO 30.7%, Peak Flow 133.5%上昇しLAPは14.5%減少した. またLAPmを10, 15, 20mmHgと一定とし, 同様に駆動したところ駆動前値に対し最大でAPs 19.1%, LVPs 24.6%, LVdP/dt 71.6%, CO 45.4%, Peak Flow 156.3%上昇した. これらの変化は駆動圧100mmHg以上, LAPm 15mmHg以上において著明であった.
  • 岡本 英治, 山本 克之, 三田村 好矩, 三上 智久
    1995 年 24 巻 2 号 p. 357-362
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    体内埋め込み可能な小型かつ高性能, さらに低消費電力のモータ駆動補助人工心臓用駆動制御システムの開発を行った. 駆動制御システムは, 16bit 1-chipマイクロコンピュータ(MPU)と内部に8bit CPUを内蔵したuniversal pulse proccesor (UPP)を中心に, デジタル論理回路部をワンチップ化したPLD (Programable Logic Device), モータ駆動用小型Power-FET module, そして体外のホストコンピュータとの通信用RS-232C driver/receiverから構成する. このハードウェアにより, 1)モータ駆動補助人工心臓の追値制御, 2)体外に置くホストコンピュータとの双方向通信機能と体外からの遠隔操作, 3)体内二次電池の充電制御と監視, 以上3つの機能を有する. 設計に当たり, 電子回路部品数と消費電力の削減を考慮し開発した結果, 部品装着に必要な基板の大きさ64×64mm, パッケージに要するケースの体積約120cc, 消費電力1.1Wと, 体内埋め込み可能に小型で, 低消費電力, かつ高性能の駆動制御システムを実現できた.
  • 安江 仁, 矢崎 孝弘, 越地 耕二, 周 英明, 宇都宮 敏男, 丹羽 真一郎, 増澤 徹, 巽 英介, 妙中 義之, 高野 久輝
    1995 年 24 巻 2 号 p. 363-367
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    本報告では完全埋め込み型人工心臓用体内バックアップ二次電池の充放電制御方法について述べる。充電は安全かつ速やかに行なう必要がある。満充電の近くまで急速充電を行ない、その後トリクル充電へ移行する段別充電方式を用いた。その急速充電からトリクル充電へ移行する判断としてニッケル・カドミウム電池では一ΔV方式が、ニッケル・水素電池では電池表面温度の上昇率を用いる方式が有効であることを確認した。さらに二次電池の充放電電流を監視し、その積算値を求める方法で電池のエネルギー残量を知ることができた。
  • 八田 光弘, 北村 昌也, 秋本 剛秀, 西中 知博, 前田 朋大, 遠藤 真弘, 橋本 明政, 小柳 仁
    1995 年 24 巻 2 号 p. 368-371
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    今回我々は、電気駆動式Novacor型人工心臓の植え込み実験を行い、手技上の考察点について報告する。羊2頭(体重70kg)を用いて、全身麻酔下に挿管後、右側臥位とし、胸骨第4肋間を開胸した。下行大動脈に送血側のグラフト吻合を行い、本体を腹壁内に位置させ、胸腔内にグラフトを誘導した。Inflow cannula挿入は心尖部に挿入し、人工心臓を駆動させた。実験1では、術後順調に作動し、抜管可能であった実験2では、術後右心不全に対して強力なカテコラミン投与を必要とし、術後駆動はfill rate trigger modeにて行った。以上により、実験手技的に留意する点は、1)横隔膜通過する脱血、送血グラフトの屈曲防止、2)左室心筋切除の際は大きく切除し、脱血カニューラの挿入を容易にする。3)グラフト内血栓の予防、4)円滑な空気除去、などが挙げられた。
  • 中谷 武嗣, 穴井 博文, 妙中 義之, 巽 英介, 赤城 治彦, 増澤 徹, 馬場 雄造, 江屋 一洋, 脇坂 佳成, 戸田 宏一, 富永 ...
    1995 年 24 巻 2 号 p. 372-376
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    我々は, 日本人の体格に適したサイズの長期使用可能な左心補助人工心臓システム(LVAS)を開発し, 検討を進めている. 血液ポンプはセグメント化ポリウレタン(TMシリーズ)製空気圧駆動ダイアフラム型で, さらにインピーダンス計測に基づくシステム(Z法)により駆動モニタリングおよび制御を行うシステムである. さらに, 適用患者のQOL向上のためにZ法を組込んだ簡易駆動装置を試作した. 慢性動物実験は, 体重50~78kgの正常心成山羊13頭を用いた. 現在までに最長120日間以上の駆動を行っているが, 補助量は4~5L/minと安定し, 全身状態は良好に維持された. Z法はポンプ駆動状況の把握および駆動制御に有用であった. 試作簡易駆動装置は, 重量28kgで, モック回路にて良好な駆動特性を示し, 長期駆動も可能であった. 今後臨床応用にむけて, 慢性動物実験による検討を進める予定である.
  • 増澤 徹, 妙中 義之, 巽 英介, 中谷 武嗣, 赤城 治彦, 高野 久輝, 越地 耕二, 大野 孝, 福井 康裕, 高橋 克己, 笹川 ...
    1995 年 24 巻 2 号 p. 377-382
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    臨床応用可能な体内埋込型全人工心臓の実現を図るために、エレクトロハイドローリック方式全人工心臓の油圧アクチュエータの改良を行った。負荷トルク1kg・cm、回転数2500rpmにおいて効率79%の人工心臓専用ブラシレスDCモータを開発し、入力電力の減少を図り、摩擦ポンプの流路の最適化を行うことにより一方向回転時送油能を従来の18L/minから28L/minに増大せしめ、後負荷100mmHg、前負荷10mmHgにて最大拍出流量10.7L/minの全人工心臓を実現した。左右心の流量バランス調節方法の一つとして、二重ダイアフラム方式血液ポンプを考案し、プロトタイプにて、その基礎的性能を確認した。今後は、摩擦ポンプのより一層のポンプ効率向上を図るとともに、本全人工心臓を用いた長期慢性動物実験を開始する予定である。
  • Yukihiko ORIME, Setsuo TAKATANI, Kimitaka TASAI, Yasuhisa OHARA, Georg ...
    1995 年 24 巻 2 号 p. 383-390
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    A totally implantable electromechanical total artificial heart (TAH) system has been developed in our institute. This pump is very small (outerdiameter; 97mm, central thickness; 83mm and weight; 620g), demonstrating a good anatomical fit in the pericardial space of 26 heart transplant recipients. The actuation mechanism is simple, and all the components are commercially available with proven long-term durability, thus allowing easier fabrication. The pump can be easily and simply controlled by reliable Hall effect sensors with left masteral ternate (LMA) mode. Four newly fabricated TAH demonstrated quite similar pump performances. This TAH has a reproducible high performance with good quality assurance. In vitro performance mapping demonstrated that the pump canprovide a maximum flow of 9L/min, with a high sensitivity to preload and a low sensitivity to afterload. During four months of accelerated endurance testing in 42°C saline, no electromechanical troubles were observed and power requirement remained constant, which indicated a stable and reliable performance. After modification of the inflow valve angle, excellent flow pattems inside the blood chamber were demonstrated in this study using laser light and a high speed camera. In vivo feasibility tests were performed successfully in eight calves for up to one week, thus demonstrating the readiness to move forward to long-term in vivo studies. This small, simple, reliable and durable mechanically-driven totally implantable TAH system is suitable for a permanent heart replacement.
  • 水原 寿夫, 腰地 孝昭, 青田 正樹, 西村 和修, 野本 慎一, 松田 捷彦, 岡本 好史, 伴 敏彦, 筒井 宣政, 神田 克巳
    1995 年 24 巻 2 号 p. 391-394
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    広背筋と胸壁との間に挿入する空気チャンバーを作成し、それを圧縮することで広背筋の直線的な収縮力を空気圧に転換させ、補助循環の動力源とすることを最終目的とした基礎的検討を行った。広背筋下の挿入部位別にみた発生チャンバー内圧は、近位側(第三肋間上)において中間位、遠位よりも有意に高く、挿入部位としては近位が適切であると判断された。駆動源として用いた場合、チャンバーの十分な受動的拡張を確保するには広背筋収縮前のチャンバー内圧(pre-contraction chamber pressure: PCCP)を循環系前負荷より低く維持する必要があった。そのため今回のシステムでは心室バイパスへの応用で心房圧の低い前負荷のもとでは右心系に対してのみ駆動源となりえたが、左心系後負荷では困難であった。しかし高いPCCPを維持できる、すなわち大動脈圧を前負荷とするカウンターパルセーションへの適応は可能であると考えられた。
  • 杉田 洋一, 岡村 吉隆, 望月 吉彦, 飯田 浩司, 森 秀暁, 嶋田 晃一郎
    1995 年 24 巻 2 号 p. 395-400
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    両側の広背筋を利用したDouble Dynamic Cardiomyoplastyを開発し、その血行動態に対する効果をunconditioned muscleによる急性動物実験にて検討した。雑種成犬8頭の両側広背筋を剥離後、左右の第2肋骨を切除し心膜を切開後両側の広背筋を心嚢内に挿入した。心臓後面での左右広背筋のtransverse segmentの断端どうしを連続吻合した。次に、左側広背筋を右室自由壁全体に縫着、さらにその上から右側広背筋を左室を覆う形で左側広背筋に縫着した。両側広背筋を心電図に同期させてburst刺激し心臓補助効果を検討した。その結果、左室圧及び大動脈圧は25%有意に(p<0.05)増加し、左室圧dp/dtは28%有意に(p<0.05)増加し、1回心拍出量は33%有意に(p<0.05)増加し、心拍出量は29%有意に(p<0.05)増加した。以上より両側の広背筋を利用したDouble Dynamic Cardiomyoplastyは有効な左心補助効果のある事が確認できた。
  • 腰地 孝昭, 水原 寿夫, 織田 禎二, 西村 和修, 岡本 好史, 伴 敏彦
    1995 年 24 巻 2 号 p. 401-404
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    我々は広背筋に代わって循環補助に用いうる骨格筋として腹直筋に注目してきた。この際の重要な問題点は単一神経支配を持たない腹直筋の刺激方法である。そこで腹直筋の神経刺激と筋肉刺激を比較するためにconditioningされていない雑種成犬7頭(平均13.2Kg)の左側腹直筋を用いて骨格筋ポンプを作製し、圧発生能と駆出能を比較検討した。その結果、腹直筋においては三分節神経同時刺激が10v以下の低電圧域で圧発生能、駆出能ともに筋肉刺激より優れていた。また雑種成犬3頭(平均13Kg)で8週間の筋肉刺激による低頻度電気刺激(2Hz)を行いMyosin ATPase染色(pH4.3)でType I線維へのほぼ完全な転換を認めた。このconditioningされた腹直筋で作製した骨格筋ポンプの圧発生能は約70%まで減少していた。
  • 青柳 成明, 押領 司篤茂, 福永 周司, 小須賀 健一, 大石 喜六
    1995 年 24 巻 2 号 p. 405-408
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    1994年3月までに15例のSJM弁の機能不全症例を経験し、主に単純シネ撮影法及びドプラ心エコー図により診断した。単純シネ撮影法では、SJM弁の狭窄性機能不全症例10例においては、機能正常例に比較しディスク運動の著明な制限ないし消失を認めた。ドプラ心エコー図では、狭窄性及び逆流性機能不全症例ともに機能正常例に比し、著しいPeak velocity及びPeak pressure gradientの増大を認めたが、各測定値において正常例とoverlapする値を示すものもあり、診断には詳細な検討が必要と思われた。ディスク運動の制限を認めた10例中5例にウロキナーゼを用いて血栓溶解療法を試み、3日以内に単純シネ撮影法及びドプラ心エコー図でディスク運動、弁機能ともに著明な改善を認めた1例では、血栓溶解療法で正常機能への回復が得られた。単純シネ撮影法及びドプラ心エコー図は弁機能不全の診断ばかりでなく、治療法の選択や治療効果の判定にも有用であった。
  • 田中 利明, 栗本 義彦, 小池 英明, 中村 雅則, 木村 希望, 数井 暉久, 小松 作蔵
    1995 年 24 巻 2 号 p. 409-411
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    SJM弁による人工弁置換術後の溶血についてDacron cuff使用例(D群)とTeHon cuff使用例(T群)を比較検討したので報告する。対象は1990年1月から1994年7月までに施行したD群53例、T群52例である。溶血の指標として術後4週目に測定した血清LDH値(LDH)、ヘモグロビン値(Hb)、間接ビリルビン値(Bil)、血清GOT値(GOT)、血清ハプトグロビン値(Hpt)である。全例直接および間接Coombsテスト陰性で弁周囲逆流や肝機能障害を認めていない。人工弁の縫着方向は大動脈弁位では、hingeを右冠尖と無冠尖間の交連部に向け、僧帽弁位ではanti-anatomicalとした。単弁置換症例および二弁置換症例においても、各指標において2群間に有意差はみられなかった。また、LDH 1000IU/l以上およびヘモグロビン尿を呈した高度溶血例はなかった。T群とD群では、溶血の程度はほぼ同等と考えられた。
  • 鬼塚 敏男, 桑原 正知, 中村 都英, 荒木 賢二, 矢野 光洋, 松尾 佳一郎, 古賀 保範
    1995 年 24 巻 2 号 p. 412-414
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    中心開放型二葉弁であるCarboMedics (CM)弁とSt. Jude Medical (SJM)弁のMVR後の手術成績に関する比較検討は十分なされているとはいえない。今回、僧帽弁閉鎖不全症に対するMVR 33例(CM弁10例、SJM弁23例)を対象に心カテーテル検査、心エコーを用いて術前、術後早期(1~3カ月)における血行動態、弁機能および術後台併症(平均追跡期間: CM弁2.50年、SJM弁354年)について両弁間で比較検討した。CM弁はSJM弁と同様、良好でNYHA、CTR、CI、PCWPにおいて有意差はみられなかった。弁機能については僧帽弁位の圧較差(MVPG)、僧帽弁口面積(MVA)、Peak flow velocity (PFV)を検討したが、両群間に有意差はなかった。術後合併症の発生はSJM弁では人工弁周囲逆流(0.076%/patient-year)のみみられたがCM弁では皆無であり、溶血、血栓、弁機能不全の発生に関してCM弁はSJM弁と比較し有意差はなかった。CM弁はSJM弁と同様に優れた人工弁であるが、合併症の面からSJM弁よりも優れた弁であるとの結論は得られなかった。
  • 矢尾 善英, 清水 宏一, 平山 哲三, 石川 幹夫, 石 丸新
    1995 年 24 巻 2 号 p. 415-418
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Björk-Shiley Convexo-Concave弁(BS-CC弁)とBjörk-Shiley Monostrut弁(BS-MO弁)、Omnicarbon弁(OC弁)を対象にX線シネ撮影をもちいて弁機能の検討を行った。開放角度はBS-CC弁のAVR群(7例)では59.8±6.3度、MVR群(9例)では59.5±5.0度で、BS-MO弁のAVR群(6例)では71.8±2.9度、MVR群(9例)では71.0±4.5度で、OC弁のAVR群(3例)では65.8±11.4度、MVR群(5例)では62.5±9.9度であった。OC弁ではAVR2例(66%)、MVR4例(80%)に開放途中で一度引っ掛かりさらに5~15度開放する現象がみられ、設計上の最大開放角(80度)が必ずしも得られなかった。開放時間、閉鎖時間についてはBS-CC弁、BS-MO弁、OC弁とも平均0.07~0.09秒前後で差はなかった。
  • 梶原 博一, 平野 克典, 岩井 芳弘, 浜田 俊之, 橋山 直樹, 佐藤 順
    1995 年 24 巻 2 号 p. 419-422
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    0 mnicarbon弁を用いた僧帽弁置換術22例および大動脈弁置換術24例に対して術直後、術6か月後にX線シネ撮影を施行し、弁機能を評価した。最大弁開放角は僧帽弁位で56.1±10.1度, 49.9±2.4度、大動脈弁位で69.9±10.4度, 63.4±10.4度であった。弁閉鎖制限は1例も認めなかった。僧帽弁位で開放角の低下が認められたが、housingが不明瞭のため誤差が大きいと考えられ、これ以上の検討は不可能と考えられた。大動脈弁位において血流方向に対するoccluderの開放角を測定した。すなわち、術6か月後に施行した心臓カテーテル検査時の肺動脈造影より左室流出路軸を求め、これに直角にhousingが装着されているものと仮定し、弁最大開放角を測定した。18例で測定し、71.0±9.0(48~85)度で、60度以下の症例は1例(5.6%)のみであった。これより大動脈弁位では血流に対して十分に開放しており、これがOmnicarbon弁の良好な臨床成績と―致していると思われた。
  • 後藤 平明, 宮内 好正, 宇藤 純一
    1995 年 24 巻 2 号 p. 423-426
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    CarboMedics弁(以下CM弁)の有用性を検討する目的でCM弁を移植した50例において手術後早期および遠隔期の成績をSt. Jude Medical弁移植例128例の臨床成績対比検討した。手術後早期死亡率はCM弁6%、SJM弁4.7%であり死亡率に有意差はみられなかった。人工弁関連死は両群に各1例みとめた。術後遠隔期の死亡はCM弁で3例(6.4%)、SJM弁で7例(5.7%)にみられた。手術後1年および3年の遠隔生存率はCM弁ではそれぞれ87.8、85.6%であり、一方SJM弁では1年93.7%、3年92.4%で、両群間に有意差はなかった。CM弁では人工弁移植に関連した遠隔死亡例はなく、また遠隔期の血栓塞栓症発症例もなかった。CM弁はSJM弁に匹敵しうるbileaflet valveとおもわれたが、今後さらに長期での観察が望まれる。
  • 森下 清文, 安倍 十三夫, 鎌田 幸治, 数井 暉久, 小松 作蔵
    1995 年 24 巻 2 号 p. 427-429
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    1985年以降に施行した機i械弁による大動脈弁(A弁)・僧帽弁(M弁)二弁置換術の中期遠隔成績を検討した。対象はA弁にOmnicarbon弁、M弁にDuromedics弁を使用した0群27例、両弁ともSJM弁を使用したS群32例、両弁ともCarboMedics弁を使用したC群21例であった。累積追跡期間はO群144患者・年、S群70患者・年、C群50患者・年であった。実測生存率はO群が術後9年で81±8%、S群が術後6年で87±8%、C群は術後4年で79±10%であった。またAll valve-related morbidity and mortalityの非発生率はO群が術後9年で58±18%、S群が術後6年で80±13%、C群が術後4年で47±15%で、三群間に有意差はなかったが、C群で低い傾向がみられた。以上よりOmnicarbon弁(A弁)+Duromedics弁(M弁)、両弁ともSJM弁の組み合わせの中期遠隔成績は良好であったが、CarboMedics弁を用いた組み合わせは、その評価に更なる観察が必要と考えられた。
  • 大迫茂 登彦, 四津 良平, 小田 口浩, 森 厚夫, 三丸 敦洋, 長泰 則, 井上 仁人, 上田 敏彦, 相馬 康宏, 今村 洋二, 川 ...
    1995 年 24 巻 2 号 p. 430-433
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    我々は機械弁による三尖弁置換術を行なった症例で、人工弁の二葉のうち一葉が10年間閉鎖位の状態で経過している稀な症例を経験した。患者は52歳女性、1984年6月各29mm SJM弁によりMVR、TVRを施行した。術後3ケ月目の弁透視にて三尖弁の一葉閉鎖位固定を認めたため再手術を考慮したが患者の同意が得られずまた明らかな心不全徴候を認めなかったため経過観察とした。トロンボテスト(T. T)値は8~10%、溶血は認めていない。弁透視では三尖弁位後方の弁葉は正常に作動していたが前方の弁葉は閉鎖位で完全に固定されていた。心エコー所見では三尖弁々口面積2.5cm2、trivial TR、右心拡大は認めていない。肺シンチグラムで両肺野の欠損像は認めなかった。本症例の人工弁一葉閉鎖位固定の原因として弁装着手技、術後の不適切な抗凝血薬療法、サイズを含めた人工弁自体の問題等が考えられる。弁口面積は約57%に減少したが血行動態に大きな影響を及ぼすことなく経過している。
  • 中野 清治, 植田 初江, 江石 清行, 村上 貴志, 小林 順二郎, 笹子 佳門, 磯部 文隆, 小坂 井嘉夫, 鬼頭 義次, 川島 康生
    1995 年 24 巻 2 号 p. 434-436
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    僧帽弁位におけるIonescu-Shiley弁(IS)及び、Carpentier-Edwards心膜弁(CEPX)のprimary tissue failure (PTF)の頻度と、再手術時の摘出弁の所見を比較検討した。対象はIS 193例、CEPX 70例でISは1979年から1983年まで、CEPXは1984年以降使用した。10年間のPTFのfree-curveはIS 65%、CEPX 79%であった。ISでは術後早期よりPTFを起こしたが、CEPXではすべて6年以降であった。摘出弁の病理学的検討をIS 12例、CEPX 5例に行った。tearはISの92%にCEPXの40%に認められた。collagenの解離、cholesterolの沈着、石灰化の起こり方から判断した弁変性の程度は、ISの方がCEPXに比べ強い症例が多かった。以上よりCEPXはISに比べ耐久性が期待できる。その、主因は心膜のステントへのマウント法の違いにより、術後早期から起こるtearの減少ある。しかし、変性自体は避けられず注意深い経過観察が必要である。
  • 河野 博之, 真弓 久則, 益田 宗孝, 森田 茂樹, 戸嶋 良博, 川内 義人, 安井 久喬
    1995 年 24 巻 2 号 p. 437-442
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    1985年2月から1994年4月までに、173個のCarpentier-Edwards牛心膜弁(CEP)を使用し、そのうちの13個を再手術で摘出した。それらの弁の変化を検討した結果、Primary tissue failure (PTF)を僧帽弁位で4個(植込後62~94カ月、平均80カ月)、大動脈弁位で1個(同63カ月)に認めた。その様態として、僧帽弁位では弁尖の亀裂、石灰沈着の他に、特異な所見としてワイヤー断裂、ステント変形、亀裂を伴わない弁尖逸脱および短縮、パンヌス異常増生がみられ、大動脈弁位では高度の石灰化が認められた。一方、弁機能が保持されていた僧帽弁位4個(植込後3~71カ月)、大動脈弁位4個(同64~97カ月)の弁にも石灰沈着やパンヌス増生が高率に認められ、将来の弁不全発生の原因となる可能性が示された。これまでの牛心膜弁と異なり、CEPのPTFには弁尖の亀裂や石灰化以外に諸種様態があり、それらを認識した上でのfollow-upが肝要である。
  • 秋山 一也, 廣田 潤, 大加戸 彰彦, 中島 隆之, 椎名 祥隆, 開沼 康博
    1995 年 24 巻 2 号 p. 443-447
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    1985年1月から11月までに当院で使用した第二世代の心膜弁Mitroflow 14例、15個の遠隔成績を得た。症例は男性6例、女性8例で年齢は19~60(平均45.6)歳で僧帽弁置換9例、大動脈弁置換4例、大動脈弁+僧帽弁置換1例であった。手術死亡は二弁置換術の1例で術後LOSで失った。9年間の遠隔成績では1例を術後1年11カ月後に溶血性貧血で再弁置換した。10例を弁尖の退行変性で再弁置換術を行った。生体弁は5例は石灰化による狭窄を、5例はcusp ruptureによる逆流を呈した。1例は弁機能不全による心不全で遠隔死した。9年後の再弁置換の非発生率は8.6±2.6%であった。人工弁破損は術後4年目の早期から発生したが、人工弁機能不全による緊急的再手術例はなく、機能不全の進行は緩徐で再弁置換まで時間的には余裕があった。しかし、Mitroflow弁の遠隔成績には問題が多く異種大動脈弁に比し劣っており、その臨床使用は断念せざるを得ない。
  • 苗村 潔, 泉佳 友子, 藤本 哲男, 梅津 光生, 勝間田 敬弘, 北村 昌也, 小柳 仁, 土肥 健純
    1995 年 24 巻 2 号 p. 448-452
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    僧帽弁位における人工弁の水力学的特性評価を目的として, 左心室流入期に重点をおいた機械式シミュレーションモデルの設計開発をおこなった. 実験条件は拍動数60BPM, 心房モデル, 心室モデルの駆動空気圧/流入期陰圧は, それぞれ50/-10mmHg, 160/0mmHgに設定した. また, 心室ケーシングに広口径の電磁弁(SMC製, VX2132)を取り付け, 従来の陰圧吸引方式から大気開放方式に変更した. 流入期700msecのうち, 心室収縮の150msec前に100msecだけ心房を収縮させたところ, 僧帽弁位流速について, 流入早期の急速流入によるピーク: 0.6m/sec, 心房収縮によるピーク: 0.5m/sec, 拡張末期圧力: 23mmHgとなった. 考察の結果, 生体心臓の模擬には1) 流入抵抗の低減, 2) 心室モデルの拡張特性の改善が必要であることがわかった. 本モデルを用いて, 僧帽弁位人工弁の特性評価について信頼性の高いデータが得られると考えられる.
  • 鎌田 幸治, 安倍 十三夫, 森下 清文, 小松 作蔵
    1995 年 24 巻 2 号 p. 453-455
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    BICARBON人工弁(BC弁)はチタニウムの表面をカーボンコーティングした素材を用いた新しい人工弁である。このBC弁を用いた弁置換症例と、St. Jude Medical弁(SJM弁)を用いた弁置換症例とを超音波心エコーを用いて比較検討した。術後1ヶ月目に超音波心エコーにて、左室最大拡張期径(LVDd)、左室最小収縮期径(LVDs)を計測しPombo法にて心拍出量(CO)、心拍出係数(CI)、駆出率(EF)、及び% fractionai shortening (%FS)を求めた。また心尖部四腔断面より僧帽弁及び三尖弁を、心尖部左室長軸断面より大動脈弁を連続波ドプラ法を用いて最大圧較差(PG)、平均圧較差(MG)、平均血流速度(MV)を計測した。BC弁はSJM弁と比較し, 僧帽弁位においてMG; BC4.10±1.46mmHg vs SJM5.01±1.06mmHg(p<0.05), MV; BC0.88±0.15m/s vs SJM1.12±0.11m/s (p<0.001)と有意に小さい値を示した。
  • 山本 豊
    1995 年 24 巻 2 号 p. 456-461
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    坂道歩行、階段歩行、駆け足に対する体動センサーによるレート応答特性を明らかにすることを目的に、ペースメーカー内蔵rate profile機能およびredraw機能を用い、実験を行なった。健常男子1名を対象に、Intermedics社製DASHを胸壁に絆創膏固定し、(1) 歩行速度2.0mph、3.4mph、傾斜度0%、14%を組合せた各段階3分間のプロトコール、(2) 歩行速度2.0mph、3.4mph、4.2mph、駆け足4.2mphの各段階3分間のプロトコール、(3) 歩数100歩/分での平地歩行、Master 2階段試験各3分間のプロトコールに従い運動負荷試験を実施した。その結果、歩行速度に対する洞調律の増加に対応するようなパラメーター設定では、傾斜度の増加、階段に対しては過小応答、駆け足に対しては過剰応答を示した。以上の結果から、体動センサーの場合、同一のレート応答パラメーター設定では、異なった運動全てに対し生理的に対応することは困難であると考えられた。
  • 杉浦 尚也, 高木 孝之, 水品 静夫, 杉浦 敏文, 木村 元彦, 木村 泰三, 原田 幸雄
    1995 年 24 巻 2 号 p. 462-467
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    我々はマルチセンサー型レート応答心臓ペースメーカーのレート制御にファジィ制御の手法を応用することを提案している。今回はパターン認識の概念を基本としたファジィ推論値の自動評価法を開発した。この方法は推論値の変化パターンから1本の曲線を抽出し、その曲線について平均自乗誤差、ピークの一致度、パターン概形の一致度の三種の特徴量からファジィ推論により1つの評価値を求めるものである。評価値を決定する際にファジィ推論を導入し、特徴量の評価値に対する重みを医師の判断によって容易に設定、修正することを可能にした。この評価法で実際のファジィ推論値の評価を行い、従来の視覚的な判断に近い判定結果が得られることを確認した。本評価法をファジィ・レートの評価に用いることにより、メンバーシップ関数、制御規則の自動チューニングが可能になり、ファジィ心臓ペーシングシステムの実用化への大きな一歩となるものと考えている。
  • 太田 裕治, 土肥 健純, 堀内 孝
    1995 年 24 巻 2 号 p. 468-472
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    生体磁気刺激は、非接触、無侵襲に生体を刺激できる点で、電気刺激より優れていると考えられるが、誘導電流は生体内で拡散するため、刺激部位近傍に誘導電流を集束させることは一般的に困難である。本研究では、微小導電体を生体内に植込むことで、誘導電流の集束が可能と考え、以下の基礎的実験を行った。生理食塩水を満たした水槽を生体モデルとし、その直上に刺激コイルを配置した。ファンクション・ジェネレータによる連続正弦波並びに市販の磁気刺激装置(Dantec製MagPro)によるパルス電流を刺激コイルに加え、変動磁界を作成し、生理食塩水に曝した。微小導電体として直径9mmの銅球を用い、銅球を生理食塩水中に配置した場合としない場合で、生理食塩水中に誘起される誘導電流密度を計測比較した。その結果、水槽中に銅球を配置した場合は、配置しない場合と比較して、銅球近傍で誘導電流密度が高まることを確認した。
  • 勝本 慶一郎, 新堀 立
    1995 年 24 巻 2 号 p. 473-478
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    恒久的ペースメーカーリードは, 刺激閾値の上昇を抑制する目的でステロイド溶出式になっているものがある. その溶出能を測定するには従来, 経時的サンプリングを行い, 累積曲線を求める方法をとっている. そのため溶液は多く用い, 電極本数も多く必要とする. そこでわれわれは, 単一のリードを用い溶出ステロイドを分析する方法を研究した. 試験管に蒸留水1mlをとり, 電極部分を浸水させ, 60分経過したところで, リードを引き出し, 液は分析用に供し, 次に1mlの別の蒸留水の入った試験管にリードを移した. 此の操作を時間帯を設定して, 繰り返した. ステロイドの分析は燐酸デキサメタゾンナトリウム(DSP)をターゲットとし高速液体クトマトグラフ法(HPLC)にて行った.その結果, 1.0mlの蒸留水に溶出したDSP濃度は, CAPSURE電極が初めの60分で最も高く, 次の20時間経過後ならびにその次の2日過後には, SELUTE電極とENCORDEC電極が多く溶出した. DS58V電極は当院臨床研究部で開発したガラス状カーボン電極で, 電極表面に穿孔してステロイドを含んだシリコンゲルを封入してある. このため, シリコンゲルに種々のカーボンパウダーを混合させることによって, 溶出能を修飾する実験的研究ができた. 刺激閾値の変動は3-4日頃から始まり, 7-10日目頃ピークになることを考えると最初に大量溶出せず, 4-14日頃まで溶出が継続する方が有利と思われた.
  • 柵木 隆志, 有木 弘, 保浦 賢三, 村瀬 允也, 石原 智嘉
    1995 年 24 巻 2 号 p. 479-482
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    心筋電極の成人における使用の是非を考慮するため, 過去26年間に植え込まれた199本の心筋電極の耐用率および植え込み時の閾値を, 同時期に植え込まれた1640本の経静脈電極を対照として比較検討した。心筋電極は44本が寿命に達し, その耐用率は5年89%, 10年79%, 15年から最長26年まで68%であって, 平均耐用年数は20.2年であった。また経静脈電極は141本が寿命に達し, その耐用率は5年92%, 10年83%, 15年75%, 20年から最長22年にて72%であって, 平均耐用年数は18.4年であった。両群の耐用率を比較すると, 心筋電極のほうが有意に不良な耐用率を示した。また心筋電極6917型104本と経静脈電極4024型180本の植え込み時の0.5msにおける電圧閾値の平均はおのおの0.86V, 0.37Vであり, R波高の平均はおのおの7.10mV, 14.5mVであった。電圧閾値およびR波高ともに心筋電極において有意に不良であった。以上より可能な限り経静脈電極を使用するのが望ましいと思われた。
  • 市原 成記, 水谷 登, 小林 正
    1995 年 24 巻 2 号 p. 483-488
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    房室伝導障害を有する徐脈頻脈症候群(BTS)に対しDDD(R)ペースメーカーを使用した31例につき、頻拍性心房性不整脈(AA)に対する対応を、AAに対する新しいアルゴリズム(AMS)を有するDDD(R)ペースメーカーと従来のDPDペースメーカーとを比較検討した。
    31例中4例でAAによる不適当な上限レート・ペーシングを認めたが、いずれもCOSMOS使用例であった。AA出現時にAMSを有するペースメーカーでは不適当な上限レート・ペーシングを認める事はなかったが、CHORUS I、META DDDR 1250では洞性頻脈時にもAMSが作動する事が認められた。CHORUS II、META DDDR 1254ではトレッドミル運動負荷試験で誘発された洞性頻脈にもAMSが作動する事はなかった。
    以上より、BTSに対してはAMSを有するペースメーカーの使用が好ましいと結論された。
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