生体材料より構成される“biomimetic graft”開発の基礎実験において血管平滑筋細胞(SMC)のphenotype変換に注目した. 細胞外マトリックスを加えた3次元collagen gelを作成し, ここにSMCを培養してphenotype変換を免疫生化学的に調べた. マトリックスとしてlaminin, fibronectin, elastinをcollagen溶液に添加し, 細胞浮遊液を加えgel化, 培養した. myosinを抽出し, SDS-PAGEにて電気泳動しWestern blot法を施行した. SMCのphenotypeはSMemb(+)(合成型)のままであり, 変換は認められなかったが, laminin, fibronectin(10μg), elastin各々を添加した場合, SMembに対する抗体の陽性化が減弱し, 合成型発現が抑制された. この結果は今後のSMCのphenotype変換を研究する上で重要な指針となる.
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