動物の腹膜はその体表に匹敵する面積をもっている. 一方, Pernubron®(1-bromoheptadecanuorooctane)は41.6vol%/37℃の高い酸素溶解能力をもつ無毒な化合物である. 中等度低換気状態のラットにおいて, 腹腔内に酸素化したPerHubron®を循環させることにより腹腔静水圧0cmH
2O, 流量25ml/minから, 腹腔静水圧10cmH
2O, 流量35ml/minまでの範囲で, 有意な動脈血酸素分圧の改善をみた. また上記条件のうち最も生体への負担が小さかった腹腔静水圧0cmH
2O, 循環流量25ml/minの条件で連続4時間の灌流を行い, 長時間の安定した動脈血の酸素分圧の改善を確認した. 酸素化PerHubron®による腹腔内灌流は, 気道熱傷など経気道的な呼吸維持が難しい疾病での臨床応用が期待される.
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