ブラシレスDCモータのインナーロータに永久磁石を使用して, これをビルトイン研削主軸の駆動源に適用し, 主軸の熱変位による伸びを, 大幅に減少することができた. 従来より, ビルトイン主軸の駆動モータには, インダクションモータを用いたインバータ制御がよく用いられている. しかしながら, ステータコイルの電磁誘導により回転するロータに電流が流れるために, 主軸の熱による伸びが問題となっている. この問題を改善するため, インナーロータに永久磁石を使用したDCブラシレスモータ (以下IPMモータ) を用いた. ロータ自体が永久磁石により磁界を持つことから, 理論上は主軸の通電による熱の影響がない. その結果, 試作した主軸の伸びが, 同一出力であるインダクションモータ駆動に比べ, 約1/3に抑えられることが明らかになった.
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