砥粒加工学会誌
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49 巻, 5 号
MAY.
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論文
  • 第2報 : 深紫外線用CaF2単結晶球面レンズの研磨
    黒澤 洋
    2005 年 49 巻 5 号 p. 239-244
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    従来のピッチと比較して非常に軟質の溶液化ピッチ凝集皮膜をレンズ研磨工具に適用した. 第1報では, 実施例として光学ガラスBK7製球面レンズの研磨を行い, 少量生産向きだが高度熟練技能に代替できることを示した. 今回はCaF2単結晶製球面レンズの研磨を行い, 深紫外領域の光学システム用レンズ研磨にも適用できることを示した. CaF2単結晶に関しては, 陰イオン性の水溶性合成高分子を添加したCeO2スラリーを用いた場合, 化学的除去が支配的になり, 結晶異方性エッチングにより結晶方位の影響を受けた稜線が鮮明になり, 正確な球面が得られないことがわかった. 一方, 非イオン性の水溶性合成高分子を添加したダイヤモンドスラリーを用いた場合は, 結晶異方性エッチングが抑制でき, 機械的除去が支配的になって, 仕上げ研磨に有効であることなどがわかった.
  • 第2報 : 工具小径化が加工速さに与える影響
    田中 信一, 高木 純一郎, 横沢 毅, 長谷川 徳慶
    2005 年 49 巻 5 号 p. 245-249
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    遊離砥粒を用いた超音波加工においては, さまざまな加工条件の変動が加工精度, 加工効率などに影響を与える. 本研究では, 工具材として摩耗の少ない焼結ダイヤモンドを用い, 工具直径, 加工圧およびスラリー流速の3つの条件を変えて加工速さを調べた. その結果 (1) 加工時間が最も短くなる最適加工圧が存在する (2) 工具を小径化すると, 最適加工圧は工具断面積に反比例して大きくなる (3) スラリー流速が加工速さに影響を与え, 工具が小径化するにつれて最適スラリー流速は遅くなることがわかった.
  • 第3報 : 工具材質の違いが加工特性に与える影響
    田中 信一, 高木 純一郎, 横沢 毅, 長谷川 徳慶
    2005 年 49 巻 5 号 p. 250-253
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    遊離砥粒を用いた超音波加工においては, さまざまな加工条件の変動が加工精度, 加工効率などに影響を与える. 本研究では, 工具材として超硬合金, 焼結ダイヤモンド (PCD) を用い, 工具摩耗による加工穴の形状変化を調べた. さらに, SUS304工具とPCD工具をそれぞれ小径化したときの加工速さの変化, 工具摩耗量, 工具が加工のために砥粒に与えるエネルギの違いについて検討した. その結果 (1) PCD工具は工具摩耗量が直径1.0mmにおいて, 他材質の工具の約1/80であり, 安定した加工がおこなえる (2) 工具材質が異なっても, 工具直径が同じであれば, 加工のために工具が砥粒に与えるエネルギは, 計算上それほど相違ない (3) 工具を小径化すると, 最適加工圧は工具断面積にほぼ反比例して大きくなるが, 工具材質の違いにより最適加工圧の値が異なることがわかった.
  • 竹島 卓哉, 柴田 寿仁, 森田 昇, 山田 茂, 高野 登, 大山 達雄, 安岡 学, 石金 清英
    2005 年 49 巻 5 号 p. 254-258
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    近年, 工具の性能向上にともない, 加工の高速化, 高性能化への要求はますます高くなっている. 本研究では, 高速切削における工具材種の影響について明らかにすることを目的とし, 超硬, PCD, DLCの各種工具を用いて, アルミニウム合金に対し正面切削を行った. そのときの, 切削抵抗, 仕上げ面あらさ, 工具摩耗を測定した. その結果, PCD工具を用いた場合, 他の工具を用いたときよりも切削抵抗を減少でき, 良好な仕上げ面を得られることが明らかとなった. また, 工具摩耗も抑制できることが明らかとなった.
  • 奥山 繁樹, 北嶋 孝之, 由井 明紀
    2005 年 49 巻 5 号 p. 259-263
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    筆者らは, これまでCNC平面研削盤の円弧補間運動機能を利用した研削砥石のR成形法を提案し, その有効性を明らかにするとともに, 成形能率と精度の向上策について検討を進めてきた. 一方, 研削によって自由曲面を創成する場合, 砥石作業面は偏摩耗することから, 加工を中断して再成形する必要が生ずる. しかし, 本R成形法を再成形に用いた場合の有効性や問題点, 成形条件など不明な点が多い. そこで本研究では, R付き砥石の作業面が摩耗して平坦部やコサインカーブ状のうねりが発生した場合について, 再成形プロセスをシミュレーションによって検討した. その結果, 本R成形法は特にツルーイング砥石損耗率αが小さい時, 砥石作業面形状の乱れを能率的に修整できること, 摩耗幅やうねりの波長が増加すると再成形に必要なツルーイングパス回数が指数関数的に増加することなどを明らかにした. また, 摩耗平坦面が生じた場合について再成形実験を行い, 本R成形法の有効性を確認した.
  • 谷 泰弘, 宮田 泰弘, 柴田 順二, 上村 康幸
    2005 年 49 巻 5 号 p. 264-268
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    従来のビトリファイド砥石は乾式成形法で製造されているために, 微粒では砥粒の分散性が悪化するという問題点が指摘されている. そこで, 微粒を用いてもより均質の多孔質体を製造できる可能性のあるゾルゲル法を, 一般砥石の製造に適用することを試みた. その結果, この製法は微粒の砥石の製造に適しており微粒でもブリッジ構造を有した砥石が製造できること, 出発溶液の組成で砥石の組織が制御できること, 焼成温度により砥石組織を変化させることなく砥石の硬度が制御できることを見出した. また, 試作したGC#10000の砥石を用いてシリコンウェーハのインフィード研削を行った結果, 25nmRyの鏡面を加工することができた.
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