本研究では, 微粒ダイヤモンドホイールを用いる超精密研削における諸問題を解決するため, 導電性ダイヤモンド切刃をもつダイヤモンドホイールの開発の可能性を検討した. 導電性をもつダイヤモンド素材に着目した新しいダイヤモンドホイールは, (1) 放電加工による精密かつ簡便な成形, (2) 高集中度化の実現, (3) 十分なチップポケットと微細切刃の両立, (4) 低比抵抗による切刃の非接触感知, (5) 高い熱安定温度による鉄系材料の研削への適用等が期待される. 考え得る種々のダイヤモンドホイールとその製造法を検討した結果, 新しい導電性ダイヤモンドホイールは, (a) ボンドレス導電性ダイヤモンドホイール, (b) ボンド有り導電性ダイヤモンドホイールに分類できる. 導電性CVDダイヤモンド薄膜表面に放電加工を利用して, ホイールとしての切刃の創成を試みた結果, 放電条件に応じて, 凹凸の異なる切刃を創成できることがわかった. 微細切刃を創成したダイヤモンドセグメントを貼り付けたラッピング砥石で超硬合金を定圧押し付け条件で研削した結果,
Ry=0.110μm,
Ra=0.008μmの鏡面を得ることができた. また, マイクロ研削加工用砥石として, V形砥石および軸付砥石を作成し, 超硬合金に対し, 砥石摩耗をほとんど起こさずにV溝研削できることを明らかにした.
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