レーザをパイプ外周に照射した時生ずる外径収縮現象を利用し,パイプの段付加工およびパイプの真円度修正について調べた.CO
2レーザ400W,パルス周波数10Hz,デューティファクタDF=50%,ビーム直径:1.7mm,走査速度v=1047mm/min,全周走査回数N=1の条件で,SUS304パイプ(φ25,肉厚0.5mm)に段付部(平行収縮部)が形成できた.この平行部の外径変化(収縮)量は約0.85mm,外径変化率は約3.2%である.Nを増加させると外径変化量も増加し,N=10の時の外径変化量は約2.1mm,外径収縮率は8%を得た.また,この現象を利用し,パイプの部分的な真円度の修正を試みた.1ライン走査で,v=1600mm/min,DF=25%,パイプは肉厚1mmに変更した.レーザ変形加工をしていない初期試料の真円度を測定し,その凸部にレーザを照射し,再び真円度測定,レーザ照射を繰り返すという方法で,初期真円度29μmであったものに対し,合計で4ヶ所にレーザ照射を繰り返すことにより,真円度10μmを得た.
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