砥粒加工学会誌
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53 巻, 9 号
SEP.
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  • 佐藤 秀明, 村岡 直樹, 眞保 良吉, 石幡 浩志, 二ノ宮 進一, 中村 善治
    2009 年 53 巻 9 号 p. 554-559
    発行日: 2009/09/01
    公開日: 2010/07/09
    ジャーナル フリー
    歯冠修復材料のひとつである陶材は,耐摩耗性・化学的安定性に加え,審美性・生体親和性において優れた材料である.しかし,一般に歯科用陶材は,ヒトエナメル質より硬度が高く対咬する天然歯を摩耗させる,あるいは陶材自体も脆性によるクラック発生や破折の懸念がつきまとう.そこで本研究は,ヒトエナメル質に対する歯科用陶材の単純滑走摩耗試験によって,一咬合状態を再現した上で陶材,エナメル質双方の摩耗特性について検証した.その際は,異なる特性を有する2種の歯科用陶材とヒトエナメル質の組合せによる摩耗状態を顕微鏡により観察した.その結果,陶材の材料特性が,対咬するヒトエナメル質および陶材自体の摩耗体積に及ぼす影響が明らかとなった.
  • —切込み量に対する刃先丸みの影響—
    池田 雄一郎, 森田 昇, 山田 茂, 高野 登, 大山 達雄, 堀 功
    2009 年 53 巻 9 号 p. 560-565
    発行日: 2009/09/01
    公開日: 2010/07/09
    ジャーナル フリー
    本研究では,光学顕微鏡(OM)を用いた2次元切削可視化装置と走査型電子顕微鏡(SEM)内での微小切込み切削装置を使用して,ミクロンオーダの切込みにおける切りくず排出挙動を究明することを目的とする.被削材としてアルミニウム合金A5052を用い,工具としてOM用に超硬合金(刃先丸み半径7.8,20,35,45μm),SEM用に単結晶ダイヤモンド工具(刃先丸み半径0.4μm)をそれぞれ使用した.これにより,切込み量に対する刃先丸み半径の影響を切削抵抗,切りくず厚さおよび表面あらさ等から検討し,その特異性を明らかにした.
  • 第1報:クイルの振れ挙動
    長谷川 裕之, 小山 雄治, 三宅 隆介, 大橋 一仁, 塚本 真也, 加納 史義, 森田 浩充, 黒江 栄光
    2009 年 53 巻 9 号 p. 566-571
    発行日: 2009/09/01
    公開日: 2010/07/09
    ジャーナル フリー
     本研究では,小径深孔内面加工用砥石のツルーイングを対象とし,小径化により低剛性化が進む砥石軸をシューにより支持する補助装置を開発した.ツルーイング補助装置の性能評価として,クイル支持時の振れ挙動,反力,ツルーイング後の砥石形状の変化について検討した.その結果,広幅なシューをクイル側に押込むことにより振れ量の低減が可能となった.加えて,シューで支持しない場合のクイルの回転軌跡は楕円状であったが,押込みにより楕円の長径および短径が減少し,回転精度を向上することができた.さらに,ツルーイング補助装置を内面研削盤に設置し,クイルを最適位置で支持することによりドレッシングによる砥石の欠損が抑止されるとともに,砥石の表面粗さを改善することができた.
  • 張 宇, 平 晋一郎, 吉岡 正人
    2009 年 53 巻 9 号 p. 572-577
    発行日: 2009/09/01
    公開日: 2010/07/09
    ジャーナル フリー
    著者らはこれまでに,市販されている永久磁石型磁気バレル加工機の構造上の欠点について検討し,磁石棒を取り付けることにより磁石を3次元に配列し,加工能力の向上を図ってきた.しかしながら,加工機の加工能力を左右する加工槽内の磁束密度分布は,いまだに求められていない.本報では,磁石棒が加工槽内の磁束密度分布に及ぼす影響を把握するため,磁石の極性や磁力(吸引力)の異なる3種類の磁石棒を使って加工槽内の磁束密度分布を調べた.この結果,磁石の極性や磁力が異なると,加工槽内における磁束密度分布が大きく変化することが確認された.また,3種類の磁石棒を使用した加工機と市販の加工機を用いて加工実験を行い,加工機の加工能力を調べた.その結果に基づいて,加工槽内における磁束密度分布が加工能力に及ぼす影響について検討した.磁力の強い磁石を用いて磁極を交互に配列した磁石棒を使用する場合に,加工槽内の磁束密度が最も大きく,加工能力も大きいことがわかった.
  • 橋山 雄一, 木村  景一, カチョーンルンルアン パナート
    2009 年 53 巻 9 号 p. 578-582
    発行日: 2009/09/01
    公開日: 2010/07/09
    ジャーナル フリー
    LCDパネル製造のフォトリソグラフィ工程で使用される石英ガラス製フォトマスクは大型化し品質の向上が求められている.品質向上を目的としてマスク表面の研磨が必要となっており,石英ガラスの研磨時に発生する問題の一つに,スラリー流れの不均一が挙げられる.本研究では,角形石英ガラスの精密研磨におけるスラリーの均一な流れを実現するため,溝形状の異なるポリシングパッドでの研磨時の蛍光剤流れによる可視化実験を行い,スラリー流れのメカニズムを考察した.
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