砥粒加工学会誌
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54 巻, 10 号
OCT.
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論文
  • —メカニズムと生起可能性について—
    野村 光由, 川島 貴弘, 柴田 隆行, 村上 良彦, 桝田 正美, 堀内 宰
    2010 年 54 巻 10 号 p. 598-602
    発行日: 2010/10/01
    公開日: 2011/07/27
    ジャーナル フリー
    微小径エンドミル加工では,切取厚さが切刃丸味半径とほぼ同程度に小さく,また工具剛性が低いので,切削過程がラビング/プラウニングとマイクロ切削の間で遷移し,それが切削安定性や仕上げ面粗さ,工具寿命などに悪影響を及ぼすことが考えられる.本論文では,そのような特異切削現象について,メカニズムのモデル化とシミュレーションおよび切削実験により,検討された.その結果,特異切削現象のメカニズムモデルの妥当性とその生起可能性が見出された.
  • —水循環システムの提案—
    西川 尚宏, 佐藤 佳則, 加藤 将, 刈田 清貴, 井山 俊郎, 水野 雅裕, 吉原 信人, 萩原 義裕, 塚本 真也
    2010 年 54 巻 10 号 p. 603-606
    発行日: 2010/10/01
    公開日: 2011/07/27
    ジャーナル フリー
    生産現場において,従来機械加工では油剤・極圧添加剤・乳化剤などを含んだ加工液が利用されている.しかし,使用後の廃液は焼却・埋立てや凝集沈殿といった処理が必要であり,温室効果ガス25%削減目標をはじめ環境規制強化から削減が望まれる.本研究では水のみを加工液として使用する電気防錆加工法を開発している.本論文では鉄系切りくずの錆による水汚染を解決し,加工水を再利用する水循環システムについて提案し開発を行った.水循環システムは使用後加工水から切りくずを除去し,かつ沈殿させつつ切りくずを防錆する切りくず沈殿防錆システムと沈殿除去できなかった微細切りくずと溶出したイオン類を除去して水を浄化する水再生システムから構成される.切りくず沈殿防錆システムにおいて72時間の大まかな切りくず防錆を実現し,沈殿槽水質を検証した.また,逆浸透膜を使用した水再生システムにおいて,汚染水を用いて水再生浄化検証を行い,水の再生を実現した.
  • 松井 伸介, 小林 潤也
    2010 年 54 巻 10 号 p. 607-612
    発行日: 2010/10/01
    公開日: 2011/07/27
    ジャーナル フリー
    石英ガラス製である光ファイバ端面へAFM触針によるスクラッチ加工を行いその特性を評価した.触針の材質としてダイヤモンドおよびシリカ(SiO2),セリア(CeO2),アルミナ(Al2O3),ジルコニア(ZrO2)などの化学的な作用も研磨砥粒として持つ材質についても検討した.さらに液中スクラッチにおいて液のpHを変化させ,その影響も検討した.加工はコネクタフェルールに装着されたファイバ端面のコア近傍を液中で矩形状にスクラッチ加工し評価した.その結果,シリカ,ダイヤ触針ではpHが高くなると加工量が増え,特にシリカではファイバ端面加工と触針磨耗がほぼ同量程度起きていることがわかった.また他の材料の触針でもpHに対しその材料特有のスクラッチ特性を示した.
  • —第2報 加工雰囲気が切削点温度と工具摩耗に及ぼす影響—
    由井 明紀, 松岡 浩司, 奥山 繁樹, 北嶋 孝之, 岡畑 豪
    2010 年 54 巻 10 号 p. 613-618
    発行日: 2010/10/01
    公開日: 2011/07/27
    ジャーナル フリー
    超硬合金に高精細な切削加工を施すことが本研究の目的である.単結晶ダイヤモンド工具を用い,コバルトレス超硬合金に対してAir,N2,Arの各雰囲気ガス中でプレーナ加工行い,切削点温度と工具寿命について評価した.切削点から放射されてダイヤモンド工具を透過した赤外線を,光ファイバを経由してInAs素子とInSb素子に集光させることにより切削点温度を測定した結果,その値は,Air<N2<Arの雰囲気順に高くなり,切削速度と切込みにほぼ比例する.本実験における切削点温度は250℃以下であり,ダイヤモンド工具や超硬合金の物理的特性を変化させるには至らない.ダイヤモンド工具の摩耗量はAir<N2<Arの雰囲気順に大きくなり,これは摩擦係数や切削点温度の順に等しい.ダイヤモンド工具の摩耗は,物理的(アブレシブ)摩耗が支配的である.また,Air中では酸素吸着膜の存在によって摩耗は抑制されるが,酸素の存在が微小クラックを進展させダイヤモンド工具にチッピングを生じさせる.
速報
  • —円管内面に生じたバリのみを除去する内面磁気バリ取り法の開発—
    鄒 艶華, 進村 武男
    2010 年 54 巻 10 号 p. 619-621
    発行日: 2010/10/01
    公開日: 2012/10/12
    ジャーナル フリー
    円管内面の小径ドリル加工穴のバリ取りは手作業に依存し,大きな問題となっている.従来のバリ取り工具はパイプ外面には容易に適用できるが,細長いパイプ内面に生じたバリ取りには非常に適用しにくい.新たな内面磁気バリ取り法の研究開発が切望されている.本研究は,小型磁石工具を利用して,円管内面に生じた小径ドリル加工穴のバリのみを除去する新しい内面磁気バリ取り法を提案している.新たな内面磁気バリ取り実験装置を製作し,1mm径のドリル加工穴のバリに対してバリ取り実験を行った.実験結果により,穴周囲のバリ高さは104μmから2.5μmまで減少できることを確認でき,提案した新しい内面磁気バリ取り法の有用性を明らかにすることができた.
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