砥粒加工学会誌
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54 巻, 3 号
MAR.
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  • 溝渕 啓, 小川 仁
    2010 年 54 巻 3 号 p. 145-150
    発行日: 2010/03/01
    公開日: 2011/01/12
    ジャーナル フリー
    本研究では,ソーダライム系ガラス基板に小径の通り穴をコバ欠けの小さな状態で能率的にあける方法を検討している.設計したカプセル形ダイヤモンド電着工具をらせん状に送るヘリカル加工を採用し,加工能率の向上を図った.また,加工品位の向上のために加工条件やダイヤモンド砥粒の大きさについて検討した.深穴加工サイクルでの穴あけと比較して,ヘリカル加工では切りくず排出のための空間の確保や一方向の加工が連続してでき,加工時間は短くなる.工具先端はボール形状となっており,脆性破壊によって穴が貫通してもその穴は目的としている穴径を越えることはなく,必ず切残しが存在する.穴貫通後,切残し領域が削られるため,コバ欠け幅は小さくなる.主軸回転数20000min-1,送り速度(経路接線方向)20mm/min,ヘリカルピッチ0.3mmおよび粒度#600で加工したとき,片道ヘリカル加工では欠け幅は入口で0.1mm以下,出口で0.1~0.2mmとなる.一方,往復ヘリカル加工では,出口の欠けを抑制することができる.
  • 樋口 静一, 土屋 将
    2010 年 54 巻 3 号 p. 151-156
    発行日: 2010/03/01
    公開日: 2011/01/12
    ジャーナル フリー
    金属表面の視覚的品位の向上などのため,連続した細かい筋模様を付すヘアライン仕上げが行われている.一方,多数の螺施状ヘアラインを持つバイブレーション仕上げが,新たな加飾研磨方法として最近注目されている.本研究では,円盤形状の仕上げ工具を自転・公転運動させる研磨方式を利用した研磨装置によりステンレス板表面にバイブレーション仕上げ面を形成した.次に,画像処理を用いた幾何学的特徴の解析より,仕上げ面性状の定量的評価を試みた.さらに実験結果を基に,加工条件の変化が仕上げ面性状に及ぼす影響を調べ,加工条件と仕上げ面性状の関係について検討した.
  • —クラスタ研削試験による切れ刃摩耗挙動の基礎解析—
    垣生 茂, 市田 良夫, 梶野 仁, 佐藤 政和
    2010 年 54 巻 3 号 p. 157-163
    発行日: 2010/03/01
    公開日: 2011/01/12
    ジャーナル フリー
    ビトリファイドダイヤモンドホイールの摩耗特性を明らかにする目的で,グレードの異なるダイヤモンド砥粒を用いて製作したビトリファイドダイヤモンドホイールによるクラスタ研削試験を試み,砥粒切れ刃の摩耗挙動に及ぼす砥粒強度の影響ついて検討した.強度の高いダイヤモンド砥粒ほど耐摩耗性に優れるが,微小破砕による自生作用が起り難く,摩滅摩耗による切れ刃の平坦化が進行しやすい.また,ホイール作用面の3次元プロファイルから求めた平均砥粒切れ刃切断面積により砥粒強度の違いからもたらされる摩耗形態の相違を判別することができる.
  • 垣生 茂, 市田 良夫, 梶野 仁, 佐藤 政和
    2010 年 54 巻 3 号 p. 164-171
    発行日: 2010/03/01
    公開日: 2011/01/12
    ジャーナル フリー
    本研究は,ビトリファイドダイヤモンドホイールを用いた研削過程における砥粒切れ刃の摩耗挙動と作用面性状との相関を明らかにすることを主な目的としている.このため,集中度200のビトリファイドダイヤモンドホイールによるアルミナセラミックスの円筒プランジ研削実験を試み,研削過程におけるホイール作用面の変化をレプリカ転写-SEM法を用いて観察し,切れ刃摩耗挙動とその作用面トポグラフィに及ぼす影響について検討した.研削の進行に伴う砥粒切れ刃摩耗平坦面積の変化に基づき,砥粒切れ刃の摩耗過程を大きく,a)単調増加型,b)増加・急減型,c)低値安定型の3つのタイプに分類できることを示した.また,ダイヤモンド砥粒切れ刃の微小破砕による自生作用は,摩滅摩耗平坦面を保持しながら発現する場合が多く,このため自生作用の発生が作用面上の切れ刃先端高さの不揃いをもたらす要因にはなり難いことを明らかにした.
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