砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
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55 巻, 10 号
OCT.
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  • 久保 明彦, 餅田 恭志, 田牧 純一, 原野 佳津子, 角谷 均, ウラ シャリフ
    2011 年 55 巻 10 号 p. 593-600
    発行日: 2011/10/01
    公開日: 2012/10/11
    ジャーナル フリー
    超硬合金の連続切削および断続切削における各種ダイヤモンドバイトの摩耗特性を実験的に検討した.実験に用いたダイヤモンドバイトは,すくい面に配置した結晶面が異なる2種類の単結晶ダイヤモンドバイト(SCD),バインダを有する多結晶ダイヤモンドバイト(PCD),2種類のバインダレス多結晶ダイヤモンドバイト(CVD,NPD)の計5種類である.切れ刃摩耗面積と切れ刃摩耗量の測定,切れ刃SEM観察の結果,1) すくい角を -30°にすることによって切れ刃摩耗面積が最小になること,2) 単結晶ダイヤモンドバイトの(111)面にせん断力が発生するような切れ刃形状あるいは切削条件の場合,(111)面に劈開が誘発されること,3) バインダレスナノ多結晶ダイヤモンドバイト(NPD)は連続切削,断続切削いずれの場合においても他の多結晶ダイヤモンドバイトよりも優れた耐摩耗性を示し,連続切削の場合には単結晶ダイヤモンドバイト(SCD)よりも優れた耐摩耗性を有することが明らかとなった.
  • 周 克儒, 宇佐美 初彦, 榎本 和城
    2011 年 55 巻 10 号 p. 601-605
    発行日: 2011/10/01
    公開日: 2012/10/11
    ジャーナル フリー
    高硬度高靱性材料である炭化ケイ素繊維強化複合セラミックスのアブレシブジェット(AJM)加工における材料除去挙動について実験的に検討した.投射粒子には種々の粒径のアルミナ微細砥粒と球状アルミナ微粒子を用いた.粒子流量当たりの加工量は投射粒子径の増加に伴い増加することや,粒子形状の影響は小さいことを確認した.加工面の観察結果から,材料除去挙動には繊維界面のはく離が大きく影響し,粒子径の増加に伴いはく離の発生頻度が増加する傾向を得た.さらに,微小硬さ試験機を用いて圧痕の大きさと印加位置による損傷挙動を観察した結果,繊維径よりも大きな圧痕を印加した場合には,界面はく離によって大きな損傷が発生し,小さな圧痕では界面に近接した位置でないとはく離を誘発しないことが明らかとなった.
  • 吉原 信人, 廣松 諒子, 水谷 公一, 閻 紀旺, 厨川 常元
    2011 年 55 巻 10 号 p. 606-610
    発行日: 2011/10/01
    公開日: 2012/10/11
    ジャーナル フリー
    精密光学部品のプレス加工において,その金型の多くに被削性に優れたアモルファスNiPめっきが用いられている.このアモルファスNiPめっきの製造プロセスにおいて,その内部に直径100μm程度の孔が発生する場合がある.従来,このような孔の発生が確認された場合,その金型は廃棄されていた.しかし近年,金型の大面積化が進み,孔が存在する可能性が高くなっている.そこで本研究ではアモルファスNiPに生じた孔の修復法を提案し,その修復法に関する基礎実験を行った.その結果,提案した修復法が実施可能であることが確認された.
  • 北嶋 孝之, 奥山 繁樹, 由井 明紀
    2011 年 55 巻 10 号 p. 611-615
    発行日: 2011/10/01
    公開日: 2012/10/11
    ジャーナル フリー
    炭素繊維強化プラスチック(CFRP)部品は,成形加工の後に周辺部のトリミング,穴あけ等が必要な場合が多く,切削や研削加工が求められる場合もある.しかし,穴あけや切削加工においては,表面の剥離やバリの発生,工具摩耗などに課題がある.また,高精度部品を仕上げるために研削加工を行う場合もあるが,関連論文は少ない.そこで本研究では,筆者らが開発したダイヤモンド砥粒配列砥石と軟質のGC砥石を用いて,幅広い加工条件でCFRPの研削実験を行い,研削性能について検討した.その結果,前者の方が高い仕上げ性能を示した.とはいえ,炭素繊維の方向と砥粒の切削方向が一致(繊維角度θ=0°)すると,繊維が表面から簡単に抜け落ちて粗さを増大させる.θ=0°においても炭素繊維の方向を水平面内で回転させると,この抜け落ちが抑制される.ダイヤモンド砥粒配列砥石の仕上げ性能を向上させるには,さらに微粒で鋭利な切れ刃を配列する必要がある.
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