砥粒加工学会誌
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55 巻, 12 号
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  • 山田 高三, 李 和樹, 三浦 浩一
    2011 年 55 巻 12 号 p. 723-728
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2012/09/19
    ジャーナル フリー
    研削加工において,砥粒1粒あたりの切残し量は,砥粒の弾性変位量と工作物の弾性回復量に起因している.これらを定量的に評価することにより,研削時にどの程度工作物を除去しているのかを正しく把握することができる.しかし,この砥粒の弾性変位量や工作物の弾性回復量に関しては個々に研究がなされ定性的に評価できているものの,実際の砥粒を用いてそれらを定量的に評価するには至っていない.そこで本研究では,砥粒1粒を用いて研削した場合の砥粒の弾性変位量と工作物の弾性回復量を算出し,研削時の研削痕深さを定量的に評価することを目的としている.レジノイド砥石の粒度60,80,100番の砥粒1粒を用いて設定切込量1μmで研削を行った.その結果,実際に除去される研削量は設定切込量に比べ小さいことを実験より確認した.
  • 小貫 哲平, 小野 竜典, 尾嶌 隆裕, 清水 淳, 周 立波
    2011 年 55 巻 12 号 p. 729-732
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2012/09/19
    ジャーナル フリー
    超精密研削盤によるシリコンウェハの薄片化工程で用いる機上厚さ計測装置として,近赤外分光計測方式によるウェハ厚さ計について検討を行った.波長600nm~1000nmの分光計測データに現れる特徴からFabry-Perot干渉とLambert-Beer則を原理として用いた厚さ計測法を用い,今回準備した試作機における最小厚さ0.2μmまで及ぶ厚さ計測範囲とその計測精度など本方式の厚さ計の原理的な特徴を明らかにした.純シリコンウェハに対する試作装置を用いた計測の実演において最小8.4μm厚の薄片シリコンの計測を行うことができた.
  • 諏訪部 仁, 浦塚 昭典, 上野 智尚, 服部 崇将, 石川 憲一
    2011 年 55 巻 12 号 p. 733-738
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2012/09/19
    ジャーナル フリー
    マルチワイヤソー方式とは,ワイヤ工具とスラリー(砥粒とベースオイルを懸濁させた加工液)を用いてシリコンなどの硬脆材料をウエハ状に切断する加工法である.従来,本方式では細いピアノ線とGC砥粒を用いることによって,太陽電池のウエハの基盤材料であるシリコンインゴットの切断加工に用いられているが,変換効率の向上や生産コスト削減のために,さらなる高精度加工が求められている.そこで,本研究では,工作物として単結晶および多結晶シリコンを用いて切断加工を行い,ワイヤや砥粒,シリコンの結晶構造が加工特性に及ぼす影響について検討を行った.その結果,ポリウレタン系の樹脂をコーティングしたワイヤとダイヤモンド砥粒を用いることによって,ウエハに鏡面が得られるまで表面性状が向上することを明らかにした.
  • 布引 雅之, 蓬莱 康佑, 奥田 孝一, 静 弘生
    2011 年 55 巻 12 号 p. 739-743
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2012/09/19
    ジャーナル フリー
    本研究はレーザフォーミングによって純チタン板を任意の曲面形状へ成形することを目指し,まず表面を溶融させずに成形するためにビーム直径が1.8mmとなるようにデフォーカスした出力100Wのレーザを用いるものとし,さまざまな走査速度ならびに走査回数で純チタン板のレーザフォーミングを行い曲げ角度との関係を回帰式によって定式化した.その実験式を用いて円弧,放物線などの形状を作成した結果,必要な曲げ角度に対してまず走査回数を決定した後に走査速度を調整することで,目標形状を成型できることを示した.また事前変形と座屈メカニズムを利用することで裏側へ曲げることができることを示した.
  • 井手上 敬, 伊藤 伸英, 小島 浩樹, 大森 整, 加藤 照子, 水谷 正義, 小茂鳥 潤, 河野 直
    2011 年 55 巻 12 号 p. 744-745
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2012/09/19
    ジャーナル フリー
    環境への配慮や機能的な加工を実現するため,ラバーボンド砥石と電解還元水を研削液に用いたELID加工技術の構築を進めている.本報告では研削液に電解還元水を用いた際の被加工物への影響を調査した.実験は電解還元水の基礎的特性の調査,被加工物の表面成分分析,生体適合性の調査を行った.電解還元水はアルカリ性で導電性を有している.塩化カルシウムを用いた電解還元水を研削液として使用すると表面にカルシウムが拡散した.またアパタイトがよく成長したため,研削液に電解還元水を用いることで生体適合性の向上が確認された.
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