砥粒加工学会誌
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56 巻, 7 号
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  • 二ノ宮 進一, 清水 俊晴, 岩井 学, 鈴木 清
    2012 年 56 巻 7 号 p. 465-469
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/04/08
    ジャーナル フリー
    直径20μm~50μmの微細な気泡であるマイクロバブルを含有する加工液を各種除去加工に適用したマイクロバブルクーラント法は,穴あけ,旋削加工および研削加工に適用すると工具寿命を向上させ得ることなどの効果が期待される.本研究では,加工液中に含まれる微細切りくずや摺動油の分離効果および細菌の除去効果などマイクロバブルクーラントが持つ浄化効果について検討した.あらかじめ細菌を発生させた水溶性研削液中でマイクロバブルクーラントを5~30分間循環させた後,細菌検出器に採取したサンプルを37℃の恒温器内で24時間放置した結果,加工液中に1×106個/ml存在していた細菌はほとんど消滅し,1ヶ月近く経過しても細菌が発生しないことを明らかにした.また,マイクロバブルは加工液中の微細な切りくずや遊離砥粒および摺動油を吸着して液面に浮上させ,分離できる作用を持つことから,加工液を容易に浄化できることがわかった.
  • -刃先先端部の微小内部欠陥と損耗の関係-
    金技 敏明, 鳥越 治木, 島田 尚一, 小畠 一志
    2012 年 56 巻 7 号 p. 470-474
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/04/08
    ジャーナル フリー
    本論文は,ダイヤモンド工具の寿命のバラツキが,工具内部の欠陥である窒素不純物に左右されると判断し,内部欠陥の存在と工具寿命との関連を求めた.工具寿命に関与する内部欠陥は,工具刃先近傍に存在するものであり,それを分析するために,今回顕微赤外分光装置(Fourier Transform Infrared Spectrometer and Infrared Microscope: 顕微FT-IR)を採用した.そして分析した工具と切削実験での工具損耗との関連を求めた.その結果,窒素不純物が少ない工具は,刃先に多くのチッピングが認められたものの,すくい面のクレータ摩耗が少なくなることが明らかとなった.
  • 金枝 敏明, 石岡 建一
    2012 年 56 巻 7 号 p. 475-480
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/04/08
    ジャーナル フリー
    本論文はNi基超耐熱合金インコネル718板切削における切削油剤の塗布効果について調査を行ったものである.現在までに著者らによって軟質金属切削における切削油剤の塗布効果について広範にわたり調査されてきた.しかし難削材切削におけるそれに関してはいまだ不十分である.そこで,本研究では難削材であるニッケル基超耐熱合金インコネル718に対し塗布効果実験を行い,塗布効果の発生条件,メカニズムについて調査した.その結果,インコネル718切削における塗布効果のメカニズムも軟質金属のそれと類似し,切りくず自由面側のラメラ間の摩擦低減によるものであることがわかった.
  • 堀内 宰, 馬 博驍, 野村 光由, 柴田 隆行, 村上 良彦, 桝田 正美
    2012 年 56 巻 7 号 p. 481-486
    発行日: 2012/07/01
    公開日: 2013/04/08
    ジャーナル フリー
    微小径エンドミルの折損による工具寿命を予測するのに役立つ何らかの知見を得るために,直径0.5mmのコーテッド超硬スクエアエンドミルを用いて,中炭素鋼を種々の送り速度で溝切削する一連の実験を行った.得られた主な結果は次のとおりである.(1)溝距離が最大になる最適送り速度が存在した.(2)送り速度が比較的低いときびびりが生じたが,送り速度が比較的高いときはびびりがあまり発生しなかった.(3) 回転曲げ疲労試験で得たS-N曲線を用いてマイナー則を適用したが,累積損傷値のばらつきが大きく,成立しなかった.(4) 新たに定義した累積損傷度は,切削力の監視によって折損工具寿命を予測するのに役立ちそうである.
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