砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
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57 巻, 12 号
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  • 松本 有司, 山口 智実, 山本 章裕, 北嶋 弘一, 高橋 信次
    2013 年 57 巻 12 号 p. 790-795
    発行日: 2013/12/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    乾式流動バレル研磨法におけるマス(研磨メディアおよび工作物)の流動状態を解明するために専用の受圧センサを製作した.この受圧センサによってバレル槽の半径方向および周方向の圧力を測定すると,周方向圧力に比べて半径方向圧力ははるかに小さいことが判明したため,周方向の圧力を研磨圧力としてバレル槽内の半径方向と高さ方向における研磨圧力分布を求めた.その結果,バレル槽内の研磨圧力は,半径の増加にともなって増大するが,バレル槽の側壁に漸近すると減少に転じること,また回転ディスク面上からの距離が離れるほど低下することがわかり,さらにディスク回転速度が高く,研磨メディア装入率が高くなるほど研磨圧力も高くなることなどが明らかになった.
  • 上原 義貴, 太田 稔, 南部 俊和
    2013 年 57 巻 12 号 p. 796-799
    発行日: 2013/12/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    輸送機器や産業機械の摺動部の摩擦低減が求められている.これまでの研究で摺動部の摩擦を低減するためには,摺動表面に断面形状を制御した3次元微細形状を加工することが効果的であることがわかっている.本研究は,この断面形状を制御した微細形状を高能率で加工できる3次元微細塑性加工技術を開発することを目的として研究を行った.本報では微細塑性加工を応用したマイクロフォームローリング(Micro Form Rolling, MFR)を提案し,この加工法を実現するための加工装置を試作し,加工実験を行った.その結果,MFR法にて,高能率で3次元微細形状の加工が可能であること,工具形状を考慮することで工具寿命を向上させることが可能であることを明らかにした.
  • 高速粒子衝突による付着現象の歯科治療への適用
    冨江 瑛彦, 久慈 千栄子, 水口 直秀, 西川 智弘, 嶋田 慶太, 泉田 一賢, 赤塚 亮, 佐々木 啓一, 水谷 正義, 厨川 常元
    2013 年 57 巻 12 号 p. 800-805
    発行日: 2013/12/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    現在,広く行われている齲蝕治療法は窩洞形成と充填材による治療箇所の修復によってなされている.しかし,治療箇所には充填材の脱離等に起因する2次齲蝕のリスクが存在する.そこで,筆者らはパウダージェットデポジション法(以下PJD法)により,窩洞部に人歯と同質のハイドロキシアパタイト(以下HA)膜を形成する新しい治療法を提案している.PJD法は粒子を高速で材料表面に噴射することで,衝突粒子の一部を付着させ成膜する加工法である.本研究では,噴射されたHA粒子の窩洞内部での挙動を数値流体力学(CFD)を用いて解析し,窩洞底面での粒子衝突速度分布および噴射粒子の窩洞内部への到達率を明らかにした.次に,成膜効率に寄与するパラメータを検証するために,解析条件を模擬した窩洞に対してPJDノズルを用いた噴射実験を行った.その結果,窩洞への粒子到達率が成膜効率に最も寄与するパラメータであることが明らかになった.粒子到達率と噴射距離には負の相関関係がある.このことから,最も効率よく窩洞部へのHAの成膜を行うためには,噴射装置を窩洞に対して1 mm程度に接近させながら治療を行うことが適当であることが示された.
  • 亀山 雄高, 大和久 祐樹, 和田 修, 佐藤 秀明, 眞保 良吉
    2013 年 57 巻 12 号 p. 806-812
    発行日: 2013/12/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    微粒子ピーニング(FPP)によって生じる移着現象を顕在化させるねらいで,鋼粒子の表面に銅を被覆した投射材(銅/鋼複合粒子)を作製した.これを用いて純アルミニウムへFPPを施したところ,銅/鋼複合粒子から銅および鋼が被処理材表面に移着した.銅/鋼複合粒子をFPPの投射材に用いた場合には,被処理材に顕著な塑性変形がもたらされる結果,移着が促進される.そのため,銅粒子を投射材に用いてFPPを施した場合と比較して,より効果的に銅を移着させることが可能であった.また,銅/鋼複合粒子から移着した成分は純アルミニウム母材と機械的に混合され,厚さ数十μmの改質層を形成することを明らかにした.
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