砥粒加工学会誌
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57 巻, 6 号
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  • 根本 昭彦, 村田 泰彦, 高野 弘貴, 倉持 善至, 伊藤 伸英, 加藤 照子, 大森 整
    2013 年 57 巻 6 号 p. 371-374
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    プラスチック非球面レンズ成形金型の超硬合金製キャビティ入れ子を製作するために,ELID研削法を用いた加工方法の検討を行った.まず,鋳鉄ボンドダイヤモンド砥石によって入れ子の研削加工を行い,加工した入れ子を用いてレンズ成形品の射出成形を行った.その結果,入れ子の加工面に残った研削痕や工具痕が成形品表面に忠実に転写され,問題となることを明らかにした.そこで,これらの問題点を解決するために,導電性ラバーボンド砥石を用いて入れ子の仕上げ加工を試み,研削痕と工具痕が除去された良好な加工面性状が得られることを明らかにした.
  • 伊藤 昇
    2013 年 57 巻 6 号 p. 375-380
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    平面研削加工を検討するなかで,加工物の加工開始側と終了側の両端部において形状変化がおこることが見出された.本報はこの形状変化発生の過程を解析したものであり,単位時間当たりの研削体積と法線研削抵抗に着目して,平面研削加工における形状生成過程を計算する理論式を導き出し,研削実験であらわれた加工条件の違いによる特徴的な加工物両端部付近の形状変化を適切な計算条件を設定することにより,ほぼ再現することができた.
  • ―研磨レートに及ぼすパッド表面性状の影響―
    畝田 道雄, 前田 有樹, 澁谷 和孝, 中村 由夫, 市川 大造, 石川 憲一
    2013 年 57 巻 6 号 p. 381-386
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    ポリシングにおいて,その研磨レートは消耗副資材として用いられるパッドの表面性状(アスペリティ)に依存することが知られており,パッド表面性状を的確,かつ簡便に評価し得る手法の開発が求められている.著者らはダブプリズムを用いた接触画像解析法に基づく研磨パッド表面性状の定量評価手法を確立し,接触点数,接触率,接触点間隔,ならびに空間FFT解析結果の半値幅からなる4つの評価パラメータを提案するとともに,現在,実用にも供している.本論文では,軟質系発泡ウレタンパッドに対してコンディショニング条件の相違による研磨実験,ならびに連続バッチによる研磨実験を通じて,研磨レートに及ぼすパッド表面性状の影響について多面的に検討した.その結果,接触点数で約30/mm2,接触率で約0.8%,接触点間隔で約450μm,空間FFT解析結果の半値幅で約100μmとなるコンディショニングによって,より高い研磨レートが得られることを明らかにした.さらには,研磨レートに及ぼす4つの評価パラメータの重回帰分析を行うことを通じて,接触点間隔が最も効果的なパラメータであることを定量的に示した.
  • 中元 一雄, 片平 和俊, 山崎 和雄, 青山 藤詞郎
    2013 年 57 巻 6 号 p. 387-394
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    PCD製の微細なエンドミルを用いて,石英ガラス素材上に高品位の延性モード加工面を持つ微細3次元形状を加工することを目指し,石英ガラスのマイクロミーリング加工プロセスの挙動と切削条件について考察し,加工品質に及ぼす影響因子を特定する目的で研究を行った.その結果,加工面に作用するZ軸方向切削抵抗が延性モード加工面を得る上で重要な影響因子であることが判明した.本研究を実施した環境では,工具と加工面の接触単位面積あたりのZ軸方向切削抵抗が約2500N/mm2以下であれば常に延性モード加工が行え,典型的に得られる延性モード加工面は,平均面粗さ5nm,最大面粗さ40nmであることを確認した.また,工具底面の加工面との接触部を加工後に原子間力顕微鏡で観察し,その結果から今回の加工は,工具底面部に多数存在する微細なダイヤモンド粒子の働きによるマイクロ研削プロセスであると考えたほうが妥当であると結論された.また,本研究により得られた延性モード加工条件で3次元の自由曲面形状を石英ガラスに生成し,高品位な加工面が得られることを確認した.
  • —半径方向振動発生装置の開発と評価—
    水谷 秀行, 浜岡 亨, 浜田 晴司, 稲崎 一郎
    2013 年 57 巻 6 号 p. 395-400
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    機械の構成要素は大小さまざまな円筒穴を有し,これら内面の高精度・高能率加工の進展は,機械の性能および生産性の向上に不可欠である.本研究の目的は,砥石部分をパイプ・スリット構造としたホーニング砥石ツールを用いて,振動子が発する軸方向の超音波振動を砥石半径方向のたわみ振動に変換し,これを砥石の切込み運動として活用した新しい高性能ホーニング加工装置および方法を開発することである.本加工装置は,搭載する工作機械に特別な切込み機構を設けることなく,超音波振動の振幅を制御することによってμmオーダの内径寸法の調整を行うことができる.本報告では,開発装置の概要と基本性能評価のために行った実験結果について述べる.主な結果は以下の通りである.焼入れ鋼のホーニング加工において,砥石半径方向振動の振幅変化に対応した寸法生成量が得られることから,開発装置は円筒穴に対する寸法調整機能を有することが確認された.また,この装置および方法は仕上げ面性状の向上にも効果が認められるなど,ホーニング加工の高性能化に寄与することが示された.
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