砥粒加工学会誌
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59 巻, 8 号
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  • 第1報:小径クイルφ3mmでの新ツルーイング工法確立と極小径クイルφ0.6mmへの適用
    福山 修, 高木 純一郎
    2015 年 59 巻 8 号 p. 453-458
    発行日: 2015/08/01
    公開日: 2016/01/15
    ジャーナル フリー
    本研究は,PCDロータリーツルアのエッジを使用した小径CBN砥石に最適な新ツルーイング工法を開発し,その有効性を実験的に検証したものである.クイル径φ3mmの砥石で内面研削し,得られた主な結果は以下の3点である.(1) ツルーイング抵抗が0.1N以下,研削抵抗が1.13N以下であり,クイル剛性実験結果から砥石軸のたわみに影響しない.(2) #80/100という粒度が粗い砥石にかかわらず面粗さがRa 0.1μm以下であり,目標面粗さRa 0.2μm以下をクリアした.(3) 従来工法と比較してクイル剛性の低い小径CBN砥石に最適な新ツルーイング工法が提案できた.さらに極小径であるクイル径φ0.6mmに対しても新ツルーイング工法が有効であることが実験的に検証できた.
  • –フレキシブルファイバードレッサの工具寿命検証–
    畝田 道雄, 髙橋 直紀, 新井 雄太郎, 藤田 隆
    2015 年 59 巻 8 号 p. 459-464
    発行日: 2015/08/01
    公開日: 2016/01/15
    ジャーナル フリー
    化学的機械的複合研磨(Chemical mechanical polishing/ planarization:CMP)は,高性能半導体デバイス実現のために必須となる製造プロセスの1つである.CMPにおいて,研磨レート(研磨速度)や研磨精度という研磨特性はスラリーや研磨パッド,ならびにドレッサに代表される消耗副資材に依存する.このような中にあって,研磨パッド表面を全面均一にドレッシングし,高寿命で安定したドレッシング性能を示し得るフレキシブルファイバードレッサが開発された.現在までにフレキシブルファイバードレッサの特徴としてダイヤモンドドレッサと比較した基礎的な結果が報告されてきている.本論文では,フレキシブルファイバードレッサの特徴をより詳細に評価することを目的として,接触画像解析法,ならびに高速度カメラによるその場観察法を適用し,ドレッサの工具寿命検証を行った.その結果,フレキシブルファイバードレッサは35時間にわたる長時間の使用を経ても安定して継続使用でき,シリコン基板の研磨レートも同様に安定させ得ることに加えて,ドレッシングによる研磨パッドの被削量を大幅に抑制できることを示した.したがって,フレキシブルファイバードレッサはCMPプロセスにおけるドレッサ寿命の大幅延伸とともに,研磨パッドの寿命延伸も可能にするという結果を得た.
  • 萩原 史門, 伊藤 伸英, 大森 整, 加藤 照子, 春日 博, 前林 直希
    2015 年 59 巻 8 号 p. 465-466
    発行日: 2015/08/01
    公開日: 2016/01/15
    ジャーナル フリー
    ELID研削法の仕上げ用砥石として導電性ラバーボンド砥石がある.導電性ラバーボンド砥石を用いたELID研削技術は,汎用的に用いられているELID研削用砥石と比較して良好な加工面を得ることができるが,電解ドレッシング特性や加工能率の面で劣るという問題点を抱えている.本報告では,この問題点の解決を目指し,導電性ラバーボンドをメタル-レジンボンド砥石に含有させたハイブリッド型砥石である,導電性ラバーボール含有メタル-レジンボンド砥石を開発した.製作した砥石を用いた超硬合金に対する加工実験を行った結果,導電性ラバーボンド砥石と同等な加工面粗さを得られることを確認した.また,除去量に関しても,導電性ラバーボール含有メタル-レジンボンド砥石のほうが導電性ラバーボンド砥石よりも除去量が向上する結果が得られた.
  • 上田 隆司
    2015 年 59 巻 8 号 p. 467-469
    発行日: 2015/08/01
    公開日: 2016/01/15
    ジャーナル フリー
    砥粒加工において,切りくずが生成される際に生じる熱により切削点は高温になり被削材や砥粒にさまざまな悪影響を及ぼす.磁性材料として優れた性質をもつアモルファス金属を砥粒加工するとき,切削熱がその磁気特性に及ぼす影響について調べた.切削速度が51m/minと低速のとき,工具刃先温度は220℃と比較的低く,キュリー温度643K(370℃)よりもはるかに低いことから,アモルファス金属は切削熱の影響を受けなかった.ところが,切削速度が512m/minと高速になると工具刃先温度は580℃となり,結晶化温度753K(480℃)より高温になることから磁気特性に大きな影響を及ぼした.
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