炭化ケイ素(SiC)は,高硬度かつ,化学的・熱的にも安定であるため,ウェーハ加工には多くの時間と高いコストを要する.とくに,加工の最終工程である化学機械研磨(CMP: Chemical Mechanical Polishing)においては,大幅な性能向上が求められている.我々は,基板との反応性を向上させた強酸化剤型スラリーを用い,かつ,高速回転が可能な研磨機を用いた評価により,Si面で10 μm/h以上の高能率を達成することができた.更に,到達面質について,水素エッチング評価とコンフォーカル微分干渉顕微鏡,ミラー電子顕微鏡などを用いた評価を行い,SiCエピレディ面質を短時間で実現する二段CMPプロセスの有用性を議論した.