砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
Print ISSN : 0914-2703
ISSN-L : 0914-2703
60 巻, 8 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 第4報:ラインカメラによる高速画像取得とボロノイ図を用いた砥粒切れ刃分布の解析
    川下 智幸, 坂口 彰浩, 川口 維文, 松井 尚督, 前田 純弥, 松尾 修二
    2016 年 60 巻 8 号 p. 442-447
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー
    砥石作業面の砥粒切れ刃の形状や分布は,加工仕上げ面の良否を左右する大きな要因であることから,前報では,ダイヤモンド砥粒を整列固着した砥石を用い画像処理により抽出した砥粒切れ刃において,新たなパラメータとして,円形度,砥粒切れ刃面積,内部・外部側欠損面積などを解析し報告している.本報では,測定対象としてメタルボンドダイヤモンド砥石(SD140Q100M)を用いて,ラインカメラを導入することで,計測・解析速度の高速化を目指した.また,ボロノイ図を用いることにより,砥粒切れ刃の分布や突き出し量の高低領域を示す新しい指数になるのではないかと考え解析を試みた.その結果,従来よりも短時間で計測解析が実現でき,かつ,ボロノイ図は砥粒切れ刃の分布や突き出し量の高低領域を表す指数として活用できることがわかった.
  • 畝田 道雄, 松永 敬弘, 高橋 佳宏, 澁谷 和孝, 中村 由夫, 市川 大造, 石川 憲一
    2016 年 60 巻 8 号 p. 448-453
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,サファイア基板(ウェーハ)のCMPを対象とし,接触画像解析法に基づく研磨パッド表面の定量評価の観点から,研磨パッド表面温度と研磨レートの関係解明を目的とする.その手法として,研磨ヘッドと定盤(研磨パッド)の回転数が研磨レートに及ぼす影響,ならびにチラーによって設定される研磨定盤の温度が各評価パラメータ(研磨パッド表面温度,研磨レート,研磨パッド表面性状,研磨パッド硬度)に及ぼす影響を実験的に検討し,相関関係からの影響解明を試みた.その結果,研磨パッド表面温度の増加に伴って研磨パッドは幾分軟化し,接触点数が増加することで研磨レートは増加すること,ならびに不織布パッドは研磨パッド表面温度の影響によって研磨パッド表面性状および研磨パッド硬度が変化することを明らかとした.
  • 平野 真也, 河田 研治, 浅水 啓州, 加藤 智久
    2016 年 60 巻 8 号 p. 454-459
    発行日: 2016/08/01
    公開日: 2016/11/25
    ジャーナル フリー
    炭化ケイ素(SiC)は,高硬度かつ,化学的・熱的にも安定であるため,ウェーハ加工には多くの時間と高いコストを要する.とくに,加工の最終工程である化学機械研磨(CMP: Chemical Mechanical Polishing)においては,大幅な性能向上が求められている.我々は,基板との反応性を向上させた強酸化剤型スラリーを用い,かつ,高速回転が可能な研磨機を用いた評価により,Si面で10 μm/h以上の高能率を達成することができた.更に,到達面質について,水素エッチング評価とコンフォーカル微分干渉顕微鏡,ミラー電子顕微鏡などを用いた評価を行い,SiCエピレディ面質を短時間で実現する二段CMPプロセスの有用性を議論した.
feedback
Top