砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
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61 巻, 4 号
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  • 杉原 達哉, 藤原 航太, 榎本 俊之, 山本 修太郎, 山本 敬, 向 恭平
    2017 年61 巻4 号 p. 197-203
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/25
    ジャーナル フリー
    熱伝導率が低く,工具材料との親和性が高いチタン合金は,加工が困難な典型的な難削材であり,そのような材料の高速切削加工においては切削油剤が極めて重要な役割を果たす.本研究では,チタン合金の高速切削加工に適した水溶性切削油剤の開発を目的に,工具-切りくず界面における水溶性切削油剤の油滴挙動に着目した検討を行なった.そして,油滴径や油剤炭素数など,油滴の構成要素に関する評価を行うことによって,チタン合金の高速切削加工のための油剤仕様の明確化を試みた.さらに,明確化した指針に基づいて新たな水溶性切削油剤を開発するとともに,開発油剤が優れた特性を示すことを実験的に明らかにした.
  • 柴元 翔太郎, 坂本 武司, 久保田 章亀, 峠 睦
    2017 年61 巻4 号 p. 204-209
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/25
    ジャーナル フリー
    本研究では紫外線照射研磨で精密ツルーイング(UVツルーイング)した小径軸付電着ダイヤモンド砥石の研削性能を評価するため,UVツルーイング時間の異なる砥石を用いて超硬を研削し,仕上げ面粗さおよび研削抵抗を調べた.UVツルーイング10 minの砥石の研削面の仕上げ面粗さは3.0 nmSaまで改善され,UVツルーイングの効果が認められた.次に,100パス研削を行って砥石寿命を調べ,UVツルーイング60 minの砥石は安定した仕上げ面粗さと研削抵抗を示し,砥石の長寿命化に効果があることがわかった.さらに,マイクロバブルを添加した研削液を用い,研削面の仕上げ面粗さや研削抵抗の低減,切りくずの微細化などの効果が認められた.
  • 和泉 康夫, 後藤 健太, 坂本 武司, 久保田 章亀, 峠 睦
    2017 年61 巻4 号 p. 210-215
    発行日: 2017/04/01
    公開日: 2017/05/25
    ジャーナル フリー
    PCD製切削工具の高度化要求に対応するため,市販工具では研削加工で仕上げられている工具刃先逃げ面を紫外線照射研磨で鏡面とし,同時に刃先稜線を鋭利化した.これにより,ダイヤモンド粒径が大きなPCD工具の刃先稜線の切れ刃丸味半径が87 nmであることを確認した.鋭利化したPCD製切削工具の切削性能をアルミニウム合金A5052および高シリコンアルミニウム合金A390を用いて調べ,仕上げ面粗さや切削面の散乱度の向上,すくい面摩耗幅の低減を確認した.しかし,鋭利化によって逃げ面摩耗幅が増加したため,紫外線照射研磨で切れ刃先端に負のすくい角を有するチャンファを短時間で形成する技術を開発し,チャンファの形成が逃げ面摩耗を抑制することを確認した.
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