砥粒加工学会誌
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62 巻, 12 号
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  • 亀山 雄高, 大月 洸, 山本 裕之, 佐藤 秀明, 眞保 良吉
    2018 年 62 巻 12 号 p. 625-631
    発行日: 2018/12/01
    公開日: 2019/06/01
    ジャーナル フリー
    一般に,アルミニウムへめっきを施す場合には,亜鉛置換処理と呼ばれる特殊な前処理を適用することが必須とされている.この前処理工程は煩雑であるため,より簡略化できると望ましい.そこで本研究では,アルミニウム表面へめっきを施す際の新たな前処理として,微粒子ピーニング(FPP)を利用した方法を試みた.具体的には,FPPによって金属製の投射材をアルミニウム基材表面へ移着させ,その表面に対し,めっきを施した.種々の投射材を用いてA6061アルミニウム合金基材にFPPを施したのちに,その基材表面へ電解ニッケルめっきを施したところ,めっき皮膜が析出することが認められた.前処理を一切施さないアルミニウム基材へ,同じ条件でのめっきを施した場合には,析出不良となった.このことから,FPPによる前処理の有用性が見出された.めっき分野で汎用される密着性評価法である曲げ試験を行ったところ,アルミニウム基材へ施すFPPに用いる投射材の種類に応じて,めっき皮膜の密着性は異なっていることが明らかになった.炭素鋼粒子やそれに銅めっきを施した粒子を用いてFPPを施した基材へ成膜しためっきは,曲げ試験によってはく離したが,移着させた銅や鉄はニッケルめっき皮膜に対し高い親和性を示している可能性が見出された.
  • 松井 翔太, 尾崎 信利, 廣垣 俊樹, 青山 栄一, 新堂 正俊
    2018 年 62 巻 12 号 p. 632-637
    発行日: 2018/12/01
    公開日: 2019/06/01
    ジャーナル フリー
    本研究では,マシニングセンタのヘリカル補間運動を用いたネジ切り用エンドミル工具であるスレッドミルを用いたネジ切り加工の特性について考察する.X,Y,Z方向およびトルクの4成分が測定可能な圧電式動力計を用いて,ヘリカル補間運動中のスレッドミルに作用する工具接線方向分力(主分力)と工具半径方向分力(背分力)を分離できる手法を提案する.さらにその手法に基づき切削力の分析を行い,ネジ切り加工時に粗加工切れ刃と仕上げ加工切れ刃で生じる現象の解明を試みる.また,曲げ方向およびねじり方向の振動加速度が測定可能な無線式ホルダを使用することにより,びびり振動の検討も行った.その結果工具の半径方向のたわみ量および加工精度について検討を行ったので結果を報告する.
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