砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
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63 巻, 10 号
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  • —単粒研削試験による研削溝形成機構の実験的検討—
    藤本 正和, 小平 慎之介, 市川 紀一, 福山 修, 山下 富雄, 大石 進
    2019 年 63 巻 10 号 p. 516-521
    発行日: 2019/10/01
    公開日: 2020/10/15
    ジャーナル フリー

    本研究は,超音波振動援用研削を用いて,小径内面に機能性表面を創成する際の加工機構について明らかにするものである.本報では,その基礎として砥粒切れ刃の運動軌跡を制御することによる機能性表面創成メカニズムの解明を試みている.ダイヤモンド砥粒1つを小径の超硬軸にろう付けした単粒砥石を製作し,それを用いた単粒研削試験を行い,研削溝形成に及ぼす超音波援用の影響を確かめた.その結果,超音波援用研削における研削溝の形態変化や研削抵抗の低減効果が見られた.さらに,単粒砥石における砥粒切れ刃形状がそれらに及ぼす影響について,先端の鋭利なシャ-プエッジと平坦部が広く存在するフラットエッジを用いることによって解明を試み,超音波援用研削における基礎的な知見を得ることができた.

  • —クーラント種による研磨レートの評価とその影響分析—
    畝田 道雄, 馬野 公宜
    2019 年 63 巻 10 号 p. 522-527
    発行日: 2019/10/01
    公開日: 2020/10/15
    ジャーナル フリー

    HDD(Hard Disk Drive)の長期保存用媒体としての需要増加に伴い,HDDに用いられるガラス基板の低コスト化や量産化が要求されている.現在,ガラス基板の生産工程における第一次研磨では,ダイヤモンドシ-トとク-ラントを用いた固定砥粒研磨法が採用されている.しかしながら,各種あるク-ラント内のそれぞれに含まれる成分の影響を含め,使用するク-ラントの特性が研磨レ-トに及ぼす影響は明らかにされていない.一方,ク-ラントの主成分は明らかにされていないことがほとんどであるが,研磨レ-トの大小に沿った何らかの物理的現象を生じると考えられる.本研究ではク-ラントの物理的特性と研磨中におけるク-ラントの挙動の観点から,ダイヤモンドシ-トによるガラス研磨の高能率化に求められる指針提示を目的とする.本論文では,研磨レ-トに影響を与える因子として,研磨中の摩擦係数やク-ラントの動粘度,さらにはク-ラント挙動としてのあやめ模様の物理的現象に着目し,デ-タを取得した.さらに,重回帰分析することで,ク-ラントの性能諸元の明確化と研磨レ-トへの影響因子の解明を行った.その結果,ク-ラントの動粘度や摩擦係数,あやめ模様が研磨レ-トに影響することを確認した.

  • 松原 光作, 土村 潤, 豊川 澄斗, 笹原 弘之
    2019 年 63 巻 10 号 p. 528-533
    発行日: 2019/10/01
    公開日: 2020/10/15
    ジャーナル フリー

    曲面の輪郭研削加工,とくにコ-ナ部内面の加工においては,接触弧長さが大となり加工力が増すため砥石軸のたわみや研削熱の発生量の増加につながり,形状精度の低下や研削焼けの要因となる.本報告では,小径砥石によるコ-ナ部内面研削に砥石内研削液供給を適用し,温度と研削抵抗への影響を調べた.さらに,その際の研削エネルギ-の工作物への配分割合について解析的に求めた.その結果,本報告の範囲では,砥石内研削液供給によって砥石の目づまりを防ぎ研削エネルギ-を低減する効果があり,冷却能力自体は研削液外部供給の場合と同等であることを示した.

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