超硬合金製の成形型や工具のニ-ズが増大しているが,その研削加工においては研削砥石の摩耗が大きい,目づまりしやすい,ツル-イング・ドレッシング間隔が短く非加工時間が多いなど多くの問題がある.それに対して1μm未満のウルトラファインバブル(UFB)をク-ラント中に付加することにより,難加工材の研削において砥石寿命が向上するなど一定の効果が報告されている.しかしUFBの基礎特性やその効果の解明が十分でなく,UFBを超硬合金の研削に用いた事例もあまり報告されていない.本研究ではUFBク-ラント生成システムを新たに開発し,UFBの密度,付着エネルギなどク-ラントの基礎特性の計測・評価を行い,ダイヤモンドホイ-ルによる超硬合金の平面研削と内面研削の実験を行って研削特性を評価した.平面研削では法線方向の研削抵抗が10%低減すること,内面研削ではドレッシング間隔が3倍以上になること,研削比が2倍以上に向上することなどを明らかにし,ク-ラントへのウルトラファインバブル付加による超硬合金の研削加工特性の向上に有効であることを示した.