非免疫正常家兎の糞便を生理食塩液で抽出して得た抽出液中には,
Sal. Paratyphi Bに働き, 分裂増殖を促進せしめる因子が存在する。この因子は濃度が10
-6以下になるとほとんど作用しない。
Sal. paratyphi Bで免疫された家兎の糞便には, 生菌に働き, 生残菌数を変化せしめる因子が含れている。生残菌数は増加する場合も, 減少する場合もあるが, 菌数の増減は, 活性因子の濃度と関係がある。
この活性因子は免疫操作によつて, はじめて, 糞便中にあらわれるものであつて, さきに小腸組織に証明せられた生残菌数減少因子と同一性格の物質と考えられ, まず小腸組織に形成された上, 腸管腔へ移行したものであらう。
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