日本細菌学雑誌
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26 巻 , 7 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 小谷 尚三
    1971 年 26 巻 7 号 p. 247-287
    発行日: 1971/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 刑部 陽宅, 山崎 茂一, 石倉 康宏
    1971 年 26 巻 7 号 p. 288-293
    発行日: 1971/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    鶏卵のArizona汚染の原因を調べるために,卵殻通過と卵内増殖に関する実験を行ない,以下の成績を得た。
    1. 鶏卵をArizona培養ブイヨンに瞬時浸漬後とりだし,25Cにおいた場合,卵殻を通過した菌が卵黄に達するには10日以上を要する。しかしいつたん卵黄中に菌が入ると,1∼2日で卵白,卵黄中でともに108/mlと急激な増殖が認められた。
    2. Arizonaの卵殻通過率は湿度50∼90%では低率であるが,95%以上では著しく増大した。この現象は卵殻表面における菌生存率ならびに運動性と関連づけられた。
    3. 卵黄中でのArizonaの増殖は良好であるが,卵白中では菌の増殖は悪かつた。そして至適発育温度は卵黄ではほぼ37Cであるが,卵白では25C付近にあることが特異的であつた。以上の結果,Arizonaは卵殻を通過し,卵内で増殖することが明らかとなつた。
  • 刑部 陽宅, 山崎 茂一, 石倉 康宏
    1971 年 26 巻 7 号 p. 294-297
    発行日: 1971/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    鶏卵のArizona汚染と感染母鶏の関連性を追求するために,雛ならびに成鶏を用いて同菌による経口的感染実験を行ない,次の成績を得た。
    1. 成鶏4羽に40mg/羽,20日後,400mg/羽の経口投与を行なつたところ,その排菌は2∼7日であつた。しかし初回投与40日後剖検し,各臓器(心,肝,脾,腎,卵巣,輸卵管,腸)の菌分布を調べたが,4羽とも全く陰性であつた。実験期間中に産卵された卵,106個についても卵殻膜に1例の陽性卵を認めたのみで他は全く陰性であつた。
    2. 1, 7, 14日令各雛(各々50∼69羽)に1mg/体重36gのArizonaを経口投与し,投与後4∼40日における各臓器(心,肝,脾,腎,残留卵黄,腸)の菌検索を行なつた結果,1日令雛にのみ,投与4日後で各臓器で高い検出率をしめし,20, 40日後ではほとんど検出されなかつた。
    3. これらArizona投与前後の成鶏ならびに雛の血中抗体はO, H凝集素とも全く認められなかつた。
  • 善養寺 浩, 寺山 武, 工藤 泰雄, 太田 建爾, 坂井 千三
    1971 年 26 巻 7 号 p. 298-302
    発行日: 1971/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1969∼70年に東京都内で発生した食中毒の患者ふん便から分離された腸炎ビブリオ1,143株のうちK1∼K52に型別されないものが318株認められた。これらの型別不能株のK抗原型を検討し,新K抗原型としてTNK 1, 2, 3, 4, 6および9の6型を追加した。このうち,第3回腸炎ビブリオ型別委員会により,TNK 1はK 53, TNK 2は , TNK3はK 55と決定,追加されている。
    1,143株の分離株についてO群とK抗原型別を行なつた結果,既知O, K抗原の組み合わせと異なるO3:K4およびO4:K4の存在を明らかにし,これと既報のO3:K30およびO5:K30の分離頻度とから,O, K抗原組み合わせの多様化の可能性を論じた。
  • 尾田 進
    1971 年 26 巻 7 号 p. 303-310
    発行日: 1971/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1969年4月頃から新潟県下に発生した,豚の慢性下痢症の原因について検索した結果,Vibrio coli(豚赤痢菌)の感染による豚赤痢であることを確認した。
    1. 発生は白根市,小千谷市,長岡市および南蒲原郡下田村の4ヵ市町村,13戸の養豚場でみられ,517頭に本症の感染を確認した。下痢は体重15kg∼90kgのものにみとめたが,とくに15kg∼50kgの子豚に集中してみられた。
    2. 臨床所見としては糞便に粘液,血液を含み,赤褐色のゼリー状感を有する下痢便の排出が主にみられたが,単に軟泥状便を排出するものなどもあり,さまざまであつた。しかし,これらの糞便は潜血反応では陽性を示した。
    3. 病理解剖学所見の主病変は消化器系,とくに大腸のカタール性出血性炎を主徴とした。
    4. 発病豚からのVibrio coliの分離は10%ヒツジ血液加寒天培地をもちい,N2: 85%, CO2: 10%, O2: 5%混合ガス下で72時間培養で非溶血性,透明小集落としてみとめられ,21例の下痢材料中18例(85.7%)から分離された。
    5. 分離菌(Vibrio coli) 36株の発育に関しては,血液寒天培地のほか,trypticaseとcysteineの存在する半流動培地(CTA培地)での発育が,他の培地より優れていることが知られ,H2S産生能も種々の培地で検討することにより,すべての株に陽性となることが知られた。
  • 小島 良平
    1971 年 26 巻 7 号 p. 311-318
    発行日: 1971/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    各種細菌の脂肪酸構成を分析した結果,これがそれぞれの細菌の属に特徴的であり,この性質を細菌の分類学に利用しうる可能性を強く示唆する成績を得た。
    また用いた細菌の構成している脂肪酸は直接もしくは間接にこれらの細菌の生物学的性質と関係をもつことについて,主として溶血阻止性およびアジュバント効果などの研究結果から考察を加えた。
  • 貞弘 省二
    1971 年 26 巻 7 号 p. 319-324
    発行日: 1971/07/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1. 粗ハブ毒および精製した出血因子1 (HR 1)画分,出血因子2 (HR 2)画分の10mg/ml溶液にホルマリンを初め0.2% (v/v)に加え,pH 7.0で37Cにおき,さらに0.2%ずつ隔日に3回または4回追加すると,粗毒,HR 1およびHR 2はほぼ同様の経過を示して,約3週間で完全に無毒化された。
    2. 粗トキソイド,HR 1トキソイド,HR 2トキソイドおよびHR 1・HR 2混合トキソイド(両者の無毒化前の活性比で約7:3に混合した)をリン酸アルミニウム・ゲルに吸着させて4種類の沈降トキソイドを作つた。それぞれのトキソイドをモルモットに3回注射してその免疫原性を比較した。
    粗トキソイドおよび混合トキソイド免疫群は,抗出血価I (Anti-HR 1)および抗出血価II (Anti-HR 2)をともによく産生したが,HR 1トキソイド免疫群では抗出血価Iのみを,またHR 2トキソイド免疫群では抗出血価IIのみをそれぞれ十分に産生した。
    HR 1トキソイドおよび混合トキソイド免疫群では,抗致死価は40∼80u/mlであつた。
    3. 4種類の沈降トキソイドでそれぞれ免疫したモルモットに,粗ハブ毒,HR 1およびHR 2画分を筋肉内に注射して血中抗毒素価と防御能の関係を検討した。粗毒の攻撃に対してすぐれた防御能を示したのは,抗出血価IおよびIIをともによく産生した粗トキソイドおよび混合トキソイド免疫群であつた。しかし,いずれか一方の抗体のみを産生したHR 1トキソイドまたはHR 2トキソイド免疫群は,粗毒の攻撃に対して十分に防御することはできなかつた。
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