日本細菌学雑誌
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28 巻, 6 号
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  • 高添 一郎
    1973 年 28 巻 6 号 p. 489-497
    発行日: 1973/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • II. マウス,モルモットおよび自然界由来の緑膿菌の血清型別,菌力および抗生物質に対する感受性について
    河原条 勝己, 渡辺 忠洋, 石井 孝弘, 八巻 早苗
    1973 年 28 巻 6 号 p. 499-505
    発行日: 1973/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    マウス,モルモットおよび自然界由来の緑膿菌431株の血清型別を試み,ついでマウスに対する菌力と6種の抗生物質に対する感受性を検索したところ,次のような成績が得られた。
    1) 実験動物,自然界由来の緑膿菌431株中424株(98.4%)は1つの型血清に,6株(1.4%)は2つの型血清に凝集したが,1株(0.2%)は非凝集であつた。また,405株の緑膿菌をheart infusion寒天培地で数回継代することにより,24株(5.9%)の血清型に変化が認められた。
    2) マウス,モルモット由来の緑膿菌380株中374株(98.4%)はT-10の型血清に凝集し,土壌,下水,池などの淡水,野犬,牛乳,動物の病的材料由来の緑膿菌の51株中1, 2, 2, 3, 5, 3, 2, 22, 3, 5株がそれぞれT-1, T-2, T-3, T-4, T-5, T-6, T-7, T-8, T-9, T-10の型血清に凝集した。
    3) 実験動物,自然界由来の緑膿菌431株のマウスに対する菌力を調べたところ,腹腔内接種での50%致死量(LD50)は5.0×104から9.9×107/マウスの範囲にあり,その中央
    値は106/マウスであつた。皮下接種では1.0×105から9.9×108/マウスを示し,その中央値は107/マウスであつた。
    4) 抗生物質に対して,この431株の大部分の菌株は3', 4'-dideoxykanamycin Bの6.25∼12.5mcg/ml, gentamicinの12.5∼25mcg/ml, carbenicillinの100∼200mcg/ml, polymyxin-Bの6.25∼25mcg/mml, colistinの125∼1000unit/mlの濃度範囲で感受性を示したが,chloramphenicolに対して,供試菌株の約半数は400mcg/mlで感受性を示し,残りの半数は400mcg/mlに耐性であつた。
  • II ガス産生について
    二宮 敬宇
    1973 年 28 巻 6 号 p. 507-512
    発行日: 1973/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Prévotの分類提要によればガス産生は嫌気性球菌の同定に重要な性状である。ガス産生は培地の種類によつて異なると考える。Beerensらがガス産生の検討に用いているRosenow-cysteine培地と著者が常用しているワセリン重層GAM半流動高層培地におけるガス産生能を比較した。また,フランス学派が常用しているVF高層培地,VL高層培地についても比較検討した。
    3日培養後のRosenow-cysteine培地とワセリン重層GAM半流動高層培地との比較では,133株中112株が両培地で成績が一致,21株はワセリン重層GAM半流動高層培地でのみガスを産生した。この21株をガス産生陽性株としてPrévotの分類提要に従い同定すると21株中14株はPeptococcus asaccharolyticus,1株はPeptostreptococcus anaerobiusと同定され,6株は同定不能となる。逆にRosenow-cysteine培地の成績を基準にしてガス産生陰性とすれば同定不能6株はP. anaerobiusとなるが,GAM半流動高層培地の成績からP. asaccharolyticusと同定した14株は同定不能となり,同様にPs. anaerobiusPs. morbillorumとなる。
    VF高層培地,VL高層培地を加えた4種の培地でのガス産生能を比較すればGAM>VF>VL>Rosenow-cysteineの順でガス産生株が多かつた。
    このようにガス産生能の成績はこれを検査する培地の種類により異なり,それによつてまつたく異なつた菌種に同定される。
  • I. Candida albicansに対する一次作用点の検討
    岩田 和夫, 山口 英世
    1973 年 28 巻 6 号 p. 513-521
    発行日: 1973/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    新合成抗真菌剤clotrimazoleの作用機作をCandida albicansについて追究した。
    本剤はC. albicansに対し0.5∼4.0μg/mlの最小発育阻止濃度(MIC)を示す。6713株を主要試験菌として用いた結果によればMIC (2μg/ml)附近では静菌的に,高濃度(20μg/ml以上)では殺菌的に作用する。細胞浸透圧抵抗性に対しまつたく影響せず,細胞内部呼吸,分離したミトコンドリアの酸化能およびリン酸化能を阻害しない。しかし,殺菌的濃度で乾燥菌量を減少させる。発育細胞による蛋白,RNA, DNA,脂質,壁多糖体の合成を阻害する。その程度は蛋白およびRNAの合成に関し,最も著しく,無細胞蛋白合成系に対しては無効である。本剤処理菌体の化学組成を無処理菌体と比較すると,RNA含量の低下が顕著である。細胞粗抽出液に本剤を加えてもRNA分解は促進されない。本剤は菌体内リン酸化合物およびカリウムイオンの遊出を速やかに亢進する。
    以上の成績から本剤の一次作用が細胞の透過性の変化にあり,従つて細胞膜に作用点をもつことが示唆される。
  • 1973 年 28 巻 6 号 p. 523-532
    発行日: 1973/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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