日本細菌学雑誌
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32 巻, 3 号
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  • 大橋 誠, 善養寺 浩
    1977 年 32 巻 3 号 p. 455-468
    発行日: 1977/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 尾花 芳樹, 出村 政嗣, 三和 秀明, 中沢 昭三
    1977 年 32 巻 3 号 p. 469-476
    発行日: 1977/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    モルモット腹腔内食細胞に対する緑膿菌の細胞毒性をin vitroおよびin vivoで検討し,次のような成績が得られた。
    1. In vitroにおける食菌現象で,緑膿菌は大腸菌に比べ食細胞に貪食され難く,また強い細胞毒性を示した。
    2. In vivoにおける食菌現象でも,in vitroと同様に緑膿菌は大腸菌に比べ食細胞に貪食され難く,また強い細胞毒性を示した。
    3. 緑膿菌の毒性物質を検討した結果,菌体内毒素,slime, elastase, proteaseなどが食細胞に対して強い細胞毒性を示したが,pyocyanin, OEPにはほとんど細胞毒性は認められなかつた。
    以上のように緑膿菌は大腸菌に比べ,モルモット腹腔内食細胞による貪食に抵抗し,またこれらの食細胞に対して細胞毒性を示すことが認められた。
  • 石橋 正憲, 木下 喜雄, 山本 博之, 光田 文吉, 国田 信治, 本田 武司, 竹田 美文, 三輪谷 俊夫
    1977 年 32 巻 3 号 p. 477-484
    発行日: 1977/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1974年に大阪府下で発生した2件の食中毒事例の患者便から分離した腸炎ビブリオ2株について,O抗原の解析を行つた結果,分離菌株は,Miwatani et al. (Biken J., 12: 9-15, 1969)が報告したO12抗原を持つていることがわかつた。K抗原はK19であつた。
  • 井内 史郎, 田中 修二
    1977 年 32 巻 3 号 p. 485-492
    発行日: 1977/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Vibrio parahaemolyticus(腸炎ビブリオ)はデンプン,デキストリン,およびグリコーゲンなどの多糖類を炭素・エネルギー源として利用することができる。これら多糖類の代謝は,この菌が産生する一細胞外酵素アミラーゼに依存して行われ,この酵素を産生しない変異株(Amy-変異株)ではこれら多糖類の代謝のみが特異的に脱落する。これらの多糖類の代謝はマルトース代謝に欠失のある変異株(Mal-変異株)でもAmy-変異株同様ほぼ完全に脱落する。したがつて,細胞外アミラーゼの作用によりデンプン,デキストリン,あるいはグリコーゲンより生じる分解産物中実際たエネルギー源として利用されるのは,主としてマルトースであると推測される。
    野生株における細胞外アミラーゼの産生は,培地中にデンプン,デキストリン,またはマルトースが存在すると著しく促進される。したがつて,この酵素はこれらの物質を見かけ上の誘導因子とする一種の誘導酵素と見なすことができる。Mal-変異株における細胞外アミラーゼの誘導時活性は,しばしば野生株と著しく相違し,あるものでは野生株の2.5倍にも達するが,他のものでは野生株のわずかに7%程度である。このような所見は,細胞外アミラーゼの真の誘導因子がマルトースであることを強く示唆している。
  • 森 實, 加藤 英一, 浜田 輔一
    1977 年 32 巻 3 号 p. 493-499
    発行日: 1977/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ブドウ球菌食中毒とネズミとの関係を研究するため,人家および海堡に生息するドブネズミ(以下人家ネズミ,海堡ネズミと略称)における黄色ブドウ球菌(以下ブ菌と略称),とくにエンテロトキシン(以下Entと略称)陽性株の保有状況および各種性状を検討し,次のような成績をえた。
    1) 人家および海堡ネズミからのブ菌検出率は,それぞれ193匹中87匹,45.1%, 207匹中74匹,35.7%であつた。両者ネズミとも,盲腸,皮膚,直腸からの検出率が高かつた。人家ネズミの皮膚では夏および秋の検出率が,冬および春のそれに比べ有意に高かつた(P<0.01)。
    2) Ent陽性ブ菌の保有率は,人家ネズミで全検査例中の3.6%,海堡ネズミで2.9%であつた。人家ネズミ由来Ent陽性14株のEnt型はすべてA型であり,海堡ネズミ由来の10株はD型4株,C型3株,A型,B型,ACD型各1株であつた。これらの多くは盲腸,皮膚あるいは直腸からの分離株であつた。季節別のEnt陽性ブ菌保有率には,人家ネズミおよび海堡ネズミとも,有意の差はなかつた。
    3) 人家および海墜ネズミ由来のEnt陽性株のすべてが黄色々素を産出し,ほとんどがβ溶血素を産生し,リパーゼおよび卵黄因子陽性であり,ファージ型別不能であつた。人家ネズミ由来Ent陽性株がすべて抗生物質(PC, SM, TC, CM, OL, EM)に感受性を示したのに対し,海堡ネズミ由来株ではPCあるいはSMに耐性のものが多かつた。
  • 森 實, 加藤 英一, 浜田 輔一
    1977 年 32 巻 3 号 p. 501-508
    発行日: 1977/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    食中毒に関与する黄色ブドウ球菌(以下ブ菌と略称)の汚染源を明らかにするため,神奈川県下の某弁当製造販売業の健康な従業員について,季節別,部位別,性別などによるエンテロトキシン(以下Entと略称)陽性ブ菌の保有状況を調べ,あわせて分離株の性状を検討した。
    1) 四季にわたつて同一従業員100人の鼻腔,咽頭,頭髪,手指および大便を検査した結果,延400人中88人(22.0%)からEnt陽性ブ菌を検出した。Ent陽性ブ菌の部位別検出率は6.0∼7.8%の範囲にあり,本菌を保有する部位数は夏および秋に多かつた(P<0.01)。なお性,年齢および職種による本菌の検出率に有意の差はみられなかつた。
    2) 分離したブ菌249株中135株(54.2%)がEntを産生し,D型が57株でもつとも多く,ついでC型35株,A型16株,B型9株,BD型8株,ACD型5株,AB型3株,AC型2株の順であつた。Ent CおよびD型菌は各部位から検出された。
    3) Ent陽性135株中ほとんどすべての株が溶血素,黄色々素,リパーゼおよび卵黄因子を産生し,多くの株がフィブリノリジン陽性であつた。59%の株がN.C.T.C.ファージ型別可能で,そのうちのほとんどがファージIII群あるいはIII群と他群との混合群に属した。また32%の株がPC, SM, CM, TCおよびEMに耐性を示した。
    4) 個人別にEnt陽性ブ菌の推移をみると,2∼3季連続して,しかも同一部位に同一Ent型菌を保有するものがあつた。またある人では,春に鼻腔あるいは咽頭にみられたEnt陽性ブ菌が,夏および秋に他部位へ広がり,かつ定着して行く傾向が窺えた。
    5) ブドウ球菌食中毒発生の起因源として,健康な食品取扱者の体表および粘膜表面などに保有されるEnt陽性ブ菌も,重要視されるべきである。
  • 横田 陽子, 所 光男, 西山 員喜, 寺田 友次
    1977 年 32 巻 3 号 p. 509-510
    発行日: 1977/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 32 巻 3 号 p. 511-524
    発行日: 1977/05/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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