ブドウ球菌エンテロトキシンA, B, C
2をSP-Sephadex C-25クロマトグラフィーおよびSephadex G-75ゲル〓過の2段階のみの簡易的かつ,ほぼ同一の方法で精製した。
精製標品は,いずれもpH 4.3でのディスク電気泳動で1本のバンドを示し,また,それらをウサギに免疫して得られた抗血清との間に,それぞれ1本の沈降線を形成した。得られた抗血清は,粗毒素とも1本の沈降線のみを形成し,referenceエンテロトキシンと融合し,エンテロトキシンA, B, C
2それぞれに特異的であつた。
精製エンテロトキシンA, B, C
2いずれにも,α-ヘモリジンおよびβ-ヘモリジンは認められなかつた。
精製過程における回収率は73∼85%の間であつた。
エンテロトキシンA, B, C
2はいずれも,精製過程におけるSP-Sephadex C-25クロマトグラフィーで,複数のフラクションに分画されたが,それらのフラクションは免疫学的に均一であつた。
エンテロトキシンA, B, C
2のheterogeneityは,pH 9.5でのディスク電気泳動でもみられ,ゲル等電点電気泳動の結果から,エンテロトキシンAは,pI 6.5, 6.8, 7.2, 7.7, 8.3の各成分から,エンテロトキシンBは,pI 8.2, 8.5, 8.7, 8.9, 9.0, 9.1, 9.3の各成分から,またエンテロトキシンC
2は,pI 6.2, 6.8, 7.3, 7.6の各成分からなつていることがわかつた。
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