亜種への分類が行われた
Bacteroides fragilis 64株(ヒト腸管内容,糞便より分離の61株と標準菌株3株)の胆汁酸代謝が検討された。Glycodeoxycholic acid (GDCA), cholic acid (CA), chenodeoxycholic acid (CDCA)のそれぞれを含むpeptone-yeast extract(変法)培地に菌を接種して嫌気的に36時間∼6日間培養し,培養液の胆汁酸組成をガスクロマトグラフィー法によつて分析した。
強弱の差が著しいが全菌株がGDCAの脱抱合を行つた。菌株によつては脱抱合の程度が培地の種類や培養日数によつて左右されるので判定に慎重を要した。
30株(47%)がCA, CDCAの7α-水酸基を脱水素した。
B. fragilis ss.
fragilisでは20株中17株,
B. fragilis ss.
thetaiotaomicronでは17株中12株が陽性であつたが
B. fragilis ss.
vulgatusでは25株全株が陰性であつた。陽性菌は常にCAとCDCAの両基質に対しほぼ同等の活性を示した。3α-水酸基,12α-水酸基の脱水素反応は認められなかつた。また,CDCAの7β-epimerであるursodeoxycholic acidは酸化されなかつた。
期待された7α-脱水酸化反応は供試全株で陰性であつた。
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