胆汁末添加培養がウェルシュ菌(NCTC 8798, 8239, 8238,野生20菌株)の胞子形成能力およびエンテロトキシン産生能力に及ぼす影響を,胆汁末添加クックドミート(CM)培地培養菌を胞子形成培地に接種培養して,検討した。
1) 胆汁末添加培養によつて供試ウェルシュ菌の胞子形成能力が増加した。すなわち,エンテロトキシン(ET)産生性のNCTC菌株(8798, 8239, 8238)および野生菌株IW26の場合には,胞子形成率および胞子数はCM培地の胆汁末濃度(0∼5%および0∼3%)が高かつた時ほど増加した。野生菌株(ET産生性IW26, ET産生陰性19菌株)の場合には,その95% (19/20菌株)において,胆汁末添加CM培養によつて胞子形成培養における胞子形成率が増加した。
2) 胆汁末添加培養によつてET産生性のNCTC菌株(8798, 8239, 8238)および野生菌株IW26のET産生能力が増加した。すなわち,胞子形成培養における胞子形成細胞当りのET産生量,および,発育細胞当りおよび培養液当りのET産生量はCM培地の胆汁末濃度(0∼5%)が高かつた時ほど増加する傾向を示した。
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