日本細菌学雑誌
Online ISSN : 1882-4110
Print ISSN : 0021-4930
ISSN-L : 0021-4930
44 巻, 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 吉川 昌之介
    1989 年 44 巻 6 号 p. 757-788
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 村上 研一郎, 新井 俊彦
    1989 年 44 巻 6 号 p. 789-796
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    一般の細菌と大きく性状の異なる好アルカリ性Bacillus属細菌の菌体抽出物より,cAMP依存性プロテインキナーゼ(Aキナーゼ)阻害活性物質が得られた。この阻害活性物質は,菌体破砕液を60%エタノールで処理し,その抽出液を陰イオン交換クロマトグラフィーおよびゲル濾過クロマトグラフィーにより精製された。これらの操作により得られた,精製阻害活性物質は,100C, 10分間の加熱に対しても安定な,分子量1万3千のペプチド性物質であつた。この阻害活性物質は,Aキナーゼに対して高い特異性を示した。さらに,Aキナーゼに対する阻害機構について検討を行つたところ,Aキナーゼの4量体が酵素活性発現に伴い,2個の触媒サブユニットと2量体の調節サブユニットへ解離する段階に作用していた。この阻害活性物質は,細菌より得られたペプチド性の高分子物質で,その性状,阻害様式ともに従来の阻害剤とは大きく異なつていた。このAキナーゼ特異的阻害活性物質について,CHO細胞を用い,Aキナーゼを介した細胞増殖抑制に及ぼす阻害活性物質の影響を検討した。その結果,阻害活性物質はCHO細胞の増殖抑制にまつたく影響を及ぼさなかつた。
  • 大坪 義和, 古川 ますみ, 杉本 信子, 生藤 正敏, 加藤 敬香, 矢野 郁也, 新家 荘平, 土肥 義胤
    1989 年 44 巻 6 号 p. 797-803
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    結核菌と類縁の抗酸菌,Gordona aurantiacaより抽出したミコール酸含有糖脂質,trehalose-2, 3, 6'-trimycolate (GaGM)のin vitro培養系における免疫薬理学的作用を検索した。GaGMをリポソームに封入して(GaGMリポソーム),マウスの脾細胞の培養系に添加することにより著明な細胞増殖が認められた。マウスの脾細胞をモノクローナル抗Thy 1.2抗体および補体で処理し,T細胞を除去した脾細胞では,この様な細胞増殖が認められなかつたことから,GaGMリポソームは,内毒素リポ多糖(LPS)に見られるようなB細胞増殖作用を有せず,かつ細胞増殖にはT細胞の関与していることが明らかになつた。また,Sephadex G-10カラムを通過させて,マクロファージを吸着除去した脾細胞が,GaGMリポソームによる細胞増殖を示さなかつたことから,GaGMリポソームによる細胞増殖にはマクロファージの存在が必要であることが示された。さらに,GaGMリポソームは,リンパ球混合培養反応を増強すること,およびallogeneicな腫瘍細胞を傷害するキラーT細胞の誘導を著明に増強することも明らかになつた。
    GaGMリポソームをマウスにin vivo投与することにより,著明な免疫増強作用が認められることはすでに報告したが,今回われわれは,in vitro培養系においても,免疫増強作用が顕著に検出できることを示し,細胞学的レベルでの機序についての検索を可能にした。
  • 井口 毅裕, 近藤 誠一, 久恒 和仁
    1989 年 44 巻 6 号 p. 805-812
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    アユ,ウナギ,サケ科魚類のビブリオ属細菌感染症の原因菌の1つとして,Vibrio anguillarumが知られ,本菌は生化学的・血清学的性状の相違により,A, B, Cの3種に型別されている。今回,血清型Bに属するV. anguillarum PT514株のO抗原リポ多糖(LPS)を取り上げ,その化学的性状,特に分子構築について検討した。LPSの全多糖体画分(degraded polysaccharide: DPS)からSephadex G-50ゲルクロマトグラフィーによつて分画したO抗原多糖鎖部分は多量のグルコース(Glc)を含み,PT514株LPSの多糖鎖はグルコースホモポリマーを基本骨格とすることが示唆された。また,LPSの弱酸加水分解によつて多量のフルクトース(Fru)と4-アミノ-4, 6-ジデオキシーグルコース(4-amino-4, 6-dideoxy-Glc)が遊離され,PT514株LPSは他の血清型菌株のLPSとは異なる性状を持つことが示された。多くのグラム陰性菌LPSのコア部分の共通構成糖である2-keto-3-deoxy-octonate (KDO)は常法では検出されず,他のビブリオ科細菌と同様,強酸加水分解によつて初めてKDOのリン酸化誘導体が検出され,リン酸化KDOは広くビブリオ科細菌LPSに分布することが示された。
  • 国府島 泉, 金政 泰弘
    1989 年 44 巻 6 号 p. 813-816
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    The membrane filter technique with AC agar medium supplemented with 0.04% NaN3 and 0.00015% 2, 3, 5-triphenyltetrazolium chloride for enumeration of enterococci in water is described. An appropriate volume of a water sample was filtered through the membrane filter. The membrane filter was put on an AC agar plate (designated as the AC⋅MF technique), which was incubated at 37C for 18hr and further at 45C for 24hr. By this AC⋅MF technique, all the colonies grown on the membrane filters were identified as enterococci, and the count of enterococci obtained by the AC⋅MF technique was similar to that by the AC⋅MPN technique. The AC⋅MF technique may be useful for accurate and rapid enumeration of enterococci in water and serve as a simple method for determining the sanitary quality of water.
  • 古川 真由美, 荒井 澄夫, 宗像 哲男, 桑野 剛一, 井上 博之, 冨田 憲朗
    1989 年 44 巻 6 号 p. 817-821
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Several species of mycoplasmas including M. pneumoniae, the causative agent of human respiratory infection, were investigated for tumor necrosis factor-alpha (TNF-α) induction. The cytotoxic activity to Meth A cells of peritoneal macrophages purified from BALB/c mice was enhanced markedly when cultured with either viable or nonviable mycoplasmas. The supernatant of macrophage culture mixed with mycoplasmas, M. pneumoniae or A. laidlawii, showed a potent cytotoxic activity to TNF-α-sensitive but not to TNA-α-insensitive L cells. Addition of anti-TNA-α antiserum inhibited completely the cytotoxic activity of the supernatant, indicating that the cytotoxic activity is due mostly to TNF-α. These results strongly suggest that mycoplasmas possess an activity to induce TNF-α, which enhances the cytotoxic activity of macrophages and prevent infection with mycoplasmas in vivo.
  • 1989 年 44 巻 6 号 p. 823-842
    発行日: 1989/11/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
feedback
Top