新鮮分離株でマウスにおける感染系が成立することを確認し, この感染系を用いて肺におけるサイトカインのmRNA発現を証明した。
肺組織からの
M. pulmonis の分離, 中和抗体価を感染35日後まで測定したが, いずれも経時的にその値が増加した。肺の病理学的所見は肉眼的にも組織学的にも21日後には最大に達した。組織学的には小血管や気管支壁を中心に単核球, 多核白血球の浸潤およびそれに伴う肺胞壁の肥厚が認められた。
M. pulmonis 感染マウスの肺組織のTNF-αおよびIFN-γのmRNAは
M. pulmonis の接種後24時間から35日目まで持続的に検出された。さらに肺胞気管支洗浄液から回収した細胞の中で, 付着細胞からはTNF-αが, また非付着細胞からはIFN-γのmRNAの発現が認められた。
以上の結果は,
M. pulmonis の感染による肺病変にTNF-αやIFN-γが関与していることを示唆する。
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