日本細菌学雑誌
Online ISSN : 1882-4110
Print ISSN : 0021-4930
ISSN-L : 0021-4930
52 巻 , 4 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 橋本 安弘
    1997 年 52 巻 4 号 p. 649-657
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    チフス菌GIFU10007株からVi抗原の産生に必要なviaB領域をクローニングした。得られた約14-kbのDNA上に, 調節遺伝子, Vi多糖体の生合成遺伝子群, 輸送遺伝子群を同定した。vipA産物はUDP-N-acetylglucosamine (GlcNAc) dehydrogenase 活性をもち, Vi多糖体はUDP-GlcNAcから4個の遺伝子産物の働きにより合成されると推察された。輸送に関与する遺伝子, vexABCDはグラム陰性菌のグループII莢膜多糖体の遺伝子とアミノ酸レベルで相同性を示し, Vi抗原はグループII多糖体と類似したATP依存性の能動輸送系により細胞表層に転移されると推察された。この領域の先頭に位置するvipRの遺伝子産物はその上流の調節領域に結合することにより, vipRを含むこの領域に位置するすべての遺伝子発現を正に調節することが明らかになった。また, 本研究で決定した塩基配列からPCRプライマーを設計し高感度なチフス菌検出系を作成した。
  • 清水 徹
    1997 年 52 巻 4 号 p. 659-670
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    A型ウェルシュ菌はα-毒素, θ-毒素, κ-毒素など, さまざまな毒素を産生し, これら毒素の協調的作用によってガス壊疽などの感染症を引き起こす。これら毒素の産生調節機構を解明することは本菌の病原性を理解する上で非常に重要と考えられ, 本研究では, ウェルシュ菌の毒素産生調節機構についてθ-毒素遺伝子の発現調節を中心として解析した。θ-毒素遺伝子, pfoAはその上流のpfoRによりシス優位に正に調節され, pfoR遺伝子はまた, 二成分制御系遺伝子, virR/virS遺伝子により正に調節されていることが明らかとなった。virR/virS遺伝子はそれぞれレスポンスレギュレーターとセンサーヒスチジンキナーゼをコードし, 外界の刺激をリン酸化を介して細胞内に伝達し, 本菌の病原性を調節するものと考えられ, θ-毒素以外にもα-毒素, κ-毒素, 血球凝集素, ヒアルロニダーゼ, プロテアーゼの産生をも調節することが判明した。これらのうちα-毒素, θ-毒素, κ-毒素遺伝子についてそのプロモーター構造を決定したところ, θ-毒素, κ-毒素遺伝子にはVirR/VirSに依存するプロモーターと構成的に発現されるものとが存在したのに対し, α-毒素遺伝子にはVirR/VirSによって増強される一つの構成的プロモーターが同定された。これらのプロモーター付近にはVirR/VirSシステムが認識して結合すると考えられる共通DNA配列が存在せず, pfoRpfoAの関係のようなさらに複雑な調節カスケードが存在することが示唆された。
  • 太田 寛行, 井上 哲圭, 谷本 一郎, 福井 一博
    1997 年 52 巻 4 号 p. 671-692
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    歯学領域では, Actinobacillus actinomycetemcomitans が, 歯周病を惹起する細菌の一つとして注目されている。本稿では, この細菌の主要な病原因子の一つであるロイコトキシンと歯周組織への定着に関与する線毛について概説した。ロイコトキシンはヒトの単球と多形核白血球を特異的に傷害する蛋白毒素であり, 大腸菌のα-ヘモリジンに代表されるRTX毒素ファミリーに属する。ロイコトキシンの発現は, 培養条件の違いによって大きく変動する。ケモスタットを用いて増殖環境を制御した実験では, ロイコトキシン産生は増殖速度に依存し, 重炭酸イオンで促進され, 嫌気ないし微好気条件で至適となり, さらに, カタボライト抑制様の機構で調節される結果が得られている。このような複雑な毒素発現調節は他のRTX毒素と比べても特異である。一方, A. actinomycetemcomitans の線毛についての情報は極めて限られていた。それは, 線毛の発現が新鮮分離株でしかみられず, 継代培養によって消失するからである。最近になって, ようやく, 線毛の精製と遺伝子クローニングが成功した。その遺伝子解析の結果からは, いくつかのグラム陰性菌でみられるタイプIV線毛との共通性がみえてきた。
  • 松井 英則
    1997 年 52 巻 4 号 p. 693-702
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Pl (pathogenicity island) とは, 病原細菌の染色体上に存在するビルレンス遺伝子クラスターである。Salmonella では, IVET (in vivo expression technology) や STM (signature-tagged mutagenesis) システムが用いられ, 感染マウス内で実際に発現しているビルレンス遺伝子が検索されている。S. choleraesuis serovar Typhimurium の染色体上63 centisome にマップされた SPI1 (Salmonella pathogenicity island 1) には, 30の遺伝子が同定されているが, その中の分泌蛋白質は, タイプIIIの分泌機構をとっている。また上皮細胞への侵入性に関わる遺伝子群は, ShigellaYersinia のプラスミド上の侵入性遺伝子群と類似した構造をとっている。最近, これら侵入性遺伝子の発現調節に, PhoP/PhoQの二成分系の関わりが明らかとなった。PhoPは, spv (Salmonella plasmid virurence) 遺伝子の発現調節にも関わっており, 2価力チオンの濃度変化をシグナルとして種々のビルレンス遺伝子の発現調節を担っていることが明らかとなってきた。
  • 神尾 好是
    1997 年 52 巻 4 号 p. 703-718
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    極めて相同性の高い一次構造を持つ2種類の蛋白質が, 数個のアミノ酸残基の相違により全く異なった機能を持つという事実が Staphylococcus aureus の二成分蛋白毒素ロイコシジンならびにγヘモリジンにおいて明らかにされた。両者は, それぞれヒト白血球および赤血球上で孔を形成する蛋白毒素であるが, ロイコシジンの LukS 成分が, プロテインキナーゼA認識蛋白質であり, 本毒素成分のリン酸化と毒素活性特異性とに強い相関があることが明らかになった。また Panton-Valentine ロイコシジン遺伝子 (lukF-PVおよび lukS-PV) はφPVLと命名された S. aureus の溶原ファージゲノム上に存在した。本総説において, 次の5項目; (i) 二成分サイトリジンファミリー遺伝子の存在, (ii) lukF-PVおよびlukS-PVの溶原ファージゲノム上での存在, (iii) ロイコシジンとγヘモリジン成分の標的細胞への作用機構, (iv) ロイコシジンとγヘモリジン成分の細胞認識特異性を決定する最小領域, および (v) プロテインキナーゼA認識蛋白質としてのロイコシジンLukS成分, について今日までに明らかにされた研究成果を解説した。
  • 三森 真琴, 湊 一
    1997 年 52 巻 4 号 p. 719-726
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 増田 美奈子, 堀口 安彦
    1997 年 52 巻 4 号 p. 727-734
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 上田 泰史, 鈴木 則彦, 宮城 和文, 野田 孝治, 竹垣 友香子, 古川 徹也, 廣瀬 英昭, 橋本 智, 矢野 周作, 宮田 義人, ...
    1997 年 52 巻 4 号 p. 735-746
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1979年∼1995年の17年間に大阪空港および関西空港から入国した海外旅行者は36,780,440名であり, 検疫時に下痢の申告をした者は84,777名 (0.23%) であった。そのうち29,587名について検便を行い9,766名 (33.0%) の患者から下痢原因菌が検出された。その内訳はプレシオモナス3,234名, サルモネラ2,236名, 毒素原性大腸菌1,621名, 腸炎ビブリオ1,959名, 赤痢菌1,242名の順であった。これらの赤痢患者から2菌型同時検出例を含めると1,278株の赤痢菌が検出され, その症例について, 推定感染国, 検出菌の血清型 (Shigella sonnei についてはコリシン型も実施) および薬剤感受性について解析した。推定感染国別にみた患者数はインドが最も多く, 53.4%を占めた。検出された菌株の亜群はS. sonnei (57.8%) が最も多く, S. flexneri (29.8%), S. boydii (8.4%), S. dysenteriae (4.0%) の順であった。S. sonnei のコリシン型は6型と0型が多く, 両者で73.6%を占めた。薬剤に対する耐性率は, S. dysenteriae 92.2%, S. sonnei 89.4%, S. flexneri 87.1%, S. boydii 84.9%といずれも高率であり, とくにS. flexneri の耐性率に経時的な上昇が目立った。
  • 1997 年 52 巻 4 号 p. 747-799
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 52 巻 4 号 p. 801-802
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 52 巻 4 号 p. 803-806
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
feedback
Top