育種学研究
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19 巻, 1 号
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原著論文
  • 杉浦 和彦, 中村 充, 加藤 満, 伊藤 晃, 野々山 利博, 中嶋 泰則
    原稿種別: 原著論文
    2017 年 19 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2017/03/25
    公開日: 2017/04/11
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    電子付録

    愛知県農業総合試験場で保存しているイネ503品種・系統から,ほ場検定法,集団検定法,品種別検定法の3種類の方法により,斑点米カメムシ抵抗性品種・系統を選定した.ほ場検定では,野外ほ場で自然発生したカメムシに対する抵抗性品種の選定を行った.集団検定法では,テトロンゴース製の布を蚊帳のように吊るした中でカメムシを増殖させた後,複数のイネ品種を蚊帳内に移し,カメムシに吸汁させて品種間の抵抗性比較を行った.品種別検定法では,1株ごとにテトロンゴース製の布をかぶせ,そこにカメムシを放飼して,品種ごとの抵抗性を判定した.これらの検定には,クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinesis)を用いた.ほ場検定及び集団検定により初期選抜を実施して有望な品種・系統を絞り込んだのち,品種別検定により抵抗性を確認した.その結果,「GP242」,「TI-11-8」,「密陽44号」,「CRR-99-95W」が抵抗性を示した.さらにこの4系統を用いて,ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)に対する抵抗性を検定した結果,「密陽44号」,「CRR-99-95W」が抵抗性を示した.以上の結果から,「密陽44号」,「CRR-99-95W」はクモヘリカメムシ及びミナミアオカメムシに対する抵抗性品種育成の母本として有望であると考えられた.

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